明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



口から己の魂、分身を飛ばす術を持つ鉄拐(てっかい)仙人を作って、すでに作った相棒である蝦蟇仙人とのペアを揃えるか、お笑い三人組虎渓三笑図の最後の一人を作るか迷う。  常日頃、私より性能の良い、もう一人の私がへそ下三寸辺りにいて、といっているが、それは着想し、それをキャッチすることには長けているが、いつ、どこで何をする、という私の都合に関しては無頓着なので、性能の落ちるもう一人が、仕方なしに頭を悩ませることになる。 青々としてイグサの香りも爽やかな、一休が道端で寒さをしのぐために包まる物が届いたが、ベランダで紫外線や風雨にさらしたところで古びるには時間がかかる。大きめの鍋に入れお茶で煮込む。ワイヤーブラシでこすったりもしなくてはならないだろう。永井荷風独居の畳で一度汚し加工をやったがお茶で煮込んだくらいでは歯が立たず、欠局着色することになった。荷風は居候していても畳の上で煮炊きをし、タバコの焼け焦げだらけで平然としていた。世田谷文学館で展示の際、文学館の台所で100円ライターと線香で焼け焦げを着けた覚えがある。


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