明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

積雪  


これでは止んでも明日は凍るであろう。明日も外へでないつもりで早々に酒や食料を買い込む。トラックが永代通りの緩い坂を上れず人が押していた。 雪で電車が止まっていると母から電話。この雪の中、神楽坂の寺にお参りに行くという。80過ぎの年寄りが何をしているという話だが、いうと止められるから黙って出てきたという。叔母と連絡がとれないので、従兄弟の住職に連絡をとって欲しいという。神楽坂など、この雪でタクシーが上れるわけがない。私がおりん婆さんを歩かせたのは雪のない平らな場所である。しかも粘土だし。 結局両国で降り、歩いていた相撲取りに近辺の状況を訊いて、大江戸線で神楽坂に向かうという。駅からはそう遠くはないとはいえ、23区でもっとも標高の高い寺である。杖をついた足の曲がった老婆が雪降る急坂を上がって行く。妹に買ってもらった雪用の長靴を履いているから大丈夫だ、といくら止めても無駄である。結局墓地内は積雪で断念し、門前で拝んできたらしい。昨年の猛暑時、この炎天下、80過ぎの婆さんなんか、どこも歩いていないぞ、といくら止めても歩き回っていた。結局叔母と恒例だというどこかの新年会に出て、帰り飯田橋に6時。電車が止まり4時間かけて帰ってきた。親のいうことを訊かない、と散々いわれてきた私だが、それはいったい誰の血だ、と改めていったやりたいところである。

去の雑記

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