菅仮免の原発問題とオスプレイ配備問題に見る「国民の安心と安全」の二重基準

2011-08-03 09:41:35 | Weblog



 この記事内容とは関係しないが、昨日のMY ツイッター

 なでしこ国民栄誉賞 地元喜びhttp://t.co/tt2BEEY菅にはプレゼンターとなる資格はない。国民に輝かしい勇気も希望も喜びも与えず、失望と怒りと政治不信を与えた。プラスの要素を一切与えない者がそれを与えた者に栄誉賞授与の栄誉を担う逆説・矛盾をどう説明する。20011年8月2日 posted at 14:00:01

 社民党の照屋寛徳(てるや かんとく)衆議員が来年10月以降沖縄に配備方針の米海兵隊新型垂直離着陸輸送機オスプレイがいくつかの機能欠陥を抱えていると指摘されている点とそれが解決したのかと問う質問主意書を7月8日に菅内閣に提出、内閣は7月19日に答弁書を出している。

 Web記事でこのことを知って衆議院HPにアクセスしてみた。質問主意書は記載されていたが、答弁書は未記載であった。毎日アクセスしていたわけではないから正確な日付は言えないが、1週間前後になってからのHP記載であった。

 7月19日に横路衆議院議長宛てに答弁書を提出しているのである。この情報開示の遅さは情報伝達の迅速性の点で問題がある。 

 質問主意書と答弁書を共に記載するが、読みやすくするために年号の漢字表記を英数字表記に変えた。大体が政府文書に於いて今以て漢字表記に拘っているのは一般の使用と違っている以上、情報の理解迅速性の点でも問題があるように思える。

 文字体裁の変化は筆者。
 質問本文情報

平成23年7月9日提出 質問第304号

垂直離着陸機MV22オスプレイの耐空性基準に関する質問主意書

                提出者  照屋寛徳

いかなる理由があれ、私は、垂直離着陸機MV22オスプレイ(以下、オスプレイという)の沖縄配備に断固反対である。その立場はこれまでも、そして、これからも絶対に変わることはない。

 さて、レックス・リボロ氏は、1922年6月から2009年3月まで、米国防総省運用試験評価局に関係する国防分析研究所(IDA)で、オスプレイの主席分析官を務めた航空専門家である。IDAでは、オスプレイの飛行テストや技術データの分析・評価を行っていた。

 そのリボロ氏が2009年6月23日、米連邦議会下院の監視・政府改革委員会におけるオスプレイに関する公聴会(以下、公聴会という)で重大な証言をしている。特に注目すべきは、オスプレイが米軍も根拠にしてきた米連邦航空局(FAA)の耐空性基準(いわゆる安全基準)を満たしていないとの指摘である。その根拠としてリボロ氏は、オスプレイがオートローテーション(自動回転)機能を欠いている点を挙げている。

 なお、公聴会議事録は、上記委員会のホームページにアクセスすれば、誰でも簡単に入手できる。

 以下、質問する。

1 リボロ氏が、公聴会で証言した「積載荷重の限界」「オートローテーション機能の欠如」「戦闘操縦能力の欠如」の三点について、それぞれ概要を説明した上で政府の見解を示されたい。

2 リボロ氏が公聴会証言で指摘した上記三点について、政府が米側から、問題がクリアされた旨報告を受けているのであれば、それを裏付ける客観的データを示した上で米側の説明内容を明らかにされたい。

3 概して、政府は「オートローテーション」をいかなる機能と理解しているか説明されたい。また、ヘリコプターが「オートローテーション機能」を損失した場合、運用上いかなる支障が生じると考えるか、見解を示されたい。

4 2004年8月の沖縄国際大学へのCH53ヘリ墜落炎上事故後、普天間飛行場における飛行再開、安全対策の根拠として防衛施設庁(当時)が挙げたのが、2007年8月10日公表の「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」である。同報告書は、「ヘリは緊急の際にも『オート・ローテーション』によって、飛行場内に帰還を図ることが可能」としている。

 オートローテーション機能が欠如しているオスプレイを普天間飛行場に配備することは、政府のいう同飛行場における安全対策の根拠崩壊を意味しないか、見解を示されたい。なお、意味しないとの政府見解であれば、その根拠を明らかにされたい。

5 関連して、去る6月24日、沖縄県知事と宜野湾市長が連名で「MV-22オスプレイ配備について」と題する29項目の質問状を防衛大臣宛に送付している。係る質問状に回答するため、米側に対し、いつ、いかなる方法で必要な情報の照会と客観的データの提供を求めたのか。政府が目途とする回答時期と併せて明らかにされたい。

 右質問する。


 平成23年7月19日受領 答弁第304号

  内閣衆質177第304号

  平成23年7月19日

 内閣総理大臣 菅 直人

     衆議院議長 横路孝弘 殿

 衆議院議員照屋寛徳君提出垂直離着陸機MV22オスプレイの耐空性基準に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

 衆議院議員照屋寛徳君提出垂直離着陸機MV22オスプレイの耐空性基準に関する質問に対する答弁書

 1について

 御指摘の三点については、米国の民間の研究機関である米国防衛分析研究所の元首席分析官レックス・リボロ氏が、2009年6月23日(現地時間)の米国下院監視・政府改革委員会公聴会において発言したものであると承知しているが、政府として、個人の発言内容について説明する立場になく、また、米国議会における議事内容について見解を述べることは差し控えたい。いずれにせよ、垂直離着陸機MV22オスプレイ(以下「MV22」という。)の安全性等については、引き続き、米国政府に対して、更なる情報の提供を求め、詳細な情報把握に努めているところである。

 2について

 政府として、米側よりお尋ねの「報告」は受けていない。

 3について

 オートローテーションとは、回転翼航空機が運動中、その揚力を受け持つ回転翼が完全に空力のみによって駆動される飛行状態をいうものであると承知している。また、御指摘の「ヘリコプターが「オートローテーション機能」を損失した場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、回転翼航空機において、飛行中に全エンジンが不作動となった状態で、オートローテーションによる飛行に移行しない場合は、安全な着陸に支障を来す可能性があるものと考えられる。

 4について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、MV22の安全性等に関しては、引き続き、米国政府に対して、更なる情報の提供を求め、詳細な情報把握に努めているところである。

 5について

 お尋ねの米国政府とのやりとりの詳細について明らかにすることは、同国との関係もあり、差し控えたいが、沖縄県や宜野湾市に対しては、同国政府から得られたMV22の安全性や騒音等に関する情報について、できるだけ速やかに説明を行ってまいりたい。

 1の質問――

 「リボロ氏が、公聴会で証言した「積載荷重の限界」「オートローテーション機能の欠如」「戦闘操縦能力の欠如」の三点について、それぞれ概要を説明した上で政府の見解を示されたい」

 対する答弁――

 「御指摘の三点については、米国の民間の研究機関である米国防衛分析研究所の元首席分析官レックス・リボロ氏が、2009年6月23日(現地時間)の米国下院監視・政府改革委員会公聴会において発言したものであると承知しているが、政府として、個人の発言内容について説明する立場になく、また、米国議会における議事内容について見解を述べることは差し控えたい。いずれにせよ、垂直離着陸機MV22オスプレイ(以下「MV22」という。)の安全性等については、引き続き、米国政府に対して、更なる情報の提供を求め、詳細な情報把握に努めているところである」――

 「垂直離着陸機MV22オスプレイ(以下「MV22」という。)の安全性等については、引き続き、米国政府に対して、更なる情報の提供を求め、詳細な情報把握に努めているところである」ということは、安全性が米側に於いて確定していないことを示す。少なくとも日本側はその安全性を最終的に確認していないことになる。

