安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

映画「オスカー・ピーターソン」を観ました。(3月9日 上田映劇)

2024-03-11 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

映画「オスカー・ピーターソン」が、長野県上田市の映劇で、上映されたので、観ました。

   

チラシ表。

   

チラシ裏

(オスカー・ピーターソンの略歴など)

(あらすじ)

数々の名盤や来日公演で日本でも知られている、カナダのジャズピアニスト、オスカー・ピーターソンの波乱万丈な人生と音楽にスポットを当てたドキュメンタリー映画。
演奏の光景とともに本人、妻へのインタビュー、影響を受けたミュージシャンの証言などで構成。順風満帆に見えた彼の音楽人生ですが、人種差別と戦い、1962年に作曲した「自由への賛歌」は公民権運動を象徴する曲の一つとなっている。93年には脳梗塞を発症し、演奏は絶望的かと思われたが、奇跡の復活を遂げ、2004年には来日を果たした。

(監督、主な出演者など)

監督:バリー・アヴリッチ

出演:オスカー・ピーターソン、ビリー・ジョエル、クインシー・ジョーンズ、ラムゼイ・ルイス、ハービー・ハンコック、ブランフォード・マルサリス、ジョン・パティスティ、ケリー・ピーターソン(妻)他。

(感想など)

オスカー・ピーターソンは、生地のカナダで尊敬されていて、彼を称える記念日や学校、貨幣があるということを初めて知り、この映画がカナダで企画されたことに納得がいきました。僕は、来日公演は聴いていませんが、「Night Train」や「Plyas Frank Sinatra」といった名盤で彼の音楽に親しんできたので、この映画も身近に感じました。

彼の生涯を時系列で描いているので、全体に理解しやすく、ピーターソンの演奏について、様々な角度から撮影された映像が用いられていて、超絶技巧がわかる点も良かった。また、彼が音楽だけでなく、黒人に対する差別や脳卒中からのリハビリに対し、不屈の精神で臨んでいた姿勢には、感銘を受けました。

この映画を観て、ノーマン・グランツに対する見方が変わりました。大量録音のレコード会社オーナーとしか認識していなかったのですが、JATPを立ち上げ、酒場の音楽だったジャズを舞台にあげ鑑賞音楽とし、人種差別と戦ってもいます。ピーターソンを含むJATPのメンバーがバスで移動していく場面がとても印象に残りました。

(注)JATPとは、Jazz at the Philharmonicの略で、1944年のちのVerveレコードの創始者となった、ノーマン・グランツがスタートさせたジャズの興行のこと。数組の演奏者が、コンサート形式でジャズを演奏し、録音が行われレコードも発売。

【公式サイト】

映画『オスカー・ピーターソン』 (oscarpetersonmovie.com)

予告編も見ることができます。

【上田映劇】

住所:長野県上田市中央2-12-30
電話:0268-22-0269
ホームページ: 上田映劇 – 長野県上田市で100年の歴史を誇る老舗劇場。上田映劇のホームページ。 (uedaeigeki.com)

外観

映画「オスカー・ピーターソン」と映画「ロイ・ハーグローヴ 人生最後の音楽の旅」のポスター。上田映劇では、この2作を3月21日まで上映。15日からは、近くの別会場で上映されます。

上田映劇入口。



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4 コメント

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Unknown (yuki)
2024-03-12 10:20:50
あぁ~ オスカーピーターソンも懐かしい!
今、アレクサでピアノ曲を聴いています。
なんて、こんなに哀愁を感じる響きなのでしょうか?
いつも、ご紹介いただいているジャズは学生時代を思い起こせます。
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オスカー・ピーターソン (azumino)
2024-03-12 19:51:29
yukiさん こんにちは

オスカー・ピーターソンは、来日公演や国内盤レコードが多く出されていたので、目にする機会が多かったですね。お店にもよりますが、ジャズ喫茶でも流れていましたので、コルトレーンやビル・エヴァンスと並んで、結構聴かれていたと思います。

今回、ドキュメンタリー映画の上映があり、こうして映像でみることができて嬉しかったです。

コメントありがとうございます。
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ノーマン・グランツ (duke)
2024-03-13 07:39:23
azumino さん、おはようございます。

「フクロウ」に「ファイアバード」、「Winter boy」、「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最後の愛人」、「レザボア・ドッグス」と上田映劇のラインアップは渋いですね。何と言ってもオスカーとロイハーが並んでいるのが凄いです。

ノーマン・グランツはリリースをめぐって批判もありますが、ジャズを変えた偉大な人です。レコードにしても実用的な包み紙にしかすぎなかったジャケットをデヴィッド・ストーン・マーティンのデザインで芸術的にしたのがグランツでした。このアイデアがなければレコードジャケットは無味乾燥なものになっていたでしょう。
グランツ傘下に白人ミュージシャンが少ないのは差別に反対するメッセージと思います。グランツの一面を知ることができた映画でもありました。
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Unknown (azumino)
2024-03-13 20:51:11
デュークさん こんばんは

地方の映画館は、特に、独立系だと、経営は厳しそうですが、この上田映劇は、よく頑張っていると感心しています。

札幌でロイ・ハーブローヴ観ましたが、ジャズ関連の映画によく入っているなと、観客が多くてびっくりしたくらいです。都会はコアなファンがいて違いますね。

デュークさんに書いていただいたように、僕は、今回、ノーマン・グランツについて、認識を新たにしました。粗製濫造という感じがあったのですが、JATPやディッド・ストーン・マーティンの起用など、革新的なことをやっていて、それがこの映画にも描かれていて、目から鱗ですた。

なお、本日付で、村上春樹著「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」の読書感想文をアップしました。暇があったら、ご一読ください。たいした感想にはなっていませんが、これもグランツの業績ですね。
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