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玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。
安倍晋三が唱えたアベノミクスの好循環とは、〈企業業績の改善→投資の拡大・賃金の増加→消費の拡大→企業業績の改善→投資の拡大・賃金の増加→消費の拡大〉と拡大サイクルしていくことだと言う。ところが日銀の異次元の金融緩和が捻り出した株高・円安によって企業が大きく利益を上げていながら、それが賃金上げに反映されなかったために安倍晋三は痺れを切らして、春闘前に経済団体の尻を叩いて賃上げを要請、いわゆる官製春闘を待たなければ、企業利益が賃上げに反映されなかった。但し反映されたのはほんの僅かだったが。
作業命令を与えられると、その行動を自分で計画し、かつ状況を判断して作業を実行することのできるロボットを自律ロボットと言うそうだが、要するにアベノミクスは自力では好循環に向けた自律性を経済活動に与える程の力を持つには至らなかった。
この傾向は第2次安倍政権発足後、約5年10カ月経過していながら、何ら変わっていない。国税庁が10月12日(2018年)、2017年度に決算期を迎えた法人の申告所得総額を公表したとマスコミが伝えていた。国税庁のページにアクセスしてみた。
「平成29事務年度法人税等の申告(課税)事績の概要」(2018年10月)
〈◆申告所得金額の総額は8年連続増加し過去最高
平成29年度における法人税の申告件数は289万6千件で、その申告所得金額の総額は70兆7,677億円、申告税額の総額は12兆4,730億円となり、申告所得金額
の総額については、前年度に比べ7兆2,928億円(11.5%)増加、8年連続の増加となりました。
なお、申告所得金額の総額は、過去最高となりました。
(注)平成29年4月1日から平成30年3月31日までに終了した事業年度に係る申告について、平成30年7月末までに申告があったものを集計しています。〉
「法人の申告所得金額の総額8年連続増加」と言うことは第2次安倍政権発足2年前の民主党政権当時から増加が始まっていたことになる。
いずれにしても前年度比+7兆2,928億円(+11.5%)の申告所得金額総額70兆7,677億円は過去最高額ということになる。
所得金額とは1年間の収入から必要経費を差し引いたものだから、申告所得金額総額70兆7,677億円は法人の利益であり、法人の代表格は企業だから、企業の利益が過去最高と言うことができる。このことは「トヨタやホンダが過去最高益」といった言葉がマスコミ記事に踊っていたことが証明する。
アベノミクスの好循環を言葉通りに受け止めるなら、企業の最高益は勤労者の最高賃金という形で反映されなければならない。
2018年9月28日付「時事ドットコム」記事が、「民間平均給与の推移」を報じている。
民間企業勤労者が2017年の1年間に得た平均給与は前年比+10万6000円(+2.5%)の432万2000円で、5年連続増である上にリーマン・ショック前の2007年に記録した437万2000円に近づいたと伝えている。
リーマン・ショック前の2007年に5万円足りないだけとなった。もしこの年収平均の432万2000円が企業の最近の最高益を反映した勤労者の最高賃金ということなら、まさにアベノミクスの好循環の大いなる恩恵であり、その自律性は評価できる。
上記記事内容の参考元にアクセスしてみた。「平成29年分民間給与実態統計調査結果について」(国税庁企画課/平成30年9月)
リーマン・ショック前の2007年からの年間の給与総額が紹介されていて、2012年までは増減を繰返しているが、2012年から増加に転じて、2015年から男女別の統計となっている。上記「時事ドットコム」記事が取り上げていた2017年の年収平均の432万2000円分についてのみ見てみる。
2017年
男性勤労者 531万5000円
女性勤労者 287万円
計平均 432万2000円
これを正規と非正規別に見てみる。
正規男性 547万5000円
正規女性 376万6000円
計平均 493万7000円
非正規男性 229万4000円
非正規女性 150万8000円
計平均 175万1000円
確かに安倍政権になってから、賃金は僅かずつではあるものの上がってはいるが、この僅かな賃上げにしても、厳然と存在する賃金格差にしても、法人所得過去最高額を反映した金銭状況だと果たして言えるだろうか。アベノミクスの好循環の賜物とすることができるだろうか。
