先日ネット上で一つ見つけた牡丹灯籠は、大映映画その他で子供の頃から見ていた物に近い。しかし昔の絵双紙などに描かれている物はそれらとは違い、いずれも一見赤いキャベツにトイレットペーパーを垂れ下げたような物で、お盆提灯のイメージというより可愛らしいものである。作られなくなったのか、誰かがいつからか牡丹灯籠はこういう物だと変えたのであろう。その変えた人物にならい、そうすることに私が耐えられるはずがない。いずれキャベツにトイレットペーパーを再現することにしよう。 三遊亭圓朝について書かれた物を読んでいる。例えばこんなことが判った。すでにランプ、ガス灯の時代に、あえて燭台の蠟燭を照明として使った。身長175センチあり、体格が良い人との証言もあった。鏑木清方はいやに大柄に描いているな、と思っていた。残された写真からはまったく伝わってこない。これだから写真を真に受けてはならない。 先代の三遊亭圓楽によると圓朝は自己アピールに長けた人で『髷を大たぶさに結って、わざと身幅の狭い着物を着て緋色の襦袢ちらつかせながら、弟子の肩に手を置いて紅絹の布を口にあてて軽く咳をしながら歩いた』そうである。色っぽいといわれる“目病み女に風邪ひき男”という奴だろうか?キザもここまで来ると俄然興味がわく。圓楽は“星の王子様”で売り出したが、それは圓朝にあやかってのことだったという。
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