明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



オマージュ展初日にようやく搬入する。Kさんが手伝ってくれた。スペースを開けておいていただいたところに設置していると、隣の竹本健治さんも温作品の中から『赤い煙突』を出品していた。昼頃地元に帰り、とりあえずビールで乾杯。吸い込みがやたら良いが、寝不足と疲れで眠くなり帰宅。 それにしても渡辺温の作品集『アンドロギュノスの裔』は素晴らしい。この時代にこの出版は快挙といえるだろう。すでに増刷が決まったようである。 私が最も本を読んだのは中学時代で、読む物がなくなると中井英夫編纂の百科事典をそうとしらず読んでいたが、あの時代に温を読んでいたらどんなに良かったろう。本を読んでばかりの私に父は呆れていたが、理工系の父から聞いた唯一の読書体験は子供の頃読んだ『十五少年漂流記』だったのは亡くなった日の雑記にも書いた。もっとも、父がうかつにも捨て忘れていたであろう、ヴァンデ・ベルデの『完全なる結婚』を物置で発見し、旧仮名使いで酷い紙質のそれで中学生の私はたいそう勉強したのであったが。 しばらく寝て8時過ぎにT千穂に行き、Kさんと再び乾杯。この夏猛暑を避けてヨーカドーで日中を過ごしていたKさんだが、図書館に行けば涼しいのに、といっても読書を一切しないので常にヨーカドーであった。ところでKさん小説って何を読んだことがあるの?と聞いてみたら、しばらく考え、一冊だけ買って読んだことがあるよ。『十五少年漂流記』。ズッコケる私。それも18歳だったという。

去の雑記
HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )