三笠フーズの汚染米販売の被害は拡大するばかりである。もうこれは完全なる犯罪だ。その一番の元凶は農水省だ。
汚染米から検出されたメタミドボスは、毒入り餃子の時にも検出された有機リン系の農薬である。毒性が高いので日本では使用が許可されていない。これは中国から輸入した米に使われていた。記憶が正しければ、メタミトボスはバイエル社が殺虫剤として開発したものではなかったろうか。吐き気、腹痛、下痢、頭痛、めまい、脱力などの症状を引き起こす。
もうひとつの汚染米はアオカビの生えたもの、このカビのアフラトキシンは発ガン性の酵素を出す。
これらを食べたからと言って、急性毒性は現れないとは思うが、今の日本の食の環境を考えると、危険性のある添加物や農薬は日常的に摂取しているのが現状だ。気になるのは相乗作用がどう影響するか、人それぞれに影響の仕方は違う、まして未来のある子どもたちにどう影響するか、まだ解明されていないことが気になるのである。
こういうことが分かっていたからこそ汚染米は保管されていた。同じく保管されていたカドミウム汚染米は赤い色がつけられていた。赤い色を落とすのが余分な手間なのは分かるが、こういう配慮も今回は忘れられていた。報道によると、保管代がかさむから、業者からの買取の申し出に渡りに船で渡したとあった。素人考えでも、汚染米だと分かった時点で、なぜ返却しなかったのか、不思議である。アオカビの生えた米はもったいなくても焼却処分してもよかったのではなかろうか。保管代を考えれば・・だ。
食品汚染の問題は、金儲けの業者の意図的な犯罪だとは思うが、やはり国民も食の問題を考える機会にしてほしいと思っている。食品汚染が報道されると、人々は恐れ、動揺する。これは当然なことだ。日常、これは何が使われている、これは安全だと、いちいち判断して買ってはいなかろう。今回の事件をみれば、国産だから安心と言うわけにもいかない。付け加えれば、輸入食品がなかったら、日本人は食べていけないのも考えなければなるまい。国産の農産物には今は追い風が吹いている。しかし自給率は、とても国民をまかなえる率ではない。国産はコストがかかる。だから必然的に販売コストが高くなる。物価高にあえぐ国民は少しでも安いものを選ぶ。業者は少しでも安くするために人件費の安い外国へ食料を依存する。ここに悪循環がある。しかし、こここそ知恵の使い方ではなかろうか。
もう一度食の原点にかえってみよう。食べものは生きるために食べるものである。食料と言うと物質を想像してしまうが、同じ地球に生きる生物であり、その生命をもらって、私たち人間は生きているのである。そこには感謝があってもいい。その基本が忘れられている。同じ食べて生きるなら、より美味しく食べようと努力する料理は結構なことだ。しかし、食料を無駄にしてはいけない。