明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



無いものは撮れない写真は被写体との出会いで勝負は決まるものであろう。であるが、眉間にレンズをむける念写が理想などといって被写体を自ら作るせいで、外側の世界に在る既存の美しい物や風景の恩恵に預かることがあまりない。しかし母に電話で起こされ2秒で思い付いた被写体はどうやら撮影できるようだし、大いに恩恵に預かりたい。 背景のパートは、まずそれを主役として配したい。寒山の住まう洞窟奇岩の類いは石膏を削るか、実際の岩肌を使うか、また両方を使うか。いずれにせよ、寒山と拾得ともあろうものを既存の景色の中に配する、という残念なことだけは免れそうである。そもそも豊干禅師の乗る虎のために、猫を虎に変えることを思い付いて制作した猛虎図だが、猛虎こと猫のモモちゃんがなかなか寝そべってくれず、豊干がソファがわりにして寝て、これに寒山拾得を加えた三人と一匹が寝ている四睡図のためには再撮が必要である。是非マタタビの大量投与を望みたい。そして酔っぱらったところをすかさず。寒山拾得は爪は伸びてるは頭はボサボサである。『貝の穴に河童の居る事』の河童の三郎以来、髪は人形用の毛髪を使うことにする。こうしてのシミュレーションばかりの歯痒い毎日が続く。新HP
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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家たち』 2018年7/25~9/2 リコーシメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutube
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube



『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載10回『劇場の永井荷風』 >

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