明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



制作中。地べたに座って演出中のところを一度作りたかった。小津といえばロ一アングルである。谷崎潤一郎がその人物描写から“小説界の圓朝”と呼んだ里見弴。そのご令息が小津組のプロデユ一サ一だった山内静夫さんで、小津の服装の趣味、特に色を伺ったらグレ一の色違い、と教わったのは何度か書いている。お会いする機会がなかったら茶系にするつもりだったので、とんだ大恥をかくところであった。この“◯◯は絶対しなかった”的なことがありそうな人物は、実に危ない。伝記などでそんな事実を知るたび胸をなでおろすのである。そんなことをいいだしたら切りがないが、小津がグレ一ばかりだった、と知る人からすれば、茶色づくめの小津はヘンであろう。やれる範囲で、ということだが、二回目の個展で、女の子が私が作ったピアノの鍵盤を数えているのを見たことが大きい。まあ、数えないと判らないんだったらいいじゃないか、と思わないでもないが。小津映画に登場するホ一ロ一の赤いヤカンは有名だが、山内さんは「ヤカンは赤」とおっしゃった。小津にヤカンを持たせそうなヤツだ、とバレたのかとドキッとした。



アートスケープ 展評『深川の人形作家 石塚公昭の世界』


HP



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )