松岡農水相も真っ青、プロ球団の似た者金権体質

2007-04-05 17:40:34 | Weblog

 今朝07年4月5日の『朝日』朝刊――『西武、アマ監督らに裏ガネ』。プロ野球の西武ライオンズのアマチュア選手への不適切な金銭供与問題が発覚して設置されることとなった調査委員会が中間報告で上記内容を明らかにしたと言う。

 内容は、「金銭の授受は78年の球団創立から、05年6月のプロ野球12球団の倫理行動宣言前までの27年間に及んでいた」こと。
 「アマチュア野球の監督や関係者への謝礼金は1人当たり10万円から300万円が殆どだが、中には1千万円、500万円、410万円の支払いも1度ずつあった」こと。
 「契約前に契約金や報酬金の前渡し、海外渡航費の餞別金として1人当たり約30万から約2800万円の金銭を渡していた」こと。 
 「アマチュア関係者から支払いを要求されたこともあった」こと等となっている。

 カネを出す方も出す方だが、受け取る方も、よくぞ受け取ったと感心しないわけにはいかない。普段はアマチュアでございます、カネには関係ありませんといった顔をしているはずである。ウラではそういうことをする。なかなか見事ではないか。

 05年6月のプロ野球12球団の倫理行動宣言後は早大野球部の清水勝仁選手(早大野球部退部)以外への金銭授受はないとしているが、素直には信じることができない。宣言後も宣言を破る行為があったのである。ゼネコンの「脱談合宣言」後の談合と同じく。素直には信じさせないよう仕向ける不正を行ってきたのだから、当然の疑いだろう。

 犯罪者が刑期を終えて出所するとき、「二度と犯罪を犯しません」と誓っておきながら、再び犯罪を犯したなら、もやは「二度と犯罪を犯しません」という誓いは信用されないだろう。

 誰が松岡農水相の「適正に処理してます」が信用できるかってんだ。

 中でも一番の驚きは「アマチュア関係者ら支払いを要求されたこともあった」と言うことだが、しかし人間の営為・存在性を考えれば、不思議でも何でもないことかもしれない。人間、いくらでも卑しくなれる。ただ単にアマチュア野球の監督という立場にいるというだけのことで、人間であることに代わりはないからだ。日本の政治家・官僚の姿を見れば、簡単に納得がいく。

 職業や立場が人間を卑しくするのではなく、利害心が人間を卑しくする。職業や立場が人間を卑しくするのだったら、すべての政治家・官僚がカネに卑しい生きものと言うことになってしまう。政治家・官僚にカネに卑しい人間が多いのは、カネを力とする関係から(官僚は地位の上位性を豪華な生活や部下へのカネ惜しみしないもてなし等で示すために)、利害の誘惑に簡単に屈する人間が多いと言うことだろう。一度屈すると、後は開き直って自ら誘惑に身を任せることとなる。
 
 朝日の関連記事で、元オリックスの井箟重慶喜(いのう・しげよし)・関西国際大学教授は「全然驚かない。全球団同じだとは言わないが、球界全体の問題だ」、「金に物を言わせて選手を獲得する球団の陰で、まじめなスカウトは悔しい思いをしてきた」、「もとをただせば少年野球まで金で動く現実があり、自ら要求するアマ関係者もいる。現役のスター選手も裏金と無縁でなく、徹底的に調べればプロ野球がつぶれぐらい根は深い」と話している。

 「もとをただせば少年野球まで金で動く現実があ」る。そう、少年相手の野球の監督で、少年たちと交わっているからと言って、その男が少年のように正直だとは限らない。富士山が美しいからと言って、日本人の心が富士山のように美しいとはまるきり限らないのと同じ論理である。人間はあくまでも利害の生きものであることを生存原理としている。たまたま少年野球の監督をしていたに過ぎないだろう。

 以前社会党が政党としてまだ息をしてこの世にに生存在していた頃、社会党所属の市会議員や県会議員、多分国会議員の中にもいただろう、社会自民党と皮肉られる連中がいた。労働組合を支持基盤として労働者の代表でございますと労働者の利害代弁を政治活動の役目としていながら、実態は自民党議員とつるんで、彼らと変わらない金権体質、口利き体質を駆使して錬金術を専らとし、裏で贅沢な生活を送っていた連中のことである。

 社会自民党の連中がたまたま労働組合に所属していて、そこから議員となるチャンスを得て自らの立場を利用したように、少年野球の監督にしても、監督という立場がカネを受け取ったりカネを請求したりできるチャンスがあることを知って卑しさに流されたと言うことだろう

 カネに卑しい人間はどのような立場に立とうと、金銭授受のチャンスが生じれば、見逃さない。職業や立場がその人間の行動を律するわけではない。本人の自覚のみが自らの行動を律する。

 だから、政治家であろうと、官僚であろうと、プロ・アマを問わない野球の監督だろうと、一般国民だろうと、カネに関わる卑しさ・コジキ行為が跡を絶たない。

 日本のプロ球界を日本の政界と同じ穴の金権ムジナである関係から、日本第2政界と名称変更して、安倍首相を筆頭に松岡やその他の金権自民議員の配下に収め、共々これからの日本を協力して引っ張っていったなら、確実に安倍晋三のいう「美しい国、日本」に到達可能とすることができるに違いない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする