明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



石の鳥居のあるカット。作中木製と書いてあるのをすっかり忘れていた。過去撮影したデータをひっくり返し、なんとか木製の鳥居を見つけて上からかぶせる。すぐ横に木製であるという文章がくるだろうから、石でもいいや、というわけにはいかないのである。 柳田國男演ずるところの禰宜いでたちの翁。常夜灯に油を注す、灯ともしの翁である。手には油差しと白髪のような灯心の束を持っている。油差しは柳田像にあわせて粘土で作ろうと思っていたが、たまたまヤフオクで緑青じみた、時代がかった味のあるものを見つけ落札した。そこで立ち姿の柳田にただ持たせるだけでなく、油差しを持った手のアップを撮りたくなる。80に近いという翁だが、実際の老人に持ってもらい撮影したらどうか。そこで再浮上したのが、俺を出演させろ、とうるさかった人物である。顔は使い物にならないが、日頃の不摂生がたたり、62歳ですでにしなびた腕をしている。いつも、これじゃ枯れ木じゃないの?というと反論をするが、本当の80過ぎの爺さん使ったほうがいいかな?というとほら皺だらけでしょ?と、いつもと違うことをいうから可笑しい。 今回、作者の泉鏡花は登場しない予定であるが、せっかくあるし、と思っていて、登場させる場面を思いついた。さてどうするか。 午後二時、昨日と同じ喫茶店で、都内某区のミュージアム担当の方とお会いする。数年後の完成を目指しているらしい。河童や妖怪、江戸川乱歩について長話をする。帰りに小津安二郎を展示している古石場文化センターに御案内する。

去の雑記

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