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玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。
――加計孝太郎の2018年10月7日記者会見:安倍晋三と加計孝太郎のニセ面会情報を「勇み足」とする説明は一切の整合性を吹き飛ばす――
愛媛県今治市への加計学園獣医学部新設・認可は安倍晋三が長年の友である加計学園理事長加計孝太郎への特別な便宜によって関係行政機関を動かした政治関与(政治権力の私的行使)の産物であったのか、なかったのか、疑惑は解明されていない。
文科省職員の誰かがリークしたのだろう、マスコミや野党が入手・公表した文書が止むを得ず調査した文科省に存在していたことを2017年6月に当時の文科相松野博一が公表、「総理のご意向」、「官邸の最高レベルが言っている」といった政治関与を窺わせる記述自体の存在は事実と確認されたが、発言したとされる当の本人たちが、当然のことだが、発言を否定、疑惑は限りなく黒に近いままに推移することになった。
そして2018年5月21日、中村時広愛媛県知事が参議院から要請のあった加計学園獣医学部新設に関わる文書を提出。2015年3月日付の「獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者等との打ち合わせ会について」と題した文書に、〈加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいとの申し出があり、3月3日、同学園関係者と県との間で打ち合わせ会を行った。〉とあり、加計学園からの報告を記した文書には、〈2/25に理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのコメントあり。〉と記されていた。
勿論、この面会を安倍晋三は否定し、加計孝太郎も否定した。
安倍晋三はかねがね今治市新設の獣医学部の事業主体が加計学園であることを知ったのは内閣府が今治市への獣医学部新設の事業主体を2017年1月4日に公募したことに対して2017年1月10日に加計学園が新設する獣医学部の事業内容書(事業規模や陣容、募集定員数、学部敷地面積、建物数・階数等々)を提出・応募し、それに対して加計学園を事業主体と認めた2017年1月20日の「第27回国家戦略特別区域諮問会議」の場だとの発言を繰返していた。
いわば政治関与の否定だが、長年の友人で、ゴルフや会食を重ねている加計学園理事長の加計孝太郎が獣医学部新設に向けて動いているのを知らなかったというのは余りにも不自然だと却って疑惑を深めることになったが、そこは安倍晋三、ああ言えば、こう言うで、晴らすことはできないままに疑惑の状態に収めていることには成功している。
中村愛媛県知事が参議院に愛媛県の新文書を提出した5月21日から4日後の5月26日に加計学園は上記面談を否定するコメントをファクスで報道各社に送付している。〈当時は、獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探しておりました。そのような状況の中で、構造改革特区から国家戦略特区を用いた申請に切り替えれば、活路が見いだせるのではないかとの考えから、当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と(今治)市に誤った情報を与えてしまったように思うとのことでした。〉
要するに安倍晋三と加計孝太郎との面会はニセ情報で、愛媛県と今治市にその情報をデッチ上げ、流したのは一時停滞していた獣医学部新設に向けた動きに活路を見い出すためだと、ニセ面談情報考案の理由と目的を記している。
そしてこのコメント公表の5日後の5月31日に加計学園事務局長渡邉良人が愛媛県庁を訪問、ニセ面会情報を考えつき、流布したのは3年前のことだからよく覚えていないが、「多分、自分が言ったんだろうというふうに思います」と記憶を曖昧としながらも、ニセ面会情報考案と流布の張本人であることを認め、謝罪した。