非正規雇用には自分から選択した「自己都合型」と正規の職がないから、仕方なく勤めている「不本意型」が存在するが、「労働力調査(詳細集計)平成29年(2017
年)平均(速報)」(総務省統計局/2018年2月16日)からその割合を見てみる。
男性(非正規の職員・従業員647 万人)
「自分の都合のよい時間に働きたいから」 ••••••• 157 万人(26.6%)と,8万人増加
「正規の職員・従業員の仕事がないから」 ••••••• 134 万人(22.7%)と,13 万人減少
女性(非正規の職員・従業員1389 万人)
「自分の都合のよい時間に働きたいから」 ••••••• 383 万人(29.1%)と,16 万人増加
「家計の補助・学費等を得たいから」 ••••••••• 330 万人(25.0%)と,2万人増加
正規・非正規、男女含めた全体の年収平均がリーマン・ショック前の2007年記録の437万2000円に5万円足りない432万2000円だとしても、また「自己都合型」
の非正規が少なからざる存在したとしても、正規と非正規の賃金格差、男女の賃金格差は余りにも大きい。正規男性と非正規男性とでは年収平均で300万円以上も違う。
この賃金格差は正規と非正規の割合が大体3:2の近接した数で推移していることから考えると、企業側は非正規男女、あるいは正規の女性を多く雇うことで賃金(=人件費)の抑制を図ることができている、あるいは意図的に図っていることが分かる。後者であるなら、賃金抑制の手段として非正規男女や正規の女性の雇用を利用していると言える。
こういった構図にしても、アベノミクスの好循環という経済原理からすると、企業が自らの最高益を勤労者の最高賃金という形で還元しなければならない状況とは相反している。逆に多くの従業員を安価に使うことで、人件費からも利益を得ているとしか見えない。それがアベノミクスの好循環だとしたら、余りにも皮肉な現象と言わざるを得ない。
賃金格差が無視できない状態であるにも関わらず、2018年8月の1世帯(2人以上)当たりの家計支出は2.8%増の29万2481円だと各マスコミが一斉に報じた。主たる支出費目は自動車や猛暑からのエアコンだと伝えている。
勿論、車もエアコンもローンで購入することができるし、総務省は「6、7月支給のボーナスが増額となり、消費を後押しした」と言っているそうだが、ボーナスも含めている年収平均で230万円程度の非正規男性が、あるいは同じく年収平均で150万円程度の非正規女性が合計で30万円近くの支出を1カ月で行うことができるだろうか。
8月の1カ月の家計支出29万余円を主として受け負ったのは年収平均以上の所得に余裕のある家庭であろう。このことは賃金が上がっていながら、物価の伸びの方が大
きい理由から8月の実質賃金が4カ月ぶりに減少したことが証明してくれる。実質賃金の目減りは低所得層程、消費への意欲を欠くことになるからだ。
物価の伸びよりも賃金の伸びが鈍いということも、アベノミクスが自力では好循環に向けた自律性を経済活動に与える程の力を持っていない、あるいはアベノミクスの好循環が自
律的な機能性を欠いている証明としかならない。
また法人所得過去最高額を記録しているものの、企業が都道府県と市町村に納めている地方法人税の人口1人当たりの税収が東京など都市部に偏っていると2018年10月12日付「NHK NEWS WEB」記事が伝えているが、企業利益が勤労者の賃金に反映していないばかりか、アベノミクスは都市と地方の諸格差の是正に全く機能していない。
人口1人当たりの税収が最も多い東京都と最も少ない奈良県で6.1倍の格差だと記事は伝えている。
石田総務相「地方税収は全体としては増えているが、都市と地方の財政の格差は拡大し、地方の疲弊と東京一極集中は限界に来ている。税源の偏在性が小さ
く、税収が安定的な地方税体系の構築は喫緊の課題だ」
「地方税収は全体としては増えている」のは法人所得過去最高額が弾き出した納税によるものだろう。だが、「都市と地方の財政の格差は拡大」、「地方の疲弊と東京一極集中は限界に来ている」とまで言っている。
アベノミクスは企業利益の賃金への正当な反映という好循環に寄与していないばかりか、地方創生を大々的に掲げながらも、都市間へのより平等・公正な経済反映という好循環への寄与さえも欠いている。満身創痍のアベノミクス欠陥にしか見えない。
玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。
安倍晋三が唱えたアベノミクスの好循環とは、〈企業業績の改善→投資の拡大・賃金の増加→消費の拡大→企業業績の改善→投資の拡大・賃金の増加→消費の拡大〉と拡大サイクルしていくことだと言う。ところが日銀の異次元の金融緩和が捻り出した株高・円安によって企業が大きく利益を上げていながら、それが賃金上げに反映されなかったために安倍晋三は痺れを切らして、春闘前に経済団体の尻を叩いて賃上げを要請、いわゆる官製春闘を待たなければ、企業利益が賃上げに反映されなかった。但し反映されたのはほんの僅かだったが。
作業命令を与えられると、その行動を自分で計画し、かつ状況を判断して作業を実行することのできるロボットを自律ロボットと言うそうだが、要するにアベノミクスは自力では好循環に向けた自律性を経済活動に与える程の力を持つには至らなかった。
この傾向は第2次安倍政権発足後、約5年10カ月経過していながら、何ら変わっていない。国税庁が10月12日(2018年)、2017年度に決算期を迎えた法人の申告所得総額を公表したとマスコミが伝えていた。国税庁のページにアクセスしてみた。
「平成29事務年度法人税等の申告(課税)事績の概要」(2018年10月)
〈◆申告所得金額の総額は8年連続増加し過去最高
平成29年度における法人税の申告件数は289万6千件で、その申告所得金額の総額は70兆7,677億円、申告税額の総額は12兆4,730億円となり、申告所得金額
の総額については、前年度に比べ7兆2,928億円(11.5%)増加、8年連続の増加となりました。
なお、申告所得金額の総額は、過去最高となりました。
(注)平成29年4月1日から平成30年3月31日までに終了した事業年度に係る申告について、平成30年7月末までに申告があったものを集計しています。〉
「法人の申告所得金額の総額8年連続増加」と言うことは第2次安倍政権発足2年前の民主党政権当時から増加が始まっていたことになる。
いずれにしても前年度比+7兆2,928億円(+11.5%)の申告所得金額総額70兆7,677億円は過去最高額ということになる。
所得金額とは1年間の収入から必要経費を差し引いたものだから、申告所得金額総額70兆7,677億円は法人の利益であり、法人の代表格は企業だから、企業の利益が過去最高と言うことができる。このことは「トヨタやホンダが過去最高益」といった言葉がマスコミ記事に踊っていたことが証明する。
アベノミクスの好循環を言葉通りに受け止めるなら、企業の最高益は勤労者の最高賃金という形で反映されなければならない。
2018年9月28日付「時事ドットコム」記事が、「民間平均給与の推移」を報じている。
民間企業勤労者が2017年の1年間に得た平均給与は前年比+10万6000円(+2.5%)の432万2000円で、5年連続増である上にリーマン・ショック前の2007年に記録した437万2000円に近づいたと伝えている。
リーマン・ショック前の2007年に5万円足りないだけとなった。もしこの年収平均の432万2000円が企業の最近の最高益を反映した勤労者の最高賃金ということなら、まさにアベノミクスの好循環の大いなる恩恵であり、その自律性は評価できる。
上記記事内容の参考元にアクセスしてみた。「平成29年分民間給与実態統計調査結果について」(国税庁企画課/平成30年9月)
リーマン・ショック前の2007年からの年間の給与総額が紹介されていて、2012年までは増減を繰返しているが、2012年から増加に転じて、2015年から男女別の統計となっている。上記「時事ドットコム」記事が取り上げていた2017年の年収平均の432万2000円分についてのみ見てみる。
2017年
男性勤労者 531万5000円
女性勤労者 287万円
計平均 432万2000円
これを正規と非正規別に見てみる。
正規男性 547万5000円
正規女性 376万6000円
計平均 493万7000円
非正規男性 229万4000円
非正規女性 150万8000円
計平均 175万1000円
確かに安倍政権になってから、賃金は僅かずつではあるものの上がってはいるが、この僅かな賃上げにしても、厳然と存在する賃金格差にしても、法人所得過去最高額を反映した金銭状況だと果たして言えるだろうか。アベノミクスの好循環の賜物とすることができるだろうか。
