喫茶店で知人と会い、制作中の作品について話す。追い詰められているせいか、多少ハイになって説明していると、あきらかに頭を冷やしたほうが良い、という顔。「ヘンなことしてるの判ってんの?」。「特殊すぎて人は来ないよ」。「今の若い人は三島知ってるのかな?」。「最近、作る物について誰か話し相手いないの?」何処へいってしまうのか、とブレーキをかけているつもりらしい。しかし止めるにはすでに手遅れだし、「ヘンなことしてる~のくだりが、今の私には妙なる調べ、褒め言葉に聴こえてしまう。こうなると、どういうことになるかというと。 昨日おおよそ完成し、着彩を待つばかりの作品があり、これを額装したらどうだろう、と思いついて話すと、「良いと思うけど、できるだけシンプルな額がいいよ」。それが私の耳に届き、次に私の口から出たのは「そうだ。ゴテゴテした悪趣味な額がいいよな!」。
届いた個展のDMを見たとたん爆笑した、という人がいた。“真面目に、やり過ぎると可笑しくなる”。という効果には薄々感づいており、私の芸風の一つになりつつあるが、あくまで作者が本気でカッコイイ、と思って作っていないと、この効果は生まれないことはいうまでもない。
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