この加計学園事務局長渡邉良人の5月31日愛媛県庁訪問・謝罪の前日5月30日、立憲民主党と国民民主党の国会議員が加計学園加計孝太郎に対して加計学園が5月26日に愛媛県の内部文書に記載されている安倍晋三との面談を否定するコメントを発表した経緯の説明などを求める質問状を提出。質問状に対して加計孝太郎は6月4日付でファックスで回答。
〈学内で検討した結果、事実関係を公表すべきとの考えに至った。国家戦略特区を用いた申請に切り替えれば活路が見いだせるとの考えから、実際にはなかった安倍総理大臣との面会や会食を引き合いに出し、愛媛県などに誤った情報を与えてしまったことについて、深くおわび申し上げます。〉(NHK NEWS WEB)
5月26日の加計学園の面会否定コメントとほぼ同じ内容、同じ趣旨だが、加計学園はこの線で一件落着を謀ったのだろう。ところが、2018年5月29日に中村愛媛県知事が「これだけの問題なら最高責任者が説明するのが当然。それが学園の信頼を確保することになる」、あるいは「一般論として、偽りなら謝罪、説明し、責任者が記者会見するのが世の中の常識」と加計孝太郎本人の県への説明や記者会見での説明を求めた。
ファクスを使ったコメント程度で一件落着を謀る性根にカチンときたのかもしれない。対して加計孝太郎は中村愛媛県知事の要求から3週間近くも経過した6月19日になって突如として記者会見を開いた。但し地元記者限定の記者会見だったという。
地元記者限定からは逃げている姿勢、あるいは問題紛糾を恐れる姿勢しか窺うことができない。記者の一人が加計孝太郎が安倍晋三と共に面会を否定していることについてとニセ面会情報は指示を受けて行ったことなのかを質問した。
加計孝太郎「それはまあ、記録を調べさせて頂きましたところ、私の方は3年も前のことでございますので、記憶にもございませんですし、記録にもありませんでした。
そしてまたもう一つのご質問でありますけれども、担当者が、あー、そこ、そのようなことを言ったという誤解をいうようなことを言ったことにつきましては、ま、事を前に進めようとして言ったんだということの報告は受けております」
安倍晋三との面会は「記憶にもないし、記録にもない」と否定、加計学園事務局長の渡邊良人のニセ面会情報の考案と流布は、要するに指示はしていない、単独犯行だとした。そして「事を前に進める」ことが動機(直接の原因)だと明かした。5月26日のコメントでは「活路を見い出す」ためを動機としていた。
本質的には趣旨を同じくした動機となるが、動機は動機でしかない。動機は常に自らが利益とする一定の目的を持ち、その目的達成=利益達成を得て初めて動機は自身にとっての正当性を刻印付けることができる。
要するにニセ面会情報を用いて「事を前に進める」ためには、あるいは「活路を見い出す」ためには、そのニセ面会情報が最終的に生きる相手にまで流布させ、刷り込ませなければ、動機を目的達成にも利益達成にもリンクさせる端緒とはならない。
ニセ面会情報が加計学園にとって最終的に生きる相手とは獣医学部認可に権限を持つ関係省庁・関係機関のいずれかか、これらの部署に影響力を行使し得る有力政治家、例えば安倍晋三であって、獣医学部認可に何の権限も持たない愛媛県や今治市はニセ面会情報が最終的に生きる相手とはなり得ない。
ところが、加計学園側の説明ではニセ面会情報の流布・刷り込みは獣医学部認可に何の権限も持たない愛媛県と今治市止まりとなっていて、その先の獣医学部認可に何らかの権限を持つ関係部署へのニセ面会情報を用いた獣医学部新設・認可の働きかけについては一切触れていない。
となると、何のためのわざわざ捏造したニセ面会情報だったのか、その不徹底さだけが浮かんでくる。仮にも天下の首相を相手にニセ面会情報をデッチ上げるという大胆不敵なことを仕出かしたのである。ニセ面会情報が最終的に生きる相手に流布し、刷り込み、目的を達成し、最大限の利益を得てこそ、大胆不敵な捏造は徹底した一貫性を見い出し得る。
要するに加計学園側が愛媛県と今治市止まりではなく、その先の獣医学部新設・認可の権限を持つ関係部署へのニセ面会情報の流布・刷り込みについて触れないのは隠しているからであって、このことを以って2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎の面会否定は事実ではない、面会が事実だと何度かブログに書いてきた。
だが、この推測が些かピント外れであることが2018年7月11日、愛媛県議会が加計学園に対して対外的な説明責任を果たすよう求める決議を自民系会派を含む全会一致で採択したことを受けて、直ちに行動に移すのは慌てているように取られる恐れからだろう、約3カ月後の2018年10月7日になって開いた加計孝太郎の記者会見発言を「朝日新聞デジタル」2018年10月7日21時33分)記事で見て分かった。
加計孝太郎「獣医学部は、父親の代からの長年の悲願。私の代になってからも、文科省との接触、交渉をしてきた。そうした中で、私どもの常務(=学園の常務理事で事務局長の渡辺良人氏)がたまたま四国の今治市の出身で、彼が今治に戻ってきたときに、昔からの竹馬の友と酒を飲み交わし、ぜひとも今治を活性化したい、と強い希望を話したそうだ。今治を活性化するにはやはり、学園に出てきていただきたいとの要望があったそうだ。
岡山に持ち帰り、(学園の)幹部会で検討した結果、やはり父の代からの悲願だった獣医学部を設立してはどうかということになり、獣医学部を前進させようということが決まった。
私ども、県、今治市と三者一体となってやってきたが、ハードルが高く、前に進むことができないような状態だった。そういった中で、構造改革特区というのが出てきて、申請したらどうかということになり、10年にわたって15回、申請を出したけれども、5年経っても、7年経っても、10年経ってもなかなか事が前に進まない。
そのうちに県の職員の方々も、市の職員の方々も、これはいくらやっても壁が厚くてできないんじゃないか、と暗いムードが漂った。県の協力も得られないし、市の協力も得られないということで、私ども一人では到底できるわけではないので、そういう中で(渡辺)常務(理事)が勇み足をしたと言うか、事を前に進めるために、あのような誤解を招くようなことを申し上げた。本人は大変反省しており、学園全体として心からおわびを申し上げたい。
県から指摘があったように、コンプライアンスまたはガバナンスについては、これからはきちっと守っていき、県と市とも連絡を密に取りながら、前へ前へと進んで参りたい」――
要するに愛媛県と今治市の協力を引き続き得るためにニセ面会情報をデッチ上げて県と市に流し、信じ込ませたことになる。それが動機だった。ニセ面会情報を県と市が信じ込んで一生懸命国に対して働きかけたなら、獣医学部の新設・認可に向けて動き出すかもしれない。結果、獣医学部の新設・認可が実現できたなら、目的達成も利益達成も適う。
このような考えのもとにニセ面会情報の流布・刷り込みを考えたとしたら、それが愛媛県と今治市止まりだったとしても、正当性あることになる。
少なくともニセ面会情報をデッチ上げた渡邉事務局長は安倍晋三と加計光太郎が親友であることを利用、安倍晋三の力に頼って、裏から手を回す策を信じ込ませることで県と市を動かそうとしたことになる。
対して愛媛県と今治市は2015年2月25日に安倍晋三・加計孝太郎が面会、獣医学部のことも話し合ったというニセ面会情報を聞かされ、これなら脈があるぞ、獣医学部新設・認可も夢ではないぞと希望を膨らませ、いわば裏から手を回す策を信じ、安倍晋三の助力に期待をかけて自分たちも従来以上に加計学園に協力して希望実現に邁進しなければならないと奮い立った。
かくこのようにニセ面会情報は愛媛県と今治市を動かすのに役立った。愛媛県と今治市は加計学園の渡邉事務局長と共に2015年4月2日に内閣府で国家戦略特区担当の当時地方創生推進室次長だった藤原豊と面会し、獣医学部親切に向けて協力をお願いしたことも、そのあと首相官邸を訪れて柳瀬唯夫と面会、同じく協力をお願いしたことも、ニセ面会情報に乗せられて安倍晋三が裏から手を回してくれたお陰だと信じてしていたことになる。
では、これらの面会での遣り取りを愛媛県職員が記録した文書に書いてある、〈柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00 本件は、首相案件となっており、何とか実現したいと考えているので〉といった文言は、柳瀬唯夫自身は言っていないと否定しているが、安倍晋三が裏から手を回したことと完璧に整合性を取ることができるのに対してニセ面会情報が事実であるなら、整合性が崩れることになって、矛盾が生じる。
