渡辺温の頭部が完成する。昔のモノクロ写真には眉毛なのか、眉下の影なのか、1カットでは判断出来ない物がよくある。温の写真にも、眉の薄い物と、物凄く太い物がある。女性が眉をいじった効果を考えれば判ることだが面相が大分違って見える。こういった場合、だいたいは影ということになるが、影だと判っていてもイメージが違うので惑わされる。 これから身体全体の制作である。幸い立ち姿は独特の竹久夢二描く女性のようなS字の“休め”の姿勢なことは解かっている。その日たまたまそうしていた、ということは充分考えねばならないが、少ない写真の、さらに少ない立ち姿で2カットあれば、この人はこういう人だった、と判断しても良いだろう。写された瞬間をそのまま鵜呑みにしているようでは生きてる人間は作れないので、写される前後も想像しなくてはならない。写真はその日その時刻、たまたまそうだった、ぐらいに考えたほうが良い。被写体のこう撮られたい、という欲もあれば、しつこいようだが写真技師の“イタズラ”が加えられていることもある。
三島関連で、撮影用の秘策として友人に制作を依頼していた物が完成したとのメール。もうウンザリらしく、早く渡したいとのこと。気持ちは判らないではない。携帯から送られてきた画像を見ると、特徴を生かし上手く撮影していて、それを見る限り秘策は成功するような気がしている。
過去の雑記
HOME