明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

偶然  


個展用カタログ校正。16年の深川江戸資料館の個展あたりから今までのことを振り返る機会が増えた。丁度、作りたい作家がいなくなってきたタイミングでもある。なぜ続けてこられたか、というと、ただ目の前にぶら下がっているパンにかじりつくばかりで、先のことなど考えず、目標もないから挫折もない、というわけであろう。目の前のパンならなんとかなる。それは確実に逃さす食らってきた。本人は行き当たりばったりやって来たつもりであるが、俯瞰で見てみると、流れのようなものがある。これは、性能の悪い頭を使って計画したならこうはいかなかったであろう。リコーの展示作品を見て、今ではスマホ片手に、フィギュアやヌイグルミで誰でもやっているが、私の大リーグボール1号である名月赤城山撮法を久しぶりにやってみたくなっている。今のデジカメは軽いから良い。そう思っていたら、当時常用したフィルムtmz3200が今月再発されるという。一体どういう了見でこんなことをする。というほどこんな偶然はおきる。鏑木清方の円朝像に感銘を受け、円朝像を谷中全生庵の円朝祭りに巨匠の幽霊画と同室に展示していただくことになったら清方のお菊さんが百年ぶりに発見され、私の円朝像のすぐそばに来た時には、ちょっとやり過ぎではないかと思った。

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載9回『牡丹灯籠 木場のお露』

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石塚公昭幻想写真展-生き続ける作家たち- 2018年7月25日(水)~9月2日(日)

展評銀座青木画廊
『ピクトリアリズムⅢ』

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtub

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