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ドバイにコーランを題材にした公園がオープンしたというニュースを目にした。
このニュースに以下の一節がある。
The educational park, which seeks to attract Muslims and non-Muslims alike, features 12 gardens, a “Cave of Miracles,” and a split lake symbolizing Moses parting the Red Sea.
“Cave of Miracles”は預言者ムハンマドが啓示を受けたとされる「奇跡の洞窟」であり、Moses parting the Red Seaは預言者モーセがエジプトから脱出した際、紅海を割って追ってくる兵隊から逃げたとされることを言っている。
このモーセとイスラエル人がエジプトから脱出したことについては、GetUpEnglishの2019/04/07のこの記事を参考にしてほしい。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/656490bbed17646412fad137d6cfa442
“Cave of Miracles”については、『若い読者のための宗教史』の以下の183-184ページの記述を参考にしてほしい。
メッカのカアバで目にする不正な商売に反感を抱き、40歳頃のムハンマドはひとり離れてメッカの郊外にある洞窟で祈り、瞑想するようになった。そこで彼は初めて幻を見て、初めて声を聞いた。こうした啓示は生涯つづくことになる。その啓示は神ご自身の姿や声ではないことにムハンマドは気づいた。瞑想によって現れたのは天使ジブリールだった。ジブリールからの最初の言葉は、「読め、『創造主なる汝なんじの主の御名において。主は凝血から人間を造りたもうた』」(中公クラシックス『コーランII』96章1~2節[中公クラシックス『コーランⅠ』『コーランⅡ』藤本勝次、池田修、伴康哉訳、中央公論新社。以下、中公クラシックス『コーランⅠ』『コーランⅡ』とする])だった。ムハンマドはどう判断してよいかわからなかった。自分を誘惑する邪悪な霊の声を聞いたのだろうか? あるいは頭がおかしくなってきたのか? 幻を見たり声を聞いたりする者はいつも頭がおかしいと言われているのではないか? ムハンマドは混乱して不信に満ちていた。だが、その声は非常に美しく魅力のある言葉で引きつづき彼に話しかけた。そしてムハンマドは自分が預言者として召し出されていると確信するようになった。
手前味噌であるが、『若い読者のための宗教史』は世界のさまざまな宗教について、そして歴史において宗教がどんな問題がもたらしてきたかについて、冷静な視点から語られている。
ぜひご一読いただけますと、うれしいです。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/800f289099e5310d2676c1498223fcda