鏑木清方描く圓朝の高座は燭台があるが、当時の暗さ、向かって右側だけに置かれる意味のなさから左右に一対だと思っていたが、江戸〜明治の寄席の様子を調べるとやはり必ず一対である。本の表紙に右側に一本のイラストがあったが、清方の画を真に受けた結果であろう。 緋毛氈に湯飲みや扇子、手ぬぐいのように見える物など、他は特に変わったことはないか、と調べていたら、チョンマゲ姿の圓朝の向かって左に火鉢におそらく鉄瓶が置かれている画があった。そう思うと、昔の寄席にはそれが置かれている画がけっこうあった。火鉢といっても小型の手あぶりサイズのようにも見える。以前手あぶりを愛用し、鉄瓶で湯を湧かしていたことがあるが、手あぶりは煮炊きするには少々骨で、いつでもお茶が飲めるように置いておくには便利であった。 制作中の三遊亭園朝は、金屏風に緋毛氈、一対の燭台。もしかすると火鉢に鉄瓶。こんな感じになりそうである。おまけにヒトダマか牡丹灯籠がユラユラなど良いかもしれない。ヒトダマに関していえば映画その他のヒトダマは、固形物に火が着いている感じがまったく気に入らない。
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