靖国参拝は国家優先・国民従属の関係性を内包/韓国の対抗措置・挑発としての竹島上陸と文在寅の竹島警備隊激励か

2018-10-26 11:14:11 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 超党派の国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の衆参両院の国会議員71人が10月18日、秋の例大祭に合わせて午前8時に靖国神社本殿に昇殿、揃って参拝をしたと2018年10月18日付「NHK NEWS WEB」記事が伝えていた。

 記事を読むと、この超党派国会議員団は秋の例大祭だけではなく、春の例大祭と8月15日の「終戦の日」の参拝も年中行事化させていることが分かる。安倍内閣からは衛藤総理大臣補佐官や高鳥農林水産副大臣、山田防衛政務官らが参拝したが、この記事では触れていないが、今回は閣僚からは一人も参加しなかったということで、安倍晋三による10月25日の訪中、習近平国家主席との首脳会談を控えて波風を立てないための配慮だと別の記事が伝えていた。

 このような安倍晋三の配慮は状況の変化に応じて行動する日和見主義・機会主義を発端としていて、決して決定事項としたわけではなく、来年の春の例大祭にはまたぞろ国会議員も参加することになるに違いない。

 靖国神社参拝での「国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して哀悼の誠を捧げる」云々の英霊に対する称揚と哀悼は戦前日本国家と国民の関係性を理想としているからこそ発露される精神性であって、当然、参拝は戦前日本国家を理想の国家像とした靖国神社を舞台とした、日本国家に対する称揚の儀式でもあり、このような儀式を政治の次元で重要としているのはそのような理想の国家像を戦後日本国家に連続させたいと欲しているからに他ならないといったことをブログに常々書いてきた。

 戦前日本国家を理想の国家像とする精神性なくして英霊に対して「国のために戦った」とする称揚の精神性は発揮されることはない。

 また、戦前の日本に於いては古墳時代や飛鳥時代の昔から世俗権力者たちが天皇に絶対的独裁権力を纏わせて、天皇の名に於いてその独裁権力を揮うことで実質的な国民統治装置としてきた権力の二重構造を歴史としてきた。

 江戸時代に於いても天皇を頭に戴いて徳川幕府が独裁的な国家権力を実質的に握ってきたように明治の時代に於いても同じ権力構造を引き継いで薩長政府が、後には軍部が実質的な国家権力母体となって独裁的権力を揮ってきた。

 勿論のこと、独裁性を纏った国家権力は国家優先・国民従属を構造的に内包している。国民優先・国家従属の独裁性は有り得べからざる逆説性を描くことになって、独裁性の破綻そのものを物語ることになる。

 にも関わらず、そのような独裁性を纏った戦前日本国家を今の政治家たちが理想の国家像とする精神性を宿している。当人たちがどう否定しようと、その精神性に国家優先・国民従属の関係性を内包しているからであって、内包している国家優先・国民従属の関係性が理想の国家像とする戦前日本国家の国家優先・国民従属の関係性と呼応させているからに他ならない。

 いわば靖国参拝は戦前日本国家が内包させていた国家優先・国民従属の関係性と自らが内包させている同じ構造の関係性を呼応させる儀式でもあり、であるからこそ、靖国神社を舞台として戦前日本国家を理想の国家像とした称揚の儀式ともし得る。

 このように戦前日本国家を理想の国家像とする精神性が「教育勅語」にも反映されて、それが独裁性を纏わせた天皇への奉仕に役立たせるための道徳規範でありながら、靖国参拝をする政治家たちに現代にも通じる道徳的な価値観だからと道徳教育への教材としたい欲求を疼かせ、戦前と戦後に連続性を持たせたい願望を働かすことになる。

 このような「教育勅語」への肯定的態度にしても、自らが内包させている国家優先・国民従属の関係性と戦前日本国家が内包させていた同じ構造の関係性とを呼応させているからに他ならない。

 国家と国民の在り様に於いて国家優先・国民従属の関係性を内包させているからこそ、靖国神社を参拝して、「国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して哀悼の誠を捧げる」云々の英霊に対する称揚と哀悼が可能となる。戦前日本の戦争を侵略戦争だと否定的に捉えていたなら、「国のために戦った」と称揚することなどできない相談で、「国の犠牲になった」と悼み、この文脈での戦死者に対する哀悼となる。
 
 日本の超党派の国会議員71人が雁首を揃えて秋季例大祭の靖国神社に参拝したのは10月18日。その4日後の10月22日に韓国の超党派の国会議員13人が2018年10月22日に日本が領有権主張する島根県の竹島に上陸、韓国国旗と横断幕を掲げて韓国領土であることをアピール、駐留する警備隊員を激励したと「NHK NEWS WEB」記事が伝えていた。

 〈上陸した議員の1人は写真をフェイスブックで公開し、目的について「日本を糾弾し、正しい歴史認識を広めるための訪問だ。韓国の土地だということを世界に示さなければならない」〉と書かれていたという。

日本の超党派国会議員の靖国参拝に対して韓国の超党派国会議員の竹島上陸、その目的を「日本を糾弾し、正しい歴史認識を広めるための訪問だ」としている。前者に対する後者による目には目の挑発的な対抗措置であることは明らかである。

 韓国の超党派国会議員の竹島上陸10月22日から3日後の10月22日に韓国大統領の文在寅がソウル市内で行われた「警察の日」記念式典で演説し、「本日は『独島(島根県竹島の韓国名)の日』でもある。わが領土の最東端を守っている慶尚北道地方警察庁の『独島警備隊』の皆さんに格別の激励のあいさつを送る」と述べたと2018年10月25日付「時事ドットコム」記事が伝えている。

 記事は、〈「独島の日」は民間団体が定めた記念日で、慶尚北道の議会は条例で毎年10月を「独島の月」に制定している。〉と解説している。つまり韓国国家が決めた記念日でないにも関わらず、韓国大統領が「本日は『独島の日』」だとして、この日に関連付けて独島警備隊に対して「格別の激励のあいさつ」を送った。

 もし日本の超党派国会議員による71人もの大々的な靖国参拝がなかったなら、韓国大統領は国家が決めた記念日でないにも関わらず、「独島の日」に因んだ「格別の激励のあいさつ」を独島警備隊に送るだろうか。この「格別の激励のあいさつ」にしても、日本の超党派国会議員の靖国参拝に対する韓国側の目には目の挑発的な対抗措置、いわば韓国の歴史認識に対する日本側の歴史認識に立った土足で踏み込むような傍若無人な振舞いに韓国側が自らの歴史認識に立った挑発行為で日本側の歴史認識に応じたとしか見えない。

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