整合性があるのかないのか、加計孝太郎が今回の記者会見でニセ面会情報のデッチ上げと愛媛県と今治市への流布・刷り込みは当時の加計学園事務局長渡邊良人が「勇み足をした」と説明している、その言葉から判断してみる。
「goo国語辞書」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
1 相撲で、相手を土俵際に追いつめながら、勢いあまって自分から先に足を土俵の外に踏み出すこと。
2 調子づいて、やりすぎたり、仕損じたりすること。「新任役員の勇み足の失言」――
つまり当初意図していた予想に反して意図しない予想外の結果を招いたことを「勇み足」と言う。
だが、ニセ面会情報は「事を前に進める」ため、あるいは「活路を見い出す」ためという意図した動機に基づいてデッチ上げ、流布・刷り込みが行われている。そして意図した動機どおりに獣医学部新設と認可という目的と利益を達成している。大体が意図や目的を秘めた動機を持たないニセ面会情報などあり得ない。
にも関わらず、ニセ面会情報のデッチ上げを「勇み足」だとする。「勇み足」だとしなければ、安倍晋三が裏から手を回したとすることによって完璧に合致させることができる整合性を崩すことになるからだろう。
要するに愛媛県と今治市の協力を引き続き得るためにニセ面会情報をデッチ上げて県と市に流し、信じ込ませたとしていることもニセ情報であって、2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎との15分程度の面会をニセ面会情報などではなく、真正な事実としなければ、一切の整合性は吹き飛んでしまう。
30年来の親友加計孝太郎の夢だった獣医学部の新設と認可は安倍晋三が裏から手を回した政治関与(政治権力の私的行使)の産物だとすることによって全ての整合性が獲得可能となる。
ウソをうまくついたと思っても、ウソであることはどこからか漏れる。ニセ面会情報のデッチ上げと流布・刷り込みを「勇み足」だとしたことが逆にニセ面会情報がウソであることを物語ることになっている。
玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。
――加計孝太郎の2018年10月7日記者会見:安倍晋三と加計孝太郎のニセ面会情報を「勇み足」とする説明は一切の整合性を吹き飛ばす――
愛媛県今治市への加計学園獣医学部新設・認可は安倍晋三が長年の友である加計学園理事長加計孝太郎への特別な便宜によって関係行政機関を動かした政治関与(政治権力の私的行使)の産物であったのか、なかったのか、疑惑は解明されていない。
文科省職員の誰かがリークしたのだろう、マスコミや野党が入手・公表した文書が止むを得ず調査した文科省に存在していたことを2017年6月に当時の文科相松野博一が公表、「総理のご意向」、「官邸の最高レベルが言っている」といった政治関与を窺わせる記述自体の存在は事実と確認されたが、発言したとされる当の本人たちが、当然のことだが、発言を否定、疑惑は限りなく黒に近いままに推移することになった。
そして2018年5月21日、中村時広愛媛県知事が参議院から要請のあった加計学園獣医学部新設に関わる文書を提出。2015年3月日付の「獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者等との打ち合わせ会について」と題した文書に、〈加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいとの申し出があり、3月3日、同学園関係者と県との間で打ち合わせ会を行った。〉とあり、加計学園からの報告を記した文書には、〈2/25に理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのコメントあり。〉と記されていた。
勿論、この面会を安倍晋三は否定し、加計孝太郎も否定した。
