ここのところ、楽しいけれど淡白なアルバムを聴いているので、いわゆアーシー(この言葉はもう用いられなくなりましたね)なものが聴きたくなりました。アルヴィン・クイーン(ドラムス)がリーダーで、ソウルフルピアノのJunior Mance(ジュニア・マンス)が聴けるアルバムです。
ALVIN QUEEN (アルヴィン・クイーン)
glidin' and Stridein' (NILVA 1982年録音)
アルヴィン・クイーンは、ホレス・シルバーやジョージ・ベンソンと共演をしたドラマーです。ヨーロッパにわたりスイスで1979年、自らのレーベルNILVAを興します。80年代に得難いハード・バップ・アルバムを残しています。主役もさることながら、ステディな脇役としてもいい役割を果たしてきました。そして、過度に重くならず、軽やかなプレイでフェイヴァリット・ドラマーです。
ジュニア・マンスは、1950年代から活躍するベテランピアニストです。アルヴィン・クイーンとも共演を重ねています。メンバーは、マンス(p)、クイーン(ds)にベースがMartin Rivera(マーティン・リベラ)ですが、たいへん息の合った演奏ぶりだと思います。
マンスはブルージーなプレイで快調で、同じフレーズの繰り返しに加えてトリルを多用しています。こういうプレイをやらせたら達者だというところをみせる「Here and There」でブルース満開です。また、アルバム全体で、グリッサンドを用いているのが特徴的です。
また、マーティン・リベラのベース・プレイにも感心しました。柔軟にいろいろなことができ、表題曲「Glidin' and Stridin'」では細かい旋律を弾いています。「Watch What Happens」においても、リベラが大活躍です。
なかなかいいアルバムで、ちょっと掘り出しものでした。マンスについては、前にちょっとまとめました。よろしければ覗いてみてください。
http://www6.ocn.ne.jp/~jazzvo/JuniorMance.html