安倍晋三の詐欺師紛いの「課題があるからこそ首脳同士会うべき」「対話のドアは常にオープン」の対韓対話論

2015-06-11 07:55:39 | 政治


 韓国は日韓首脳会談開催の条件に安倍政権が認めていない従軍慰安婦の強制連行を認めること、日本の戦争が侵略戦争であったことを認めることなどの歴史問題の解決を挙げている。

 安倍晋三がドイツで開催のG7サミット=先進7カ国首脳会議を終えて帰国の途につくのに先立ってNHKのインタビューに応じ、韓国との関係について次のように発言したという。

 安倍晋三「隣国であり、様々な問題、課題はあるが、首脳どうしが対話を行い、理解を深めていく必要がある。習主席とも2回会談を行って前進しており、パク・クネ(朴槿恵)大統領との間でもそういう関係を作っていきたい」

 「様々な問題、課題はあるが」、会うべきだと言っている。

 安倍晋三は常々「課題があるからこそ、会うべきだ」と「対話のドアは常にオープン」を常套句としてきた。

 2014年2月6日参議院予算委員会。

 安倍晋三「日韓は価値を共有する最も大切な隣国だ。竹島やいわゆる従軍慰安婦の問題に端を発して関係が悪化したが、課題があるからこそ、胸襟を開いて、前提条件を付けずに首脳会談を行うべきだ。こちらの対話のドアは常にオープンであり、ドアの中で待っているだけでなく、積極的に出て行き、首 脳会談や政治レベルの交流が実現するよう努力を重ねていきたい」

 2014年2月12日衆院予算委員会。

 安倍晋三「韓国は日本の隣国である、極めて重要な隣国であると言ってもいいんだろうと思います。いろいろな課題があるからこそ、私は、首脳間の交流を、意見交換をすべきではないか、こう考えているところでありますし、誤解がもしあるとするならば、その場で解いていく努力もしていきたいと考え ております。

 日本は、対話のドアは開いておりますし、我々もむしろ、ドアの中に閉じこもっているというよりも、対話に応じるようにこちらからも働きかけを 行っているわけでございますが、残念ながら、まだ先方が日本と同じ態度をとっていない状況であるということでございます」

 2014年3月12日参議院予算委員会。

 安倍晋三「日韓関係、日中関係、隣国でございますから様々な課題が当然生じてくるわけでございます。そうした課題があったとしても、一つの課題があった、 一つの問題があったからといって全ての関係を閉じてしまうということがあってはならないわけでありまして、課題があるからこそ、例えば首脳間の交流はしっかりとしていく、首脳会談あるいは外相レベルでの会談は行っていくべきであろうと、こう考えているわけでございます」

 「課題があるからこそ」「課題」が何なのか、既に明らかである。

 その「課題」とは誰の目にも明らかであるように安倍晋三の歴史認識に他ならない。自らの歴史認識を変える意志がなかったら、そのことを伝えて、安倍晋三が在任中の日韓首脳会談はしないことに決めるべきである。

 「課題」をクリアしないままに首脳会談を行っても、安倍晋三と習近平との首脳会談のように信頼関係が醸成されないままの、不信感を残した機会的な会談で終わる。

 尖閣という難しい問題が日中間に横たわっているものの、習近平との2度の会談で、相手国に対してどのような前向きな相互性を構築できたというのだろうか。

 2013年10月22日衆院予算委員会。

 安倍晋三「安倍内閣として、侵略や植民地支配を否定したことは一度もないわけでありまして、今申し上げましたように、我が国は、かつて、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えてきた、その認識においては、安倍内閣としても同じであり、これまでの歴代内閣の立場を引き継ぐ、こういうことであります。

 いずれにせよ、隣国なんですから、我々は最も大切な隣国だと思っているわけでありまして、一つのことに問題があったからといって関係全てを閉ざしてしまうのは私は間違っているということは何回も申し上げてきたわけであります。日本としては、対話のドアはいつも開いているということでありまして、韓国側にも同様の対応をとっていただきたい、このように思う次第でございます。

 「侵略や植民地支配を否定したことは一度もない」と言ってはいるものの、明確に肯定したことも「一度もない」

 だが、ホンネのところでは侵略と植民地支配、さらに従軍慰安婦の日本軍強制連行を否定している。

 今回政権を取って首相に就任した2012年12月26日の産経新聞のインタビューで、侵略戦争であることを認めた「村山談話」と従軍慰安婦の日本軍の強制連行を認めた「河野談話」に関して、「政権復帰したら、もう村山談話や河野談話に縛られることもない」と言って、間接的に侵略と植民地支配と従軍慰安婦の日本軍強制連行を否定している。

 安倍晋三自身の歴史認識が解決すべき「課題」となっている以上、その「課題」「対話のドア」を閉ざしている第一要因ということになる。

 にも関わらず、自身の歴史認識を「課題」として残したまま、「課題があるからこそ首脳同士会うべきだ」と言い、「対話のドアは常にオープンだ」と言う。

 そうではないのに自身を正しく見せる詐欺師紛いの対韓対話論に過ぎない。

 大体が安倍晋三の国会答弁は質問に直接的に答えなかったり、聞かれてもいないのに自分に都合のいいことを長々と喋る詐欺師紛いの言いくるめで成り立っている

 「安倍晋三70年談話」の策定に向けて設置された有識者懇談会の先月5月22日の会合の議事要旨が公表され、有識者の一人が「和解は謝罪だけでは起こらず、許しがあって初めて和解になるので、謝罪と許しの双方が発生するプロセスが重要だ」と指摘したと「NHK NEWS WEB」記事が伝えていた。

 謝罪が許しを機能させることができる内容・性格の謝罪となっているかどうかが問題であって、機能させることができなければ、永遠に和解は生じない。

 先ずは安倍晋三の歴史認識が許しを機能させることができる謝罪に当たるかどうかを考えるべきだろう。

 詐欺師紛いの姿勢を避けるためには、既に触れたようにやはり自らの歴史認識を変える意志がないことを内外に宣言、自身が在任中には韓国大統領との首脳会談は求めないことを言明すべきだろう。

 それが正直な姿と言うものである。

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