「生活の党と山本太郎となかまたち」
《機関紙32号(電子版)を発行ご案内》
◆小沢一郎代表 巻頭提言
「弱肉強食の安倍政権から国民の『命』と『くらし』を守るために」
◆スペシャル・レポート 山本太郎代表
◆第190回国会活動報告 谷亮子副代表、玉城デニー幹事長
◆新連載「私の本棚」 主濱了副代表
◆森ゆうこ新潟県連代表が今夏参院選出馬表明
◆オックスフォード大学が小沢一郎代表に関する学術書を出版
民主党代表岡田克也が2月3日夜のBS11に国会議員を引退した山崎拓自民党元副総裁と共に出演して次の遣り取りをしたと「産経ニュース」が伝えている。
山崎拓「民主党という党名に対するアレルギーが(国民には)非常に強い。政党名をお変えになった方がいい」
岡田克也「私は民主党であることに誇りを持っている。党名などを軽んじて支持者が納得するのかということもある」――
「私は民主党であることに誇りを持っている」と言っている言葉の意味は、民主党という名前に誇りを持っているということであろ。
勿論単に「民主党」という名前にのみ誇りを持っているわけではないだろう。名前には様々な多岐に亘る活動の歴史や活動を演じた多くの人材の様々な多岐に亘る足跡が刻まれていて、それらが現在の民主党を拠って立たしめているがゆえの党名への誇りであろう。
そのことは十分に理解できる。
このような党名への拘りは選択的夫婦別姓に似ている。女性が生まれつきの姓と名前を自分であること――自己存在性のアイデンティティの一つとしていて、それをベースに自己を成り立たせているがゆえに結婚しても生まれつきの姓と名前を捨てることができない。
岡田克也は民主党に自己存在性のアイデンティティを置いているのだろう。民主党という名前に誇りを持つことも、捨てることができないことも理解できる。
だが、問題は民主党だけで生き残ることができるのかである。勿論、野党第一党としてそこそこに生き残ることはできるだろう。それで満足なら、民主党という名前を後生大事に守ればいい。
巨大与党と伍して、その政治と自らの政治を闘わせることが可能な民主党単独での生き残りを果たして謀ることができるかというと、政党支持率を見れば、答がノーなのは一目瞭然である。
現在民主党が置かれている状況は以前は手広く商いをし、大いに繁盛して、名前が広く知られていたが、店の名前と昔ながらの商売の遣り方に拘る余り時代に合わなくなって世間から取り残されつつある老舗に似ている。
当然、岡田克也が野党第一党としてそこそこに生き残ることに主眼を置いているなら、民主党の名前と従来からの党運営等々、何をどう拘ろうと自由ということになるが、巨大与党と伍していく勢力拡大を望むなら、党勢がその勢いにない以上、民主党が野党第一党として野党連携の主導権を握ることは許されても、党名のみならず、民主党が現在置かれている状況全てに拘ってはいられない情勢にあるこを悟らなければならない。
だが、岡田克也は民主党が現在置かれている状況を理解しているのか理解していないのか、「党名などを軽んじて支持者が納得するのかということもある」と、あくまでも民主党という党名に拘っている。
果たして党名の変更が民主党という名前が体現することになっているその歴史や多くの人材の足跡を軽んじることになるのだろうか。他の野党と合同し、党名を変更することを巨大与党と伍して、その政治と自らの政治を闘わせる勢力拡大のための発展だと位置づけたなら、民主党のこれまでの歴史と足跡の発展を意味することにもなる。
勿論、失敗することもある。しかしその賭けとすることができる。
失敗を恐れて賭けもしたくないなら、野党第一党としてそこそこに生き残ることだけを心掛ければいい。
大体が岡田克也が党名の変更を民主党発展の機会と解釈することは一切せず、“軽んじる”とのみ解釈する感覚は果たして公党の代表の感覚と言えるのだろうか。
支持者の納得に重点を置いているが、支持者をリードするのが代表の指導力であるはずである。自らの指導力に恃(たの)んで支持者を引っ張っていくことを考えずに支持者の納得に従おうとしている。
この受け身の態度・従属性からも指導力のカケラも窺うことは無理な話で、とても民主党の代表だと見ることはできない。
しかも朝日新聞の昨年12月の世論調査での政党支持率は自民36%で、民主たったの8%に過ぎない。他の世論調査も似たり寄ったりだから、たかだか10%前後の支持者を対象に党名に拘っていて、その意向に従うということは民主党を現在支持していない有権者を支持者に変える指導力・方策が代表に求められている状況にさしたる意欲を示していないことの証明としかならない。
勿論、岡田克也はそんなことはないと否定するだろう。だが、以上見てきたことの全てが、そんなことはあることを示している。
安倍晋三が夏の参院選で憲法改正に賛同する勢力で改憲の国会発議に必要な定数3分の2以上の議席確保を目指す意向を示したことについて、「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表が1月12日の記者会見で次のように述べている。
小沢一郎代表「野党がこのままの状況ならば、『3分の2』が現実味を帯びてくる。
3分の2を獲得させてはいけないという国民の意識も高い。(参院選に向けた野党共闘について)(候補者調整などで)各党が利害を捨てればいい。捨てきれないと全滅だわね。
まだ半年ある。日本人は『一夜漬け』が得意だから、切羽詰まらないと本気にならないので、希望を捨てていない」(産経ニュース)
小沢代表は3分の2阻止は野党連携、あるいは野党の大同団結と、安倍晋三という国家主義者のもとでの憲法改正をを許してならないとする国民の意識の相互作用にかかっていると見ている。
つまり、そのいずれも欠かしたなら、国家主義者安倍晋三の憲法改正を許すこともあり得ると危機感を露わにしている。
小沢代表の発言から比較すると、岡田克也の支持者の納得を理由とした党名への拘りや民主党が現在置かれている状況に対して危機感ゼロと言う他ない。
この危機感のなさからも、代表としての資質の疑わしさを感じざるを得ない。