『虎渓三笑』の最後の一人、慧遠法師を再開した。随分久しぶりの感じである。そもそもこの人物が、修行のため山を降りないと決めていた僧である。もう前後のことは忘れてしまったし、ここに至ればどうでも良いことであるが、寒山拾得制作にさいし策もなく、とりあえず面白い話だ、作ってみよう。と最初に足を踏み外した?のはこの『虎渓三笑図』だったかもしれない。そしてこの四十年の間に笑っている人物はおそらく五人ほどしか作ったことがないのにいきなり笑う三人の首を作ってしまった。どうせ踏み外すなら意外な物が出来た方が良い。 さらにやろうやろうと思いながら、人形同士の共演は何回もやってない。まして三人は初めてだろう。3人が越えてしまう虎渓の石橋は目星はついている。その背景には切り立つ中国調岩壁。それをどうするか。楽しいから良いようなもののたった一カットのために、今さらながらコスパが悪すぎである。