明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


出品するプリント作品は20~23。マットは一応23注文する。 『黒蜥蜴』は無事江戸川乱歩を登場させることができた。三島は私の先回りして自分でやってしまっている、という困った人物である。映画で黒蜥蜴と共演しているので、私としては黒蜥蜴と三島を並べるだけでは悔しくてしょうがない。よほど出品するのを止めようと思ったが、剥製の三島を鑑賞する黒蜥蜴。その光景を背後で眺める原作者乱歩。といった場面が完成した。たしか鮎川哲也賞の会場で思いついたのだが、会場で乱歩の御令孫、平井憲太郎さんの姿をお見かけしたせいではなかったか、と今思うとそんな気がしてきた。 三島の戯曲で『ボクシング』という作品がある。竹本敏男對ホセ・ゴンザレス バンタム級タイトルマッチ。観客席に怪しげな女が現れる。拳闘界で囁かれる噂どおり、竹本敏男はゴンザレスに負ける。当初リング上でのKO死、というのをイメージしていて、どこかの試合会場でリングを撮影しようと思いながら時間が経ってしまい、諦めてラインナップから外していたのであったが、そうこうして、試合後の控え室か廊下、その片隅でひっそりと死んでいる竹本。そんな画が浮かんで、無事完成させた。かえってこちらの方が良かったという気がする。逆転KO勝ち、といいたいところである。 撮影にも使った像を、平面的なところを利用して額装する、というのを一点考えていたのだが、額は注文したが、初日までに間に合うかどうか、少々あやしい。

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