初日の朝まで三島像の制作にかかってしまった。塗りムラも目立つが、とりあえず後で修正することとして。案の定そんな状態になってしまったが、土俵際で粘って完成させた2カットの出来が良いので、ねばる価値はやはりある。前日プリント作品だけは搬入していたので立体をタクシーで。通りまで運ぶさいにKさんに手伝ってもらうつもりだったが、自転車を買った日に酔っ払ってコケ、アバラが折れたと唸っているので、急遽ベーシストの谷口さんにお願いして会場へ。 前日プリント作品の飾りつけは、DMをデザインしていただいた高山ケンタさんにやってもらっていた。私は飾り付けに関してはまったく役立たずで、個展の際は、ギャラリーの方にお任せするのが常であり、たまたま居合わせた見ず知らずの画廊の客に配置してもらったことさえある。小学生の時、通信簿に書かれた『掃除の時間、何をやってよいか判らずふらふらしています』そんな状態である。開場そうそう来ていただいた新保博久さんには、キャプションの間違えを添削してもらってしまった。 2日間ほとんど寝ていないのでクラクラしてくる。会場で流そうと用意したサントラの『MISHIMA』のフィリップ・グラスの繰り返しの波がまた眠気を誘う。 個展というものは、自分の作品を客観視するには良い機会である。ジャズ・ブルースシリーズから一転、作家シリーズに転換したのも、個展会場で作品を眺めたことがきっかけである。あれほどの大転換ではないが、初日すでにムラッときたことがある。 帰りに旧知の編集者と居酒屋へ。この男は会うたび勤める出版社が違う、とうくらい尻が軽い男だが、私でどうか、という彼の企画がまた私がムラッときたことと無縁でないから面白い。地元へ帰り飲みに行くとカウンター席にKさん。私の個展にかこつけ複数の女性を誘う腹で、私の計算では三回は来るだろう。あばら骨折ったくらいでめげるKサンではない。
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