昨日間に合わなかったチャーリー・パーカーだが、見ていると色を塗り替えたくなるのが私の悪い癖である。パーカーは私のもっとも好きなジャズ・プレイヤーで、制作したのは2体目である。某有名写真家の元にある一体目はもう少し大きかったような気がする。昔は写真で残しておこう、という発想がなかった。 塗っているうち、老後にパーカー聴きながら一杯やって眺めて過ごすという景色が浮かび、手元に置いておきたいような気がしてきた。そういえば陶芸家を目指していた頃の作品は一つも残っていない。朝になったら一体出品を止める旨連絡しよう。ところがこれから作らなければならない三島のことが頭によぎった瞬間、雲霧散消。雲散霧消。私に老後などない。何を薄トボケたことを。 しかしジャズ・ブルース時代の写真を写真集にまとめておきたい気はする。個展を始めた頃はインターネットのイの字もなく、ジャズ喫茶をまわってはDMを置いてもらったものである。小さな人物像ということが判れば、と人形展としたが、フィギュアという言葉も一般的でなく、人形といえば、女の子というイメージだったので、保守的で頭の硬いジャズ好きにアピールするのは容易なことではなかった。そうこうしてジャズ・ブルースにかかわらず、私の好きなタイプの男のたたずまいを作ろう、そんなつもりで覆面レスラーを作ったのであろう。さて仕事だ、とやおら覆面をかぶる男。スーツ姿でないとならない。
過去の雑記
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