 確認していたなら、情報提供の要請も情報把握も一段落ついていることになる。

 当然、情報提供の要請及び情報把握の努力は積極的、且つ熱意あるものでなければならない。なぜなら、オスプレイの安全確認追求はイコール、菅仮免が頻繁に口にしている「国民の安心と安全」追求を意味することになるからである。

 オスプレイの安全確認追求が「国民の安心と安全」追求と同義語だということである。そうである以上、政府は当然のことながら、米政府に対してあらゆる手段を使ってその安全性を確認する責任と義務を負う。

 だが、「個人の発言内容について説明する立場になく、米国議会における議事内容について見解を述べることは差し控えたい」の答弁からはオスプレイの飛行上の安全確認追求に熱意ある姿勢を認めることはできない。逆に安全確認追求を避けている雰囲気さえ認めることができる。

 「国民の安心と安全」意識を疎かにしているということであろう。

 2の質問――

 「リボロ氏が公聴会証言で指摘した上記三点について、政府が米側から、問題がクリアされた旨報告を受けているのであれば、それを裏付ける客観的データを示した上で米側の説明内容を明らかにされたい」

 対する答弁――

 「政府として、米側よりお尋ねの『報告』は受けていない」――

 この答弁は、「いずれにせよ、垂直離着陸機MV22オスプレイ(以下「MV22」という。)の安全性等については、引き続き、米国政府に対して、更なる情報の提供を求め、詳細な情報把握に努めているところである」と1の答弁で示している能動的姿勢に矛盾する受動的姿勢で終わらせている。

 米政府に対する情報提供の要請も日本政府自らの情報把握の努力も口で言っているだけのこと、事実に反する虚偽に過ぎないことの暴露でしかない。

 政府が負うべき「国民の安心と安全」追求意識に照らした場合、相手の情報提供を待たずに、いわば相手からの報告を待たずに自ら能動的に情報把握に努めて然るべきだが、そういった姿勢に反する答弁となっている。
 
 3の質問――

 「概して、政府は『オートローテーション』をいかなる機能と理解しているか説明されたい。また、ヘリコプターが「オートローテーション機能」を損失した場合、運用上いかなる支障が生じると考えるか、見解を示されたい」

 対する答弁――
 
 「オートローテーションとは、回転翼航空機が運動中、その揚力を受け持つ回転翼が完全に空力のみによって駆動される飛行状態をいうものであると承知している。また、御指摘の『ヘリコプターが「オートローテーション機能」を損失した場合』の意味するところが必ずしも明らかではないが、回転翼航空機において、飛行中に全エンジンが不作動となった状態で、オートローテーションによる飛行に移行しない場合は、安全な着陸に支障を来す可能性があるものと考えられる」――

 当然、「国民の安心と安全」の確保上、何を措いても優先的にオスプレイがオートローテーション機能を欠いているかどうかの米政府に対する情報提供の要請と日本政府自らの情報把握に務める義務と責任を遂行すべきだが、そういった姿勢になっていないことも、「国民の安心と安全」意識が希薄であることの証明、もしくは暴露としかならない。

 4の質問――

 「2004年8月の沖縄国際大学へのCH53ヘリ墜落炎上事故後、普天間飛行場における飛行再開、安全対策の根拠として防衛施設庁(当時)が挙げたのが、2007年8月10日公表の「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」である。同報告書は、「ヘリは緊急の際にも『オート・ローテーション』によって、飛行場内に帰還を図ることが可能」としている。

 オートローテーション機能が欠如しているオスプレイを普天間飛行場に配備することは、政府のいう同飛行場における安全対策の根拠崩壊を意味しないか、見解を示されたい。なお、意味しないとの政府見解であれば、その根拠を明らかにされたい」

 対する答弁――

 「お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、MV22の安全性等に関しては、引き続き、米国政府に対して、更なる情報の提供を求め、詳細な情報把握に努めているところである」――

