安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

LESTER YOUNG (レスター・ヤング) 「PRES AND TEDDY」

2007-12-05 20:33:02 | テナー・サックス

飲んだ薬が効いたのか風邪の症状がいくらか軽くなったような気がします。朝、念のためバスで通勤しようと早めに自宅を出たのですが、定刻より前にバスが走って行ってしまい、乗れませんでした。仕方なしにとぼとぼと歩きました。こういうがっかりとした日には古典的で自然なものを聴くことにします。

LESTER YOUNG (レスター・ヤング)
PRES AND TEDDY (VERVE 1956年録音)

Pres_and_teddy

中学生のころラジオ関東の深夜放送ではじめてレスター・ヤングのテナー・サックスを聴きました。それまでクラシックやポップスしか聞いたことがなかったので、その揺れ動く演奏に新鮮な驚きを覚えました。曲の名前はわからなかったのですが、大学生になりこのアルバムを聴いたところ、たぶんこの中のものだろうと思いました。以来、よく聞いたアルバムの筆頭にあげられるものです。

全部いいですが、特に「LOUISE」(ルイーズ)は曲、演奏ともに大好きなものです。温かい音色で、旋律を横揺れともいうべきスイング感でつづっていきます。レスターは無理に鳴らしたり、原曲からかけ離れたフレーズを吹くということもありません。ピアノも含めて上品です。リズム・セクションは、テディ・ウイルソン(p)、ジーン・ラミー(b)、ジョー・ジョーンズ(ds)というメンバーです。

このアルバムはシンプルな編成で、メロディの歌わせ方や絶妙のリズムへの乗りなどレスターを楽しめます。テディ・ウイルソンの流麗なタッチの下降フレーズも印象的です。急速調の「All of Me」、テディの前奏に導かれてレスターが入ってくる「Taking a Chnace On Love」、そしてメロディをゆったりしたテンポで悠揚と吹いてくれる「Love is Here to Stay」とききどころが一杯です。

レスター絶頂期の30~40年代の録音は素晴らしいものがたくさんあります。50年代の音質の良いこのアルバムあたりからレスター・ヤングに慣れていけば古いものも抵抗なく聴けるのではないでしょうか。