子供の頃から怪談恐怖関係のTVを欠かさず見ており映画も随分観たが、今では怖いと思うことはない。窓を開け電灯を消した所で駄目であるし、友人知人の体験談も、だいたい寝床で起きた単なる寝ぼけ話である。近年で怖かったといえば貞子である。最もTVからはみ出してくるクライマックスシーンに限るのだが。これは拙著の寺山修司の項で書いたことがあるが、幼稚園で木馬座を父兄同伴で観に行った。お芝居が一通り終わった所で、着ぐるみを着た出演者が舞台から降りて来て子供達と交わるコーナーとなる。そこで私はオオカミ君に頭をなでられ、オオカミ君が慌てるほど大泣きしたそうである。(母談)私がトラウマについて自覚しているとしたらこの一件である。であるから演芸、ライブの類いで演者が舞台から降りて来たり話しかけられる可能性がある場合、一人の場合はできるだけ後ろに陣取る。寺山修司の演劇を観なかったのは今となっては少々悔やまれるが、私には危険過ぎた。
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