明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ジャカルタで、線路に横たわる民間療法が流行っているそうで、年寄りから子供まで横たわっていた。線路に流れる微量な電気が良いという。糖尿病が良くなった、なんていっている。日本では考えられないが、昭和30年代の葛飾区某所では可能であった。テレビでは良く、線路上で縛られたオリーブがポパイに助けを求めていた。 忍者の真似して線路に耳を着け来た!なんてやっていたし、汽車や電車に五寸釘を轢かせて手裏剣を作ったが、磁力を帯びた、帯びないの意見は未だに別れる。汽車の煙が家の方までたなびいて来る所に育つと案外、鉄道マニアにはならないものである。化成ソーダのタンク車両が停まっていると、タンクの中では緑のソーダ水が波打っていると思い込んだ洟垂れ小僧供は、蛇口がないか探したものである。あの連中は、鉄道事故で死ぬことだけは100パーセントないだろう。 すぐ側に鉄道事務所があり、遮断機用などの竹竿が沢山並んでいて、竹馬作ったりチャンバラをしたが、ロバート・アルドリッチ『北国の帝王』の鬼車掌みたいなオヤジがいて、見つかると発砲こそしなかったが、空気銃を持って追いかけて来た。64年の東京オリンピック以降の東京に愛着はまったくない。



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