未だに外を出歩くような気温ではない。フェイスブックを見ていると、あっち行ったり、こっち行ったりしている人達を見ては感心している。こんな時はエアコンの効いた室内で安静にし、世界陸上でも肴に、蒙古兵にペーパーをかけているべきであろう。無学祖元と蒙古兵が出来たら、原点である寒山拾得の制作に入りたい。寒山の住う岩窟や、寒山が寒山詩を書き付ける岩壁などの制作も並行して進めたい。最初に寒山拾得に取り掛かった当初は、いったい中国の深山を私はいったいどうするつもりなのだ?とノープランのまま作っていた。それが個展もあと一ヶ月というところで、極端にいえば、手のひらに乗るような石ころで『虎渓三笑図』が出来た。まさに〝念写”に成功したといえるだろう。また面壁修行をしている達磨大師に弟子入りを志願し、己の左腕を切り落とし、覚悟を示す『慧可断臂図』の岩窟はまた別な方法で制作した。それを踏まえて、本来作りたかった日常の寒山と拾得を手掛け、ラインナップをさらに強固な物にしたい。