先日tutayaでたまたま借りてきた映画(DVD)に、トニー・ベネット(vo)が歌手として出演していました。作品名は「アナライズ・ミー」で、ハロルド・ライミス監督、出演は、ロバート・デ・ニーロ、ビリー・クリスタルなどでコメディです。マフィアのボスが、ストレス性発作に悩まされて精神科医にかかり、騒動が起きるという内容ですが、最後に歌手としてトニー・ベネットが登場し、歌うのは、ハッピーエンドに相応しい「I've Got The World on A String」。ベネットのアルバムを聴いてみます。
TONY BENNETT (トニー・ベネット)
WHEN LIGHTS ARE LOW (COLUMBIA 1962年録音)
トニー・ベネットは、1950年代から大活躍し、60年代も62年の「I Left My Heart In San Francisco」や続く63年の「I Wonna Be Around」などで大ヒットを放ち、アルバムも多数ある代表的な男性シンガーの一人です。上記の映画は、1999年の製作なので、ベネットが73歳の時の出演になります。髪の毛は白くなったものの、歌う姿に惹きつけられます。
ベネットの張りのある力強い歌声を聴くと、オペラのベル・カント唱法を想いうかべます。このアルバムでも、そんな箇所もありますが、全般的にはリラックスした歌声が聴けます。伴奏は、ラルフ・シャロン(p)、ハル・ゲイロード(b)、ビリー・エクスナー(ds)。
曲はスタンダードが多く、「Nobody Else But Me」、「When Lights Are Low」、「On Green Dolphin Street」、「Ain't Misbehavin'」(浮気はやめた)、「It's A Sin To Tell A Lie」(嘘は罪)、「I've Got Just About Everything」、「Judy」、「Oh! You Crazy Moon」、「Speak Low」、「It Had To Be You」、「It Could Happen To You」、「The Rules Of The Road」の12曲。「Judy」は、ホーギー・カーマイケルの曲ですが、ジュディー・ガーランドが好きな歌で、彼女の芸名は、この曲名からとられたそうです。
「It's A Sin To Tell A Lie」(嘘は罪)は、4ビートで絶妙にスイングし、シャロンのピアノと一体になった歌が聴け、絶品といっていいのではないでしょうか。他にも、ミディアムで快適にバウンドする「Nobody Else But Me」、すごいスロー・テンポでヴァースから歌う「On Green Dolphin Street」、情感を込めて歌う「Judy」など、伴奏陣の好演ともあいまって、忘れられない作品です。曲によりテンポの設定が思い切って行われていて、ベネットのこだわりが感じられます。
【アナライズ・ミー】 DVD
アメリカでは大ヒットした映画のようですが、日本での受けはどうでしょうか。精神分析やサンサルティングが盛んなアメリカの世情を反映してヒットしたのかもしれません。ロバート・デ・ニーロなど達者な役者ぞろいで、大笑いをするというようなコメディではありませんが、さもありそうな話が愉快です。
ベネットのアルバム中、これがお好きだとのこと。僕と同じで嬉しいです。「嘘は罪」は、ツ中でそんな感じの箇所もありますね。深刻にならなくてよいです。日本語では「嘘も方便」というような言葉もありますし(笑)
お久しぶりにありがとうございます。また覗いてみてください。
「嘘は罪」を軽く笑いながら唄っているのが良いです。
「嘘は罪」は、ベスト盤に収録されていたのですね。このヴァージョンがいいと書いたので嬉しいです。
僕は、このごろCDも買うようのになりましたが、元来LPの方が好きです。曲数の多いヴォーカルものなどは、CDは便利ですが、ジャケット、音質ともにLPですね。
はじめてコメントいただいたと思います。今後のよろしくお願いします。
私も、CDではなくLPでしか持っていないのですが、こういう時代の音楽はなぜかLPのほうが雰囲気がありますね。
我が家のレコードプレイヤー派、まだまだ現役です。
ebiさんのブログを拝見しました。初期のアルバムが揃っていて壮観です。「Blue Velvet」は入手したいと思っています。
ベネットは、時として声を張り上げるなど、どうもと言う時があるのですが、この「When Lights are Low」は、そういうこともありません。バラード系もよいのですが、スインガーの「嘘は罪」を聴きたくなります。持っているのは日本盤LPで、CDが出ていたとは知りませんでした。
特にこの盤にはちょっとした思い出があります。
なかなか入手できなくて、やっとCD化されたとき飛びついて買ったのですが、その一ヵ月後オリジナル盤を安価で見つけがっかりするやら、オリジナルを入手できて嬉しいやら複雑な気持ちになったものです。