秋分の日、Papasanはコーラスの特別練習だと言って出かけてしまった。
骨折してから1週間経った。居間に陣取ってはいるが、台所とトイレ、風呂、寝室は車椅子で移動できるので不便は少なくなった。トイレに息子が低い手すりを左右につけてくれた。これは便利である。できれば家中につけてほしいところだが、日本家屋は手すりをつけるには向いていない。廊下も普段はなんでもないが、車椅子で通ると狭い。気づかずに手の甲を扉にはさんでしまうことがしばしば。おかげで右手の手の甲、関節のあたりが赤黒く腫れあがっている。予防のために軍手を用意して、巾着に入れ、車椅子につるした。軍手をする習慣をつけようとするのだが、つい忘れて、はさんでいる!
料理もできる、シフォンも焼いた。あらかじめ、道具を用意しておいて、いつものように作っている。車椅子を固定して、立ち上がって火は使っている。いちいち車椅子を固定するのは面倒だが、安全を考えると、時間はかかってもこの方がラク。
車椅子で移動しているので、松葉杖の使い方がいまいち、だから松葉杖での移動はまだ苦手である。慣れないこともあるが、利き足でない左足を軸にしているので安定が悪いようだ。利き足でなくても、どうしても左足に頼らざるを得ない。だから立つにしても左足に力を入れる。そのせいか、左ももが痛い。だんだん気がつかないところに影響が出てきているようだ。ここのところ五十肩や関節を痛めたりしているので、腕にも自信がない。そういう意識もブレーキになっている。
居間から玄関まで行くのに、12cmぐらいの段差がある。そこが超えられない。座ったり、松葉杖を使ってなら行けないこともないが、車椅子で行こうとするので、行動範囲が狭められてしまう。何とか行き来するいい方法はないものか。段差の下の部屋の窓際にデスクトップが置いてあり、プリンタもフィルムスキャンもそちらにつながっている。今の机にノートがあるので、不自由はしていないが。それにしても特に我が家はバリアばかりの家だから、バリアフリーは大事なことだと、つくづくと感じている。
暇をもてあましているので、息子が和訳してくれと何枚かコピーした用紙をおいていった。健康に関するものらしい。はじめは知らない単語ばかりで、辞書を引くのに忙しかったが、高血圧、糖尿病などの単語を覚えて、それなりにおもしろかった。データになると同じような文章が多くて飽きてしまった。それが何枚も続く。何でもそうだが、同じことの繰り返しは興味をなくす。
残念なのは外に行けないので、クモをはじめ鳥たちとも会えないことだ。ジョロウグモも成体になっただろう。家の中にだってクモはいるのだが、こんなときはちっとも姿を見せない。
まだモズの高鳴きは聞いていないが、もうそろそろ冬鳥たちも帰って来るころだろう。ツバメはもう帰ったかな??