明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



近々動物園に虎の撮影に行こうと考えている。曇天の日に撮影することになるが、コロナのせいて予約制なのが困る。 動物園では何度か撮影した。初出版の乱歩本のため『目羅博士の不思議な犯罪』の一カットに、ニホンザルを撮影した。次は『貝の穴に河童の居る事』用にミミズクを撮りに行ったが、檻が邪魔だな、と思ったら、ごく近所に猛禽類カフェが出来て事なきを得た。むしろどうやって撮ろうと思っていたカラスが、入場者の食べ残しを狙って沢山いて助かった。次は世界初の推理小説、エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人事件』のためにオランウータンを撮りに行った。映画、挿し絵その他、どういう訳かチンパンジー、ゴリラなどで代用されてきたのが不思議でならない。この時は森の賢者たる大人し気なオランウータンに、残忍な殺人犯にさせて少々心苦しかったが、実は怪力で獲物を引き裂き齧り付く補食者の一面を持つことを後で知った。


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