英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

数字を具体化する

2022年02月18日 | 指導現場にて
広告によって消費者行動が影響を受けるという内容の英文を授業で取り上げるのですが(J.K.ガルブレイスの“依存効果”)、そこでは必ず視聴率の話をし、視聴率0.1%の違いはどれくらいか高校生たちに聞くようにしています。驚かされるのは、数字を具体化して捉えられていないという点です。

日本の人口が約1億2千万人だということはさすがにほとんど知っていますが、「東京の人口は?」「長野県の人口は?」「伊那市の人口は?」と聞いても答えられる生徒は皆無なのが現状です。「日本の年間の交通事故死者数は?」「日本の年間の自殺者数は?」なんて答えられる訳もありません。ニュースに興味がない高校生が多く、ましてや新聞を毎日読んでいる高校生は皆無です。

「そんなこと知らなくても・・・」と怪訝そうな顔をする生徒も多いですが、世の中のことを具体的に掴もうとしない姿勢からは学力の向上は望めませんから、気長に指導していくだけです。

日本の人口 約1億2千万人
東京の人口 約1千4百万人(日本の人口の1割強)
長野県の人口 約2百万人
伊那市の人口 約7万人
日本の交通事故死者数 約2,700人(2021年)
日本の自殺者数 約2万1千人(2021年)

交通事故死者数が1万人を超えると「交通戦争」と言われて、国も対策に躍起になるラインですが、近年では1995年に1万人を超えてからは減少傾向で、道路交通法の改正なども奏功し、2009年からは5千人以内となっています。

一方で、自殺者数は相変わらず多いです。1998年~2011年の間は年間3万人を超えていました。近年は減少してきているとは言え、2万人以上で推移しています。交通事故死者数の約10倍の人が自ら命を絶っているわけです。なぜ自殺者数が多いのか、減らすには何をすべきなのか。それらを考えることがより良い社会づくりに貢献していくわけで、我々が勉強をする本来の意義であるはずです。

世の中で起こっていることを知り、数字をより具体的にとらえるために、高校生たちには新聞をもっと読んでもらいたいです。そういう姿勢が、大学受験では問われているのですよ。


コメント
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