安倍晋三はかねがね今治市新設の獣医学部の事業主体が加計学園であることを知ったのは内閣府が今治市への獣医学部新設の事業主体を2017年1月4日に公募したことに対して2017年1月10日に加計学園が新設する獣医学部の事業内容書(事業規模や陣容、募集定員数、学部敷地面積、建物数・階数等々)を提出・応募し、それに対して加計学園を事業主体と認めた2017年1月20日の「第27回国家戦略特別区域諮問会議」の場だとの発言を繰返していた。
いわば政治関与の否定だが、長年の友人で、ゴルフや会食を重ねている加計学園理事長の加計孝太郎が獣医学部新設に向けて動いているのを知らなかったというのは余りにも不自然だと却って疑惑を深めることになったが、そこは安倍晋三、ああ言えば、こう言うで、晴らすことはできないままに疑惑の状態に収めていることには成功している。
中村愛媛県知事が参議院に愛媛県の新文書を提出した5月21日から4日後の5月26日に加計学園は上記面談を否定するコメントをファクスで報道各社に送付している。〈当時は、獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探しておりました。そのような状況の中で、構造改革特区から国家戦略特区を用いた申請に切り替えれば、活路が見いだせるのではないかとの考えから、当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と(今治)市に誤った情報を与えてしまったように思うとのことでした。〉
要するに安倍晋三と加計孝太郎との面会はニセ情報で、愛媛県と今治市にその情報をデッチ上げ、流したのは一時停滞していた獣医学部新設に向けた動きに活路を見い出すためだと、ニセ面談情報考案の理由と目的を記している。
そしてこのコメント公表の5日後の5月31日に加計学園事務局長渡邉良人が愛媛県庁を訪問、ニセ面会情報を考えつき、流布したのは3年前のことだからよく覚えていないが、「多分、自分が言ったんだろうというふうに思います」と記憶を曖昧としながらも、ニセ面会情報考案と流布の張本人であることを認め、謝罪した。
この加計学園事務局長渡邉良人の5月31日愛媛県庁訪問・謝罪の前日5月30日、立憲民主党と国民民主党の国会議員が加計学園加計孝太郎に対して加計学園が5月26日に愛媛県の内部文書に記載されている安倍晋三との面談を否定するコメントを発表した経緯の説明などを求める質問状を提出。質問状に対して加計孝太郎は6月4日付でファックスで回答。
〈学内で検討した結果、事実関係を公表すべきとの考えに至った。国家戦略特区を用いた申請に切り替えれば活路が見いだせるとの考えから、実際にはなかった安倍総理大臣との面会や会食を引き合いに出し、愛媛県などに誤った情報を与えてしまったことについて、深くおわび申し上げます。〉(NHK NEWS WEB)
5月26日の加計学園の面会否定コメントとほぼ同じ内容、同じ趣旨だが、加計学園はこの線で一件落着を謀ったのだろう。ところが、2018年5月29日に中村愛媛県知事が「これだけの問題なら最高責任者が説明するのが当然。それが学園の信頼を確保することになる」、あるいは「一般論として、偽りなら謝罪、説明し、責任者が記者会見するのが世の中の常識」と加計孝太郎本人の県への説明や記者会見での説明を求めた。
ファクスを使ったコメント程度で一件落着を謀る性根にカチンときたのかもしれない。対して加計孝太郎は中村愛媛県知事の要求から3週間近くも経過した6月19日になって突如として記者会見を開いた。但し地元記者限定の記者会見だったという。
地元記者限定からは逃げている姿勢、あるいは問題紛糾を恐れる姿勢しか窺うことができない。記者の一人が加計孝太郎が安倍晋三と共に面会を否定していることについてとニセ面会情報は指示を受けて行ったことなのかを質問した。
加計孝太郎「それはまあ、記録を調べさせて頂きましたところ、私の方は3年も前のことでございますので、記憶にもございませんですし、記録にもありませんでした。
そしてまたもう一つのご質問でありますけれども、担当者が、あー、そこ、そのようなことを言ったという誤解をいうようなことを言ったことにつきましては、ま、事を前に進めようとして言ったんだということの報告は受けております」