 2の質問に対する答弁と同様にオスプレイの安全性の最終確認はまだだとしている。安全性の最終確認ができていないにも関わらず、米政府の来年10月以降からの沖縄配備方針を日本政府は容認する姿勢でいる。

 この姿勢にしても政府の責任及び義務として負うべき「国民の安心と安全」追求に矛盾するオスプレイの安全未確認の姿勢と言える。

 オスプレイの安全確認追求を「国民の安心と安全」追求と同義語とはしていないということである。この人権意識の低さはどう説明したらいいのだろうか。国家安全保障上の軍事的抑止力優先の立場上、10人やそこらの、あるいはそれ以上になるかもしれない人命の損傷など問題にしていられないということなのか。

 5の質問――

 「関連して、去る6月24日、沖縄県知事と宜野湾市長が連名で『MV-22オスプレイ配備について』と題する29項目の質問状を防衛大臣宛に送付している。係る質問状に回答するため、米側に対し、いつ、いかなる方法で必要な情報の照会と客観的データの提供を求めたのか。政府が目途とする回答時期と併せて明らかにされたい」

 対する答弁――

 「お尋ねの米国政府とのやりとりの詳細について明らかにすることは、同国との関係もあり、差し控えたいが、沖縄県や宜野湾市に対しては、同国政府から得られたMV22の安全性や騒音等に関する情報について、できるだけ速やかに説明を行ってまいりたい」――

 「お尋ねの米国政府とのやりとりの詳細について明らかにすることは、同国との関係もあり、差し控えたい」としていながら、いわばこのことに関する情報は未開示だとしながら、沖縄県や宜野湾市に対する安全性や騒音等の速やかな説明=情報開示がどうできるというだろうか。

 肝心要なことを隠して、情報開示に応じますと言っているようなものだろう。

 結果的にでき得ることは米政府からの宛がい扶持(あてがいぶち―相手側の一方的な判断で与えられる手当)の情報のみを沖縄に公開、それを以ってして情報の全面公開だと定義づけることぐらいとなる。

 要するにアメリカが安全だと言っているから安全ですといった類いの情報公開・情報提供しかできないということである。

 このような姿勢しか示すことができないことも「国民の安心と安全」追求意識に厳格に則ったオスプレイの安全確認追求とはなっていないからに他ならない。

 菅内閣のオスプレイ配備に関わる「国民の安心と安全」追求意識のゼロに近い希薄さは原発問題で菅仮免が機会あるごとに口にしている「国民の安心と安全のため」と称していることと矛盾する二重基準となっている。

 菅仮免は7月13日(2011年)の記者会見で次のように発言している。

 菅仮免「これまで私が例えば浜岡原発の停止要請を行ったこと、あるいはストレステストの導入について指示をしたこと、こういったことは国民の皆さんの安全と安心という立場。そしてただ今申し上げた原子力についての基本的な考え方に沿って、一貫した考え方に基づいて行ってきたものであります」

 だが、この「国民の安心と安全」追及に関しての一貫性はオスプレイーの安全確認追求に於いて破綻することとなっている。

 原発問題に関わる「国民の安心と安全のため」が人気取りのための単なる口実に過ぎないということなら、オスプレイに関する「国民の安心と安全」意識の希薄性と整合性を得る。

 従来の原発の安全確認基準では国民が安心できないからと新安全確認基準としてストレステストを義務づけた以上、あるいは東海地震発生の確率から発生区域に立地する浜岡原発を停止させたように国民の誰もが納得できるオスプレイの最終安全確認が徹底できるまで、政府の「国民の安心と安全」追求の責任と義務履行のためにその配備は断るべきだろう。

 だが、多分菅仮免はそういった姿勢を示さないに違いない。震災の復旧・復興にこれ程の遅れや不備を招いているということ自体が菅仮免以下菅内閣が「国民の安心と安全」追及を実体的意識としていないことの証明に他ならないからである。

 実体的意識としていないからこそ、オスプレイの安全確認にしても能動的姿勢で臨むことができない。

 
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