もったいないんですよね・・・・・・ 折れたマスト。
折れるのは大抵ボトムの方で、 トップがボキリ!という事は余り無い。
カーボンで出来た製品故に その強度は半端じゃなく、 普通の感覚からすればどうして折れるの?となるんですが、 ウインドサーフィンの場合はセイルのラフ部分に差し込み 上下方向に数百キロの圧縮を加える。
いくら丈夫なマストとはいえ、 猛烈な力が加えられればどこかに逃げを求めてマストは曲がるわけで、その曲がりをセイルのラフ部分が受け止めて翼のようなカーブを作り出す。
マストはラフに押しつけられるので、 この曲がりをメーカーがどういった曲げにするかでセイルの性能が変わってくる。
当然、曲がりが激しいほど マストにはストレスが加わり、そこに来て風の力と人間の力でガシガシ各方向にねじ曲げられるわけで、 上下でもひずみ、 径の裏表でもひずみ、少しずつカーボン繊維が断裂(壊れ)していき、限界が来ると、ドカンと折れる。
特に曲がりの激しいレーシングセイルほどよく折れるわけで、 僕もこれまで何本も折っている。
まあ、中古品を使っているという事もあるのですが、正直言って 別段カーボン100%である必要は無いと思っていて、レースをやる人以外は含有率50%程度の、柔ら目でも良いから、折れにくい物が欲しい!というのが内心ではなかろうか?
マストは 面倒なことに、同じメーカーでも 差し込み部分の径が違っていることが当然の様に有り、ましてや違うメーカだと全く互換性が無い。
この辺が無駄の局地と言えるべき物だと僕は思うのだけど、 やっかいなのは、この折れた方の残り(二本組みなので折れると一本まるまる余る?)を殆どの場合に捨てねばならないこと。
ボトムさえ手に入ればそのまま上は使えるのだけど、 上記のように おなじマストでも、年式で違ったりロットで違ったりして、 折れたら最後、ほとんとあきらめるしか無い。
520サイズのマストだと 長さが2.5mは有るので、これで何かできないか?といつも思うのだけど、これもカーボン構造故にヘタに穴開け等すれば、そこから裂けたり折れたりと、うっかり加工も出来ないし、せいぜい思いつく物と言えば避雷針くらいだ(笑)
今回折れたファイバースパーのボトムだけがどこかに無いか?と思うけど、 冒頭に書いたように折れるのは殆どボトム側なので、ほぼ無いに等しい。
さて、さて、 この折れたマストの再利用方法を、いろいろと考えてみようかと思っている。