安倍晋三との面会は「記憶にもないし、記録にもない」と否定、加計学園事務局長の渡邊良人のニセ面会情報の考案と流布は、要するに指示はしていない、単独犯行だとした。そして「事を前に進める」ことが動機(直接の原因)だと明かした。5月26日のコメントでは「活路を見い出す」ためを動機としていた。
本質的には趣旨を同じくした動機となるが、動機は動機でしかない。動機は常に自らが利益とする一定の目的を持ち、その目的達成=利益達成を得て初めて動機は自身にとっての正当性を刻印付けることができる。
要するにニセ面会情報を用いて「事を前に進める」ためには、あるいは「活路を見い出す」ためには、そのニセ面会情報が最終的に生きる相手にまで流布させ、刷り込ませなければ、動機を目的達成にも利益達成にもリンクさせる端緒とはならない。
ニセ面会情報が加計学園にとって最終的に生きる相手とは獣医学部認可に権限を持つ関係省庁・関係機関のいずれかか、これらの部署に影響力を行使し得る有力政治家、例えば安倍晋三であって、獣医学部認可に何の権限も持たない愛媛県や今治市はニセ面会情報が最終的に生きる相手とはなり得ない。
ところが、加計学園側の説明ではニセ面会情報の流布・刷り込みは獣医学部認可に何の権限も持たない愛媛県と今治市止まりとなっていて、その先の獣医学部認可に何らかの権限を持つ関係部署へのニセ面会情報を用いた獣医学部新設・認可の働きかけについては一切触れていない。
となると、何のためのわざわざ捏造したニセ面会情報だったのか、その不徹底さだけが浮かんでくる。仮にも天下の首相を相手にニセ面会情報をデッチ上げるという大胆不敵なことを仕出かしたのである。ニセ面会情報が最終的に生きる相手に流布し、刷り込み、目的を達成し、最大限の利益を得てこそ、大胆不敵な捏造は徹底した一貫性を見い出し得る。
要するに加計学園側が愛媛県と今治市止まりではなく、その先の獣医学部新設・認可の権限を持つ関係部署へのニセ面会情報の流布・刷り込みについて触れないのは隠しているからであって、このことを以って2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎の面会否定は事実ではない、面会が事実だと何度かブログに書いてきた。
だが、この推測が些かピント外れであることが2018年7月11日、愛媛県議会が加計学園に対して対外的な説明責任を果たすよう求める決議を自民系会派を含む全会一致で採択したことを受けて、直ちに行動に移すのは慌てているように取られる恐れからだろう、約3カ月後の2018年10月7日になって開いた加計孝太郎の記者会見発言を「朝日新聞デジタル」2018年10月7日21時33分)記事で見て分かった。
加計孝太郎「獣医学部は、父親の代からの長年の悲願。私の代になってからも、文科省との接触、交渉をしてきた。そうした中で、私どもの常務(=学園の常務理事で事務局長の渡辺良人氏)がたまたま四国の今治市の出身で、彼が今治に戻ってきたときに、昔からの竹馬の友と酒を飲み交わし、ぜひとも今治を活性化したい、と強い希望を話したそうだ。今治を活性化するにはやはり、学園に出てきていただきたいとの要望があったそうだ。
岡山に持ち帰り、(学園の)幹部会で検討した結果、やはり父の代からの悲願だった獣医学部を設立してはどうかということになり、獣医学部を前進させようということが決まった。
私ども、県、今治市と三者一体となってやってきたが、ハードルが高く、前に進むことができないような状態だった。そういった中で、構造改革特区というのが出てきて、申請したらどうかということになり、10年にわたって15回、申請を出したけれども、5年経っても、7年経っても、10年経ってもなかなか事が前に進まない。
そのうちに県の職員の方々も、市の職員の方々も、これはいくらやっても壁が厚くてできないんじゃないか、と暗いムードが漂った。県の協力も得られないし、市の協力も得られないということで、私ども一人では到底できるわけではないので、そういう中で(渡辺)常務(理事)が勇み足をしたと言うか、事を前に進めるために、あのような誤解を招くようなことを申し上げた。本人は大変反省しており、学園全体として心からおわびを申し上げたい。
県から指摘があったように、コンプライアンスまたはガバナンスについては、これからはきちっと守っていき、県と市とも連絡を密に取りながら、前へ前へと進んで参りたい」――
