明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昔も今も一番質問されるのが、被写体である人形のサイズである。大きさの違う何種類かの人形がある、と思われるようである。『ポーズの違う胴体に、一つの首をただ差し替えているだけである。顔には表情を作らないので、気球にぶら下がっていようと、天井裏に潜んでいようと関係ない。そしてその頭部のサイズはというと、だいたい参考までに会場に展示してある、乱歩と荷風くらいである。何故この大きさか、というと、粘土を手にして掌に収まりやすい。』 どうやらこの点を説明すればおおよそ納得していただけるようである。からくりを理解したいというのは日本人の特徴ではないだろうか、と常々思う。何故なら外国人に訊かれたことがないからだが、まあ訊かれても答えられないから丁度良い。マジックショーは騙されたまま帰るから良いのではないか。親戚に口から火を噴いたり舞台でイリュージョンをするのがいるが、親戚のよしみでなどといっても口を割らない。もっとも舞台用の装置には、秘密を守る的な契約書付きで売られているらしい。私は訊かれれば一つのことを除いて何でもお答えする。大体来月トークショーを東雅夫さんとするハメに陥ったが、私が文学について語ったとしてもしかたないからそんな話でもする他はないだろう。訊かれても口を割らない只一つのこととは眼鏡のレンズに何を使っているかである。湾曲していないと光の反射が眼鏡にならない。展示してある乱歩の眼鏡は出来が悪いし、荷風の眼鏡は前日に作って出来も悪くレンズも今の所入っていないのだが。今回は写真展ということで。

石塚公昭幻想写真展-生き続ける作家たち- 2018年7月25日(水)~9月2日(日)

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『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載9回『牡丹灯籠 木場のお露』

展評銀座青木画廊『ピクトリアリズムⅢ』

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtub


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