高村正彦は9月13日安保法案に関わるNHKスペシャル番組で徴兵制を否定したが、薄汚い詭弁に過ぎない

2015-09-16 09:12:21 | Weblog



      「生活の党と山本太郎となかまたち」

      《9月11日 安保法案の成立阻止で一致、野党7党・会派党首会談》    

     こんにちは、生活の党と山本太郎となかまたちです。
     生活の党と山本太郎となかまたち小沢一郎代表をはじめ、民主、維新、共産、社民、元気の野党6党
     の党首並びに参議院会派の無所属クラブ代表は9月11日、国会内で協議し、安全保障関連法案の成
     立を阻止するため、内閣不信任決議案や首相問責決議案の提出を視野に、あらゆる手段を講じる方
     針で一致しました。

      《9月14日小沢一郎代表と元陸上自衛隊レンジャー隊員井筒高雄氏との会談要旨》

     【対談内容】

     安保法制の危険性と日本の国際貢献は今後どうあるべか。

 9月13日(2015年)日曜日の午後9時から10時半まで、NHK総合テレビが『緊急生討論 10党に問う どうする安保法案採決』と題して与野党10党の代表者が安保法案について議論を戦わせた。

 その中で自民党副総裁の高村正彦が徴兵制について薄汚い詭弁で以ってあり得ない話だと強く否定した。

 吉田忠智社民党党首「具体的にこの法律ができたとき、アメリカの要求がどんどんエスカレートしていく。アメリカの要求に応えることができなくなって、リスクは高まる。そして自衛官を希望する方々が減って、憲法18条を変えて、徴兵制にまで踏み込まざるを得ないような状況になるのではないのか。

 これを国民の皆さんは一番心配している」

 高村正彦「徴兵制というのは荒唐無稽な話なんですよ。荒唐無稽。まさにそこを一番心配しているっていうのは、その通りなんです。国民は一番心配しているんですよ。

 そのように荒唐無稽でも、専門家の人たちが少し言えば、それは心配しますよ。

 だけど、荒唐無稽って言うのは軍事的合理性もなければ、政治的合理性もないんですよ。プロの戦いですからね。特に日本みたいに海に囲まれている国は海空重視で、その中で人海戦術でやるわけなんてないわけですね。プロとプロの戦いにね、そんなことはない。

 政治的合理性からすれば、もっとないですね。

 そんなことを言い出したら、内閣すぐ潰れる。私も反対しますから。(吉田忠智を指差して声を強める。)ないですよ!」

 島田キャスター「弾薬の提供までできるように変わるということですが、リスクは当然増してくるんじゃないのですか。この点についてどうですか」

 高村正彦「いや、それは――。(逆に尋ねるように)変わらないんじゃないですか・・・・・。どうして変わるんですか。

 他のものを、その・・・、日本の・・・・、安全と平和に重要な影響を与える事態のとき、動いてくれるところにできるだけ、普通の国なら我が国自身が軍事力を行使するところを、憲法上の要請でやらないで、それのお手伝いをするっていうことですから、やりたいことはできるだけやることは当たり前だと私は思いますよ」――

 安倍晋三も政府も自民党も憲法18条を根拠に徴兵制はあり得ないと否定している。

 『日本国憲法 第18条』 「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」

 兵役が自らの意志による選択であるなら、奴隷的拘束に当たらず、苦役とならないが、本人の意志からではなく、国家意志を受けた兵役は本人から見た場合意に反する奴隷的拘束に当たり、苦役に相当することになって、憲法の規定に背き、憲法違反となるとの趣旨で徴兵制否定の根拠としているのだろう。

 だが、憲法は絶対ではない。解釈によっていくらでも変え得る例を最近見たばかりである。
 
 1972年の「自衛権に関する政府見解」は、「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」と結論づけている。この結論に則って自民党の歴代内閣は集団的自衛権行使は国際的にも認められていて、国連憲章に規定があるものの、憲法9条が存在する限り、行使できないと言ってきた。

 それを安倍政権は憲法解釈一つで行使できるように法案化し、現在、その成立を謀っている。9条さえ解釈変更することに成功しつつあるのだから、18条も解釈変更できない保証はない。

