安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

若杉実著 「裏ブルーノート」(シンコーミュージック)を読み、「ブルーノート アルバム・カヴァー・アート」(美術出版社)を眺めました。

2018-12-18 20:05:01 | 読書

音楽ジャーナリストで、CDやDVDの企画を手がける若杉実さんが書いた「裏ブルーノート」(シンコーミュージックエンタ-テイメント)を読みました。39枚のブルーノート・レーベルのアルバムについて、なにを聴くかではなく、どう聴くかという視点で、書かれた本です。

 

   

数多いアルバムから39枚選択されて論評されていますが、選択自体がどう聴くかに関連したもので、日本ではあまり話題にならないものも入っています。例えば、エディ・ゲイル「Ghetto Music」(1968年録音)、ジュレミー・スタイグ「Wayfaring Stranger」(1970年録音)、ロニー・スミス「Move Your Hand」(1969年録音)、V.A.「Blue Note At The Roxy」(1976年録音)です。

有名アルバムでもフレッシュな視点からの記述がされています。ジョン・コルトレーン「Blue Train」に関しては、コルトレーンがこの一枚だけのリーダー作を当レーベルへ録音した経緯が語られ、リー・モーガン「The Sidewinder」については、同曲のイントロからテーマに入る休符5拍分から話が始まり、ケニー・バレル「Introducing」では、バレル抜きのリズムだけによる演奏にスポットを当てています。

ハービー・ハンコックの「Empyrean Isles」から「Maiden Voyage」にかけてのリーダーアルバム相互の関連について記した章、黒人差別の解消運動にフランシス・ウルフ(ブルーノート経営者)が一役買っていたという指摘があるエディ・ゲイル「Ghetto Music」の章などは、特に印象深く読みました。

僕の知らないブルーノートレーベルのアルバムを聴きたくなった本でもあります。

【ブルーノート アルバム・カヴァー・アート(美術出版社)】

ジャケット集である「ブルーノート・アルバム・カヴァー・アート」(美術出版社刊)を取り出して眺めてみました。Vol.1とVol.2の表紙を掲載しましたが、大型本なのでスキャナーに入りきれず空間ができてしまいました。Vol.1には、LPジャケット233点がフルカラーで収録され、うち51点はLPサイズで掲載されています。僕の持っているのは旧い版ですが、vol.1については、新版が出ています。

音が聴こえてきそうなレコードジャケットばかりです。上記のうち、若杉実著「裏ブルーノート」では、ソニー・クラーク「Cool Struttin'」、リー・モーガン「The Sidewinder」、ジョン・コルトレーン「Blue Train」について書かれています。

 

こちらは続編のVOL.2です。「裏ブルーノート」では、SABUの「palo congo」、アート・ブレイキー「A Night at Birdland vol.1」について記述されています。