安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

FRANK SINATRA (フランク・シナトラ) ACADEMY AWARD WINNERS

2007-12-13 22:12:09 | ヴォーカル(E~K)

うれしいニュースがロサンゼルスから届きました。アメリカ郵政公社が、来年春、フランク・シナトラの肖像を図柄にした記念切手を1億2000万枚発行すると公表しました。12日なのでシナトラの誕生日にあわせたものです。肖像が切手の図柄になるってたいへんなことですね。というわけでお祝いに予定を変えてシナトラのアルバムです。

FRANK SINATRA (フランク・シナトラ)
DAYS OF WINE AND ROSES MOON RIVER AND OTHER ACADEMY AWARD WINNERS (reprise  1964年録音)

Academyawardwinners

シナトラのレーベルへの11作目の録音で、コンセプトがアカデミー賞を受賞した曲を歌うものです。ポピュラーな曲をいれたせいもあり、このアルバムはヒットして、ビルボードLPチャートに24週入り、最高10位になったアルバムです。

収録されているのは、すべてスタンダードとよんでいい曲ばかりです。そしてここでのシナトラは深刻ならず軽く歌っていて僕の嗜好に合っていて、数多くあるシナトラのアルバム中、結構好きなものです。また、編曲がネルソン・リドルで、ストリングスもいれた豪華バックでいいです。

全体に快調ですが、歌われた曲の中では、静かに歌われた「Moon River」、「Three Coins in The Fountain」、「Secret Love」あたりやスケール大きく歌われる「Love is a Many Sprendored Thing」(慕情)がよく、そして「All The Way」の再録もやはりいいです。


EYDIE GORME (イーディー・ゴーメ) BLAME IT ON THE BOSSA NOVA

2007-12-11 22:48:13 | ヴォーカル(E~K)

今朝、通勤経路を変えて歩いて行くと、「ララバイ・オブ・バードランド」がタリーズ・コーヒー店から聞こえてきました。クールな歌声は、ひんやりした朝の町に似合っていて、その歌声に誘われて店に入りました。コーヒーをゆっくり味わっていたので遅刻寸前でした。今日は、「The Coffee Song」(コーヒー・ソング)にして「ララバイ・オブ~」は後日にとっておきます。

EYDIE GORME (イーディー・ゴーメ)
BLAME IT ON THE BOSSA NOVA (COLUMBIA 1962年~63年録音)

                             「恋はボサノバ」のシングル盤(1967年)  

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コーヒー関連ではなんといっても「Black Coffee」がよく知られていますが、「The Coffee Song」もフランク・シナトラのヒット曲として、また、コーヒー・カップをステージにもっていく彼のパフォーマンスも有名でした。きょうの気分で、ポピュラー・タッチのイーディー・ゴーメのアルバムにしてみました。

イーディー・ゴーメは、ジャズというより素直に甘い声で歌っていくタイプのポピュラー歌手といった方がイメージに近いと思います。アルバムも多く、オールディーズとしても扱われるので、日本でもおなじみでしょう。このアルバム中、ヒットしたのは「Blame It On The Bossa Nova」(恋はボサノバ)で、1963年ビルボード・チャートに15周入り最高は7位でした。

「The Coffee Song」ですが、1946年にナイトクラブのコパカパーナで上演されたレビューのためにBob Hilliare(詞)とDick Miles(曲)が作ったものです。賑やかで、ブラジルでは、コーヒーをそれこそいっぱい飲みますというコーヒー賛歌です。「地方色を出すために、クルーラー(ドーナツ、軽い揚げ菓子)をコーヒーと一緒に出してあげよう、ドーナツをコーヒーに浸す(dunk)のはたやすいから」、といったくだりもあって、なんだか日本全国に展開するダンキン・ドーナツの応援歌のようでもあります。

他に「One Note Samba」、「THe Gift(リカド・ボサノバ)」、「Desafinado」、「The Seetest Sounds」などを収録。アレンジはNick Peritoらで、クラーク・テリー(tp)やグーミー・リチャーズ(ts)がソロをとっています。楽しいアルバムです。


ANDRE PREVIN (アンドレ・プレヴィン) 「LET'S GET AWAY FROM IT ALL」

2007-12-10 22:50:51 | ピアノ

10月に放映されたNHK教育テレビのN響アワーで、インタビューされたアンドレ・プレヴィン(指揮者・ピアニスト)が、ジャズをやる予定はありませんかと尋ねられて、いや、シリアス・ミュージックだけ(クラシックだけ)と答えていました。ちょっと残念です。録画を見たのですが、今晩はプレヴィンの寛ぎ盤です。

ANDRE PREVIN (アンドレ・プレヴィン)
LET'S GET AWAY FROM IT ALL (Decca 1955年録音)

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ジャケットのスポーツ・カー(英国 オースチーン・ヒーリー)とタイトルの組み合わせが可笑しい。アルバム名は、トム・アデア詞、マット・デニス曲による、煩わしいことから逃れて、旅行でも行こうという内容の歌の題名です。もちろん、収録曲は、タイトル曲以外はすべて地名入りの曲ばかり11曲も集められています。

