壁に飾るのは、銅版画のコロタイブによる複製だけのつもりでいたが、どうも色彩が欲しい。部屋に花を飾る、というのはこういう心持ちなのだろうか。サボテンだろうと何だろうと枯らしてしまう私には良く判らない。 エクタルアという印画紙が製造中止になり、以来モノクロ写真は辞めた。それに今はモノクロは、被写体に自ら着彩しなくて良い人のためにある、と思っている。自分で色を塗っておいてモノクロで撮るなんて馬鹿なことは出来ない。 ジャズ、ブルース時代、岡山のファッションビルの口開けイベントに人形を展示した。知り合いの陶芸家がいたので山の中に遊びに行った。目の前は常緑樹の緑一色で、色が欲しいと花壇を作っていた。お袋さんの入院時の見舞いにもらったポピーを植えていたら、見回りに来た警官がそれを見て慌てて抜きに来たという。どういう訳なのか、アウトなポピーが混ざっていたらしい。抜いても抜いても生えて来るといっていた。