寝るのが早い分、早く目が覚めてしまう。早朝に東京MXで『男女7人秋物語』を観て、また寝てしまい。次に目が覚めると点けっぱなしのテレビに言語学者の金田一秀穂と滝沢カレンが並んでいて、寝ぼけているのかと思っていると、谷川俊太郎が出て来た。 私は実をいうと、数字に弱い、方向音痴と並んで詩歌の類いを解さないという特徴がある。また俳句どころか川柳一つ浮かばない。馴染めたのは陶芸家を目指していた頃、もっとも好きだった河井寛次郎、唯一歌集を持っている村山槐多くらいなのである。 番組では谷川俊太郎の『芝生』という詩を紹介していた。
芝生
そして私はいつか
どこかから来て
不意にこの芝生の上に立っていた
なすべきことはすべて
私の細胞が記憶していた
だから私は人間の形をし
幸せについて語りさえしたのだ
私がずっとそんな気がしていて、今は確信に変わった私とは何?が、恐ろしく少ない文字で簡潔に描かれていて目が覚めた。〝なすべきことはすべて私の細胞が記憶していた‘’は私が信じて来た〝人間も草木同様自然物、肝心な物はあらかじめ備わっている‘’だろう。なぜ私が創作を続けるのか、にさえ言及されてる気さえする。この詩は一般社会人にも通じるのだろうか?