和田政宗次世代参議員の抗議活動は「中国のウイグルやチベットでは射殺される」はデモ抑制or禁止願望発言

2015-09-18 09:44:34 | 政治



      「生活の党と山本太郎となかまたち」

《9月17日(木)山本太郎代表、参院安保特別委員会与党強行採決の場に喪服を着て臨み、与党暴挙を痛烈に批判》

 安倍晋三の安保関連法案に賛成している次世代の党の和田政宗参院議員は9月15日、参院平和安全法制特別委員会の中央公聴会で質問に立ち、国会周辺の抗議活動に関して次のような発言をしたという。

 和田政宗「永田町近辺にも住居がある。小さな子を持つ方は寝かしつけるのも大変だったのではないか。(だが、)憲法上認められた権利だ。国会議員は当然、許容しなければならない。午後9時以降も太鼓の音や大声が聞こえてきたという。

 平穏なデモ、抗議活動ができないものだろうか。日本は良い国だ。中国のウイグルやチベットで抗議活動をすると、銃を乱射されて射殺される」(毎日jp)  

 (下線部分は解説文を会話体に直す。)

 最初の発言、「永田町近辺にも住居がある。小さな子を持つ方は寝かしつけるのも大変だったのではないか」で、既にデモに対して拒絶反応を示している。

 勿論、許可されたデモであっても、個人的に許容できるデモと許容できないデモの違いは出てくる。その線引きは個人それぞれであるから、この言葉だけを掴まえて、民主主義否定論者とは言えない。「憲法上認められた権利だ。国会議員は当然、許容しなければならない」とさえ言っている。

 しかしこの言葉が真に自らが信条としている主義・主張であるなら、例えデモの抗議の声を騒音と捉えて迷惑だと感じ取っている住民が存在したとしても、「日本は良い国だ。中国のウイグルやチベットで抗議活動をすると、銃を乱射されて射殺される」は比較する必要もない言わずもがなの発言となる。

 だが、言わずもがなの発言まで口にした。このことを裏返して言うと、憲法上の権利だ何だを真に自らが信条としている主義・主張ではないから、比較する必要もないウイグルやチベットの例を持ち出して比較したと言うことができる。

 一見すると、独裁国家の抗議活動は「銃を乱射されて射殺される」危険性に常に付き纏われるが、その点「日本は良い国だ」と、抗議活動・デモに関して民主国家日本は日本であると個別に価値づけているように見えるが、中国の例を持ち出したことは、その必要もないことなのだから、中国と日本の個別性、その違いの例示に重点を置いた発言ではなく、中国を引き合いに出すことで、「銃を乱射されて射殺される」ことになる、それ程に大問題なことだと警告に重点を置いた発言と見なければならない。

 警告は「何々するな」、「何々せよ」といった命令・指示の形で相手の行為・行動を自分の意思に添わせる目的で禁止や抑制、あるいは誘導等々の意図を持たせて発する。

 当然、和田政宗のここでの警告は国会周辺の抗議活動・デモに対して抑制、あるいは禁止の意図を持たせた、そのことの願望が現れた発言であろう。

 あるいは中国のように強権を用いた抗議活動・デモの禁止を願望していると見ることができないわけではない。民主主義国家でもそのような強権が許されることへの国家主義からの願望である。

 と言うことなら、和田政宗が言っている「憲法上認められた権利だ。国会議員は当然、許容しなければならない」は日本が民主主義国家を形成していることからのタテマエに過ぎず、ホンネは民主主義を否定していると批判されない範囲で抗議活動・デモを何らかの形で抑制したいと強く願っているのかもしれない。

 また、次のようなことも言うことができる。こういった手合が賛成する安倍晋三の安保関連法案だということである。

 9月17日夕方、安保法案が参院特別委で強行採決され、可決された。和田政宗が記者に発言している。

 和田政宗「国民の命と国を守るために重要な法案なので、まず、委員会の採決で可決したことはひと安心だ。このあと、本会議での採決もあるが、絶対に通さなければならない法案だ。力によって、議事の進行を妨害する行為はあってはならず、反対であっても暴力をふるってはならない」(NHK NEWS WEB)  

 「中国のウイグルやチベットで抗議活動をすると、銃を乱射されて射殺される」という例を持ち出して、民主主義国家日本で届け出を出している抗議活動・デモを抑制、あるいは禁止したい願望を抱えている政治家が「力によって、議事の進行を妨害する行為はあってはならず、反対であっても暴力をふるってはならない」などと偉そうに言う資格はない。

コメント (1)
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