非正規雇用には自分から選択した「自己都合型」と正規の職がないから、仕方なく勤めている「不本意型」が存在するが、「労働力調査(詳細集計)平成29年(2017
年)平均(速報)」(総務省統計局/2018年2月16日)からその割合を見てみる。
男性(非正規の職員・従業員647 万人)
「自分の都合のよい時間に働きたいから」 ••••••• 157 万人(26.6%)と,8万人増加
「正規の職員・従業員の仕事がないから」 ••••••• 134 万人(22.7%)と,13 万人減少
女性(非正規の職員・従業員1389 万人)
「自分の都合のよい時間に働きたいから」 ••••••• 383 万人(29.1%)と,16 万人増加
「家計の補助・学費等を得たいから」 ••••••••• 330 万人(25.0%)と,2万人増加
正規・非正規、男女含めた全体の年収平均がリーマン・ショック前の2007年記録の437万2000円に5万円足りない432万2000円だとしても、また「自己都合型」
の非正規が少なからざる存在したとしても、正規と非正規の賃金格差、男女の賃金格差は余りにも大きい。正規男性と非正規男性とでは年収平均で300万円以上も違う。
この賃金格差は正規と非正規の割合が大体3:2の近接した数で推移していることから考えると、企業側は非正規男女、あるいは正規の女性を多く雇うことで賃金(=人件費)の抑制を図ることができている、あるいは意図的に図っていることが分かる。後者であるなら、賃金抑制の手段として非正規男女や正規の女性の雇用を利用していると言える。
こういった構図にしても、アベノミクスの好循環という経済原理からすると、企業が自らの最高益を勤労者の最高賃金という形で還元しなければならない状況とは相反している。逆に多くの従業員を安価に使うことで、人件費からも利益を得ているとしか見えない。それがアベノミクスの好循環だとしたら、余りにも皮肉な現象と言わざるを得ない。
賃金格差が無視できない状態であるにも関わらず、2018年8月の1世帯(2人以上)当たりの家計支出は2.8%増の29万2481円だと各マスコミが一斉に報じた。主たる支出費目は自動車や猛暑からのエアコンだと伝えている。
勿論、車もエアコンもローンで購入することができるし、総務省は「6、7月支給のボーナスが増額となり、消費を後押しした」と言っているそうだが、ボーナスも含めている年収平均で230万円程度の非正規男性が、あるいは同じく年収平均で150万円程度の非正規女性が合計で30万円近くの支出を1カ月で行うことができるだろうか。
8月の1カ月の家計支出29万余円を主として受け負ったのは年収平均以上の所得に余裕のある家庭であろう。このことは賃金が上がっていながら、物価の伸びの方が大
きい理由から8月の実質賃金が4カ月ぶりに減少したことが証明してくれる。実質賃金の目減りは低所得層程、消費への意欲を欠くことになるからだ。
物価の伸びよりも賃金の伸びが鈍いということも、アベノミクスが自力では好循環に向けた自律性を経済活動に与える程の力を持っていない、あるいはアベノミクスの好循環が自
律的な機能性を欠いている証明としかならない。
また法人所得過去最高額を記録しているものの、企業が都道府県と市町村に納めている地方法人税の人口1人当たりの税収が東京など都市部に偏っていると2018年10月12日付「NHK NEWS WEB」記事が伝えているが、企業利益が勤労者の賃金に反映していないばかりか、アベノミクスは都市と地方の諸格差の是正に全く機能していない。
人口1人当たりの税収が最も多い東京都と最も少ない奈良県で6.1倍の格差だと記事は伝えている。
石田総務相「地方税収は全体としては増えているが、都市と地方の財政の格差は拡大し、地方の疲弊と東京一極集中は限界に来ている。税源の偏在性が小さ
く、税収が安定的な地方税体系の構築は喫緊の課題だ」
「地方税収は全体としては増えている」のは法人所得過去最高額が弾き出した納税によるものだろう。だが、「都市と地方の財政の格差は拡大」、「地方の疲弊と東京一極集中は限界に来ている」とまで言っている。
アベノミクスは企業利益の賃金への正当な反映という好循環に寄与していないばかりか、地方創生を大々的に掲げながらも、都市間へのより平等・公正な経済反映という好循環への寄与さえも欠いている。満身創痍のアベノミクス欠陥にしか見えない。