「聖書物語」新約篇 パール・バック著 苅田元司訳 社会思想社
本棚を眺めていたら、この本に気がついた。パール・バックが聖書物語を書いていることは知っていた。読んでみたいとは思っていたが、だれが買ったんだろう。こんな本、買うのはさしずめ私だろうが、いつ買ったのか記憶がない。
聖書物語はヴァン・ルーンの作品が親しまれている。学生時代、英語版で読んだことがある。日本語訳も買って前の教室においてあったと思うが、だれの訳かは覚えていない。ヴァン・ルーンは旧約だったが、パールバックのは新約しかない。どうせなら旧約もほしいな。
パール・バックの作品は「大地」しか知らない。1938年にノーベル文学賞を受けた作家なのだが、「大地」しか知らないとは申し訳ないくらいだ。彼女の両親は牧師で、伝道で家族を連れて中国に暮らしていた。だからあの作品が書けたのだ。
「聖書物語」新約篇は新約の中のエピソードを23選び、物語として独立させて書いている。だから聖書を読むよりは時間的にわかりやすい。確かに聖書にも奇跡は書いてあるが、奇跡をいくつもしるしとして行う段は、信者でない私には気持ちが入っていかない。むしろ遠藤周作の「死海のほとり」や「イエスの生涯」の方が素直にイエスその人を身近に感じることができた。
もっとも、山上の垂訓(山上の説教)の部分は圧巻。訳者は彼女の文章はとても力強い文章だと書いてあったが、この部分は原書で読んでみたい。ただ「あなた方は地の塩です」の解説はどうも。
さて、続きをよむとするか。聖書は何回も読んでいるので、エピソードの背景はわかっている。