要するに愛媛県と今治市の協力を引き続き得るためにニセ面会情報をデッチ上げて県と市に流し、信じ込ませたことになる。それが動機だった。ニセ面会情報を県と市が信じ込んで一生懸命国に対して働きかけたなら、獣医学部の新設・認可に向けて動き出すかもしれない。結果、獣医学部の新設・認可が実現できたなら、目的達成も利益達成も適う。
このような考えのもとにニセ面会情報の流布・刷り込みを考えたとしたら、それが愛媛県と今治市止まりだったとしても、正当性あることになる。
少なくともニセ面会情報をデッチ上げた渡邉事務局長は安倍晋三と加計光太郎が親友であることを利用、安倍晋三の力に頼って、裏から手を回す策を信じ込ませることで県と市を動かそうとしたことになる。
対して愛媛県と今治市は2015年2月25日に安倍晋三・加計孝太郎が面会、獣医学部のことも話し合ったというニセ面会情報を聞かされ、これなら脈があるぞ、獣医学部新設・認可も夢ではないぞと希望を膨らませ、いわば裏から手を回す策を信じ、安倍晋三の助力に期待をかけて自分たちも従来以上に加計学園に協力して希望実現に邁進しなければならないと奮い立った。
かくこのようにニセ面会情報は愛媛県と今治市を動かすのに役立った。愛媛県と今治市は加計学園の渡邉事務局長と共に2015年4月2日に内閣府で国家戦略特区担当の当時地方創生推進室次長だった藤原豊と面会し、獣医学部親切に向けて協力をお願いしたことも、そのあと首相官邸を訪れて柳瀬唯夫と面会、同じく協力をお願いしたことも、ニセ面会情報に乗せられて安倍晋三が裏から手を回してくれたお陰だと信じてしていたことになる。
では、これらの面会での遣り取りを愛媛県職員が記録した文書に書いてある、〈柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00 本件は、首相案件となっており、何とか実現したいと考えているので〉といった文言は、柳瀬唯夫自身は言っていないと否定しているが、安倍晋三が裏から手を回したことと完璧に整合性を取ることができるのに対してニセ面会情報が事実であるなら、整合性が崩れることになって、矛盾が生じる。
整合性があるのかないのか、加計孝太郎が今回の記者会見でニセ面会情報のデッチ上げと愛媛県と今治市への流布・刷り込みは当時の加計学園事務局長渡邊良人が「勇み足をした」と説明している、その言葉から判断してみる。
「goo国語辞書」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
1 相撲で、相手を土俵際に追いつめながら、勢いあまって自分から先に足を土俵の外に踏み出すこと。
2 調子づいて、やりすぎたり、仕損じたりすること。「新任役員の勇み足の失言」――
つまり当初意図していた予想に反して意図しない予想外の結果を招いたことを「勇み足」と言う。
だが、ニセ面会情報は「事を前に進める」ため、あるいは「活路を見い出す」ためという意図した動機に基づいてデッチ上げ、流布・刷り込みが行われている。そして意図した動機どおりに獣医学部新設と認可という目的と利益を達成している。大体が意図や目的を秘めた動機を持たないニセ面会情報などあり得ない。
にも関わらず、ニセ面会情報のデッチ上げを「勇み足」だとする。「勇み足」だとしなければ、安倍晋三が裏から手を回したとすることによって完璧に合致させることができる整合性を崩すことになるからだろう。
要するに愛媛県と今治市の協力を引き続き得るためにニセ面会情報をデッチ上げて県と市に流し、信じ込ませたとしていることもニセ情報であって、2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎との15分程度の面会をニセ面会情報などではなく、真正な事実としなければ、一切の整合性は吹き飛んでしまう。
30年来の親友加計孝太郎の夢だった獣医学部の新設と認可は安倍晋三が裏から手を回した政治関与(政治権力の私的行使)の産物だとすることによって全ての整合性が獲得可能となる。
ウソをうまくついたと思っても、ウソであることはどこからか漏れる。ニセ面会情報のデッチ上げと流布・刷り込みを「勇み足」だとしたことが逆にニセ面会情報がウソであることを物語ることになっている。