安倍晋三と右翼国家主義を共にするその側近萩生田光一が昨日2016年2月14日フジテレビ放送の「新報道2011」に出演、国会を議員の「育休取得」を提言して一躍脚光を浴びたものの、同じ自民党所属衆議院議員の妻金子恵美の出産入院中に女性タレントと不倫していたことが「週刊文春」で報じられて議員辞職を表明(PM2:15分訂正)した宮崎謙介自民党衆議院議員について司会者須田哲夫から一言求められて発言している。
萩生田光一「もうコメントないです。これはもう、お詫びするしかない」
須田司会者「野党から自民党に対する批判も上がっているというのが現実なんですけど」
萩生田光一「マスコミの皆さんからも指摘されてますけれども、特に2回のみなさんは若い経験不足の方たちが大勢いらっしゃいますから、まあ、人材教育と言いますかね、党内での教育体制というものをしっかりと見直そうということを役員会でもそういう話題になっています」
萩生田光一が「2回のみなさんは若い経験不足の方たちが大勢」と言っていることは民主党3年の政権の不人気を受けた自民党人気に便乗、自民党が政権に復帰することになった2012年12月16日の投開票の衆院選に立候補して当選を果たし、そして安倍晋三が新安保法制を通すために約2年後の2014年11月21日に衆議院解散散、2014年12月14日投開票の衆議院選に2回目の当選を果たした、宮崎謙介のような約3年の経験しかない若手議員を指す。
要するに新人議員教育が至らなかったから、妻の出産入院中に女性タレントと不倫するようなトンデモ議員を出してしまったと言っていることになる。
と言うことは、しっかりとした新人議員教育を行えば、行動に問題のあるトンデモ議員は出てこないことになる。
自民党は2012年12月26日に総選挙に大勝、政権復帰を決めて以後、大量当選を果たすために新人議員を多く擁していたことから、早々に新人議員教育に取り掛かっていることを「MSN産経」が伝えている。文飾は当方。
総選挙の日から約2週間後の2013年1月9日という早い日に当時の自民党幹事長である石破茂の「議員の最低限の『質』を担保したい」との意向を受けて、党主導の新人教育を行うことと、割り当てられた国会内の控室の一部を衆院新人議員を教育する「専用道場」に充てることを決めたとしている。
そして1月9日から約2週間後の1月22日に早くも専用道場での新人議員教育を開講、「道場」には参院からの鞍替え組を除く115人が集められたと言う。
記事は末尾で、〈石破氏は、新人に年末年始の計画表を提出させたばかり。数班に分けて行動をチェックすることも検討しており、「スパルタ教育」を本格化させている。〉と解説している。
要するに国会を離れた個人の行動をチェックすることまで新人議員教育としていた。
115人という大量の新人議員の中には宮崎謙介も入っていたはずである。
ところが、2013年1月22日の新人議員教育開講から3年、国会を離れた個人の行動をチェックすることまで新人議員教育に含めていながら、妻の出産入院中にタレント女性と不倫するようなトンデモ議員宮崎謙介を輩出してしまった。石破茂の望みに反して、「議員の最低限の『質』を担保」することができなかった。
但し宮崎謙介に限ったトンデモ議員の排出であるはずである。
にも関わらず、自民党の役員会で党内での教育体制を見直すという話題になった。
と言うことは、宮崎謙介個人の行動を問題とするよりも、自民党の新人議員教育の体制・教育方法・教育内容を、どこか間違いはなかったか問題としていることになる。
あるいは講師となっているベテラン議員の講師としての資質を、どこか間違いはなかったか反省点としていることになる。
つまり、新人議員教育対象の115人から宮崎謙介1人を抜いた114人の新人議員教育の成果(少なくとも問題行動を起こしていないという成果)を捨てて、宮崎謙介たった一人の問題行動のために自民党の新人議員教育体制そのものを見直すことにしていることになる。
まるで長年の時間を掛けて試行錯誤と丹精を込めた末にやっと味・品質共に満足のできる果物を栽培することができたのに、その中にたった一つ味・品質共に遥かに劣る果物が混じっていたからと言って、その栽培方法を見直そうとする、合理性も何もない発想と同じで、合理的判断力を欠いているからこそできる自民党の新人議員教育体制の見直しの発想であろう。
このような見直しの発想は合理的判断力の欠如が自民党全体を覆っているいなければ出てこない。全体を覆っているからこそ、萩生田光一にしてもテレビに出演して党内での教育体制の見直しについて発言することができた。
こういった集団が政権を握っている。