プレヴィン(p)、アル・へンドリックス(g)、レッド・ミッチェル(b)、アーヴ・コットラー(ds)というメンバーですが、プレヴィンが全面にでています。ブルージーさは少ないものの、よくスイングし、フレーズを長めにとって次から次へソロを続けています。バラードでは、ロマンチックな演奏ぶりですが、磨かれたピアノの音が好ましい。

快活なものでは、「Let's  Get Away From It All」や「Honolulu」が、スローなものでは「How Are Things in Glocca Morra」がよくて、みずみずしい音をきくだけでも価値があります。「Moonlight in Vermont」も繊細です。他には「London in July」、「Serenade to Sweden」という珍しい曲も聴けます。

クラシックもというわけで、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」を、プレヴィン指揮ウィーン・フィルハーモニーで聴いてみました。1985年の録音で、Deccaの上記盤から30年後です。作曲家の池辺晋一郎さんが、プレヴィンを好きな、いい指揮者の一人にあげていますが、若いころのハリウッドでの活躍といい、オペラの作曲までてがけるクラシック界での活躍といい、まさに天才なんだと思います。

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FRANCY BOLAND (フランシー・ボラン) 「OUT OF THE BACKGROUND」

2007-12-09 17:46:59 | ピアノ

今シーズンは長野市内でも雪が多く降りそうなので、例年より早く車のタイヤを冬用のスタッドレスに換えました。自動車整備工場と自宅との往復に聴いていた、最近購入した一枚を改めてかけてみます。

FRANCY BOLAND (フランシー・ボラン)
OUT OF THE BACKGROUND (MPS 1967年録音)

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ケニー・クラーク=フランシー・ボラン・ビッグバンドで大活躍したボランのピアノ・トリオ作品です。CDの帯にはクラブ/ジャズと書かれていて、その方面でも人気があるようです。パーカッションが入り賑やかで、スピード感に満ちたトラックがあるせいでしょう。

メンバーは、ボラン(P)、ジミー・ウッド(B)、ケニー・クラーク(DS)、ファッツ・サディ(パーカッション 全9曲のうち5曲に参加)というものです。パーカッション入りはかつては嫌いだったのですが、いつのころからか気にならなくなりました。本盤でもケニー・クラークの炸裂するようなドラムとあいまってなかなか良く、思わず足でリズムをとってしまいました。

「Dark Eyes」はルバートの前奏から一気にロシア民謡のメロディに突入してスイングし爽快な気分にさせてくれます。バックのケニー・クラークも軽やかにあおっていてこれが一番のききもの。「Dia Bleu」は、荘重に和音を奏でていくのですが、一瞬の休止のあと突如スパイ映画で流す音楽のようなムードになり面白いです。

その他「Gloria」が美しくてよいです。「Rosa De Luxe」はモーダルなアプローチで、クラシックで鍛えてあるせいか指がよく動いてます。全体にブルージーさは薄いですが、緩急をつけた演奏は聴いてみる価値があると思います。


LOLA ALBRIGHT (ローラ・アルブライト) 「LOLA WANTS YOU」

2007-12-08 21:24:31 | ヴォーカル(L~R)

一家中で風邪気味です。私がだいだい良くなりましたが、今度は奥様の喉が痛いらしい。東京にいる娘も喉が痛いと。今日食料などを詰めて送りましたが、のど飴も一緒にいれました。CANDY(飴)の入っている甘い甘いアルバムです。

LOLA ALBRIGHT (ローラ・アルブライト)
LOLA WANTS YOU (KEM  1957年録音)

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女優ローラ・アルブライトの作品です。「Lola Wants You」というタイトルに相応しい曲目を歌っています。ジュリー・ロンドンに似た感じですが、ハスキーさはありません。編曲は、Dean Elliottで、ムードミュージック的なバックをつけています。

「Candy」(キャンディ)は1944年に作られ、翌年ジョニー・マーサーがジョー・スタッフォード、パイド・パイパーズと一緒に歌って大ヒットした曲です。「恋人のことをキャンディとよぶんだ、僕は(私は)キャンディに夢中なんだ」という恋人賛歌です。ローラは「キャンディ」とささやくように歌い、曲の終りでは「オゥ」という歌詞にはない溜息?までついてくれます。

演奏では、リー・モーガン(tp)やルー・ドナルドソン(as)のものがあります。歌の方では、フォー・フレッシュメンなど相当な数があります。本作品はローラ・アルブライトの魅惑の歌声、艶やかジャケットという女性ヴォーカル無敵の法則でコレクターの興味を引いてきました。私のものはフレッシュ・サウンドの復刻LPです。

他の収録曲ですが、コンセプト通り、「I've Got a Crush On You」、「All of You」、「He's My Guy」などが入っています。このアルバムを録音した翌年、テレビ「ピーター・ガン」にクラブの歌手役で出ることになりましたが、歌のほうもナイト・クラブ向きです。下記のポートレートはジャケットの裏写真です。

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