佳境に入り、部屋の片付けによるダメージが蓄積してきているのが判る。何度か引用してきたが、遠藤周作によると、何かをしなければならない時、他の事をせずにいられない人の事を怠け者と言う。ということだそうだが、しなければならない事をしないものの、怠け者も何かはしている訳なので、そう気に病むこともないだろう、と私は思う。私などさしずめ部屋の片付けをしなければならないのに、人形を制作せずにいられない人といえるかもしれない。自分の居場所が浸食され、これではいよおいよ片付けをなければならないとちょっとよぎったと同時に制作意欲が湯水の如く湧いてしまう。こういってしまうと私の作品は、逃避行動の結果だということになってしまいかねないので、そこまで言ってはいけない。明日は、電機屋がチェックに来る事になっている。引っ越しの時、まずやるのは蛍光灯を外し、白熱電球に替える事であったが、今時は電球色のLEDという事になる。知人が鍋島緞通をくれると言うので、有難く敷かせて貰おう。
タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第16回『トラウマ』