 例えば、「国を愛する心があれば、国の徴兵制に基づいた兵役を奴隷的拘束と受け止める日本人は存在するだろうか。そのような兵役を苦役と感じ取る日本人がいるだろうか。兵役を奴隷的拘束とし、苦役とする者は国を愛する心を持たない日本人だ」といった論理を巧妙に展開して、集団的自衛権行使憲法解釈容認は日本を取り巻く安全保障環境の急激な変化を口実としたが、愛国心を口実にして18条の解釈は変え得る。

 このような解釈変更は絶対ないと否定する者は憲法9条の解釈変更をも否定しなければならない。

 決して高村正彦が言うように「荒唐無稽」というわけではなく、また、「政治的合理性もない」とすることはできず、いつでも現実となり得る話としなければならない。

 高村正彦は「特に日本みたいに海に囲まれている国は海空重視で、その中で人海戦術でやるわけなんてないわけですね。プロとプロの戦いにね、そんなことはない」と徴兵制の「軍事的合理性」のないことを主張しているが、自衛隊の海外活動を「海空重視」としていて、敵部隊と遭遇する機会が海空よりも予測しにくい、その分危険性が高い陸上自衛隊を抜いて、それ程兵員を必要としているわけではないとの趣旨で徴兵制不必要論としていること自体が軍事的合理性のない詭弁そのものとなっている。

 安倍晋三は国会答弁で2003年12月から2009年2月まで国連平和維持活動(PKO)としてイラク・サマワに派遣されていた陸上自衛隊を例に取って、オランダ軍やオーストラリア軍の護衛を受けていたことを無視して、自衛隊の危険性はサマワでの活動とさして変わらないことの説明の一つとしてきた。

 つまり陸自の活動をも想定した安保関連法案であって、この点から言っても、「海空重視」とするのは徴兵制を「軍事的合理性もなければ、政治的合理性もない」とするためのゴマカシ、詭弁に過ぎない。

 最近の戦争が国対国ではなく、ゲリラ集団と国との戦いに変質してきているが、例えゲリラであっても、地対空携帯ミサイル保有を保有している。リビアのカダフィが保有していた大量の携帯式ミサイルがゲリラの手に入ったとも言われている。

 当然、「海空重視」であっても、自衛隊の海外活動が中東にまで及んだ場合、海上自衛隊の航空機がその攻撃を受けない保証はない。攻撃を受けないとすること自体、「軍事的合理性」のない詭弁そのものとなる。

 安倍政権の安全保障関連法案が徴兵制に行き着くのではないかという疑念は決して「軍事的合理性もなければ、政治的合理性もない」ない主張ではない。

 そうであるから、高村は薄汚いまでの詭弁を用いてまでして否定しなければならないことになる。

 薄汚い詭弁を用いた報いなのだろうか、島田キャスターの自衛隊のリスクが高まるのではないかという問いに、問い通りの答で応じることもできず、明確な答ともなっていなかった。

 自分自身で明確に変わらないことを証明しなければならないのに、逆に「どうして変わるんですか」と島田キャスターに聞き返しさえしている。

 国会答弁では質問議員から、どういった質問をするか、前以て質問通告が出されているから、官僚の手も借りてそれなりに自衛隊のリスクが高まらないと答弁を整理することができるが、高村は突然の質問で満足に答えることができなかったのかもしれないが、だからと言って、自民党の代表として公共の番組に出演し、日本の安全保障の将来を決定する重要な問題に満足に答えることができないのは許されることではない。

 徴兵制を否定するために詭弁を用いていることと言い、安全保障関連法案が日本国憲法との間に確固たる論理的整合性を持ち得ていないことと、法案と想定している実際の運用との間に於いても論理的整合性を与えることができていないことが、このことは答弁が変わることによって証明されているが、原因となっている詭弁であり、ゴマカシであろう。

 憲法違反ではないとしていることをも含めて、そこに詭弁やゴマカシを存在させて軍事的・政治的合理性を打ち出さざるを得ない状況にある以上、法案の成立はあってはならないはずである。

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