明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


寒山拾得を手掛けるなら豊干禅師を含めて5カットは欲しい。いつものように首一つづつにポーズの違う身体を複数体。古典絵画では顔と着物の表現は別で、衣紋線というのか、ざっくりと勢いをもって描かれている。私も頭部以外は勢いで作る。結果的にそれが肝心の頭部を強調することになる。説話上の人物は、さらに筆ならぬ粘土べらの勢いそのままに作ろうと考えている。こういうモチーフは写真では比喩的に描くしかないが私の場合は連中を作ってしまうので可能である。豊干禅師に寄り添う虎は、勿論猫を虎にする。 背景は実写と作るという2案。説話上の人物には、やはり陰影はあってはならい。当然背景にも。 工芸学校時代の三重県で陶芸家の友人と会う。彼が日本伝統工芸展で朝日新聞社賞を受賞した時、日曜美術館で最初にドンと映った時は感激した。試験もろくすっぽ無いような学校からよくぞ。近代美術館の工芸館にも収蔵されている。現在東海伝統工芸展の審査員を務めているが、今年の日本伝統工芸展は落選したという。その代わり、もう一人の同級生が25年ぶりに入選したと聞き、これがまた嬉しかった。二人ともにそろそろ引退を考えていると聞いていたが、冗談をいうなよ、といいたい。
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2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube



『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載10回『劇場の永井荷風』


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