書店の文庫本新刊コーナーで、パラパラとみたら面白そうだったので購入した本です。
(著者略歴)
1955年金沢生まれ、銀行勤務などを経て、84年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞を受賞しデビュー。2002年「肩ごしの恋人」で直木賞、08年「愛に似たもの」で柴田錬三郎賞を受賞。登山家の田部井淳子さんをモデルとした「純子のてっぺん」など著書多数。長野県軽井沢町在住。
(文庫本裏面にある内容の紹介)
(目次)
(感想)
愛犬のために東京から軽井沢に転居後、いくつかの経過を経て山登りを始めるようになり、その面白さに夢中になっていく様子が高揚感とともに描かれています。僕も同年代で登山を始めているので、自分のことのように共感した部分があります。
著者は、自分の山として浅間山に親しみ、八ヶ岳の素晴らしさについて語っていて、私も上っているところが多く、光景が目に浮かびました。冬山登山やエベレスト街道への遠征などについては、次の展開が知りたくて、どんどんページが進みました。
山を通じていろいろな方と著者は出会い、おつきあいをしています。特に、登山家の田部井淳子さんについては一章を設けています。山を媒介として、人との出会が描かれているところも魅力的なエッセイです。