日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

仮設住宅に、太陽光発電を

2011-04-17 07:51:09 | アラカルト
「東日本大震災」で被災された方々の、仮設住宅への入居が一部始まった。
仮設住宅への入居と言っても、宝くじに当たるほどの高倍率だと聞く。
そのため、県外などの公営住宅などへ移転する被災者の方も少なくないようだ。

一方、今回の被災地地域が広範囲ということもあり、作られる仮設住宅もこれまでにないほどの規模になりそうだ。
「だからこそ!」と考えるのは、仮設住宅に「太陽光発電」の設置だ。
被災された方々は、「電力のない不便さ」というコトを実感していらっしゃることだろう。
しかしながら、東京電力「福島第一原子力発電所事故」が発生したこともあり、「電力の在り方」というコトも、イロイロ考えていらっしゃるのでは無いだろうか?

とすれば、仮設住宅に住まれる方々の生活総てを「自然エネルギー」で賄うことができなくても、生活で消費する電力の一部でも「自然エネルギー」で賄うようになれば、随分と気持ちが変わるのでは無いだろうか?
何より、「長期に渡る健康被害リスク」というストレスと向き合うコトが減るはずだ。おう
東北という、厳しい自然環境ということを考えると「太陽光発電」は現実的なモノでは無いのかも知れないし、「仮設住宅なのだから、そこまで必要ない」という考えもあると思う。

ただ、「新しい生活のスタート」と考えれば、そのような「自然エネルギーと生活する」ということを考えるトライアル期間だと言う考え方もあるのでは。
何も、一般住宅向けの「恒久的太陽光発電」を設置する必要は無いと思う。
簡易型の「太陽光発電パネル」で、充分だと思う。
むしろ、様々な状況に合わせて使える「太陽光発電システム」の開発のキッカケとなれば、日本の持っている「太陽光発電システム」全体を、世界に進出となるのでは?

例えばサンヨーの「エネループ・ソーラー」などは、自社の充電式乾電池への電源として開発されている。
何よりも、まだ装置としては小型のものだ。
それを、「蓄電システム」へと発展させるコトはできないだろうか?
もちろん「仮設住宅」建設は、今目の前にある問題だ。
「そんな研究開発など、待っていられない」ということもわかる。
だからこそ、このような研究開発をしている企業は、企業の大小を問わずに一気に研究開発を進めて欲しいと考える。
なぜなら、元々この「太陽光発電」などの事業分野では、日本は世界をリードしてきたのだ。

建築後でも構わないから、「太陽光発電」を仮設住宅の標準と考えて欲しいと考えている。


政令化の前に、設置の見直しなんじゃ・・・自動販売機の消費電力

2011-04-16 12:55:45 | ビジネス
東京都知事4選を決めた石原さんが、また吼えている。
「パチンコと自動販売機は、電力の無駄遣い」というコトらしい。

確かに、ネオン輝き店内きらびやかなパチンコ店は、相当電力を使っているかもしれない。
そして自販機もその台数の多さを考えれば、相当なモノだろう。
気になって、調べてみた。

「電気設備の知識と技術HP」自動販売機の消費電力

自動販売機という特性から考えると、24時間・365日保冷・保温状態にしておかなくてはいけないため、統計を取った当時の全国台数で原子力発電施設1施設分を年間で消費しているとすれば、石原さんが吼えるのも当然かもしれない(今回、参考として上げられているのが「福島第一・第二原発」というのは、偶然だと思うのだが・・・象徴的な印象がある)。
それだけではなく、1日あたり60本程度の売上がないと利益の確保が難しいようだ。

とすれば、街中に溢れる自動販売機(多くは、飲料水の自販機)の内、どれだけ利益確保ができているのだろうか?と、疑問に思ったのだ。
確かに、飲料水の自動販売機には、それぞれの飲料水メーカーのモノが入っている。
間違っても、キリン系の自販機の中にコカコーラ系の飲料水は入っていない。
当然のことながら、飲料水メーカー分の自販機が街中に設置される。
ある程度の台数を置かないと、売れないのだから仕方ないと思う。
思うのだが、果たしてどれだけの自販機が利益確保ができているのだろうか?という点が、見落とされているのでは?という気もするのだ。

というのも、街中にある自販機の中には「こんなところで、誰か買うの?」と思うようなところに設置されていたり、各社の自販機が幾つも並んでいる場所などが多いからだ。
もちろん、各社の自販機が並ぶことで、利用者は選べるというメリットがある。
ただ、それだけ並んでいても1日あたり60本以上を売り上げる自販機が、どれくらいあるのだろうか?
実は私が、購入現場を見ていないだけでその実、堅実に売上を伸ばしているのかも知れない。
それでも、「そんなに必要?」と思ってしまうのだ。

何となくだが、「節電の一環として自販機の規制」をするよりも、まず「採算ベース」という視点で設置場所を見直ほうが先のような気がするのだ。
もしくは、複数の飲料水メーカーの飲料水を1台にまとめて、台数全体を減らすなどの「業界全体での見直し」を優先させた方が、業界としてもプラスが多いとおもうのだ。

「義援金」支払いを「国勢調査」データでできないか?

2011-04-15 13:14:59 | 徒然
日本赤十字社などに集まった「義援金」が、1800億円近いという。
ところが、まだ被災された方々への支給が始まっていない。
「義援金の支給」に必要な「被災証明」などの書類手続きができない、ということのようだ。
確かに、被災地の多くの役所や役場が津波で流されたり、「住民基本台帳」などのデータや書類が紛失してしまっているだろう。
それだけではなく、今だに行方不明者が1万4千500人を超えているような状況だ。
被災者本人が、どれだけ申請できる状態にあるのかも難しいトコロもあるだろう。

だからと言って、このままではどうしようもない。
「住民基本台帳」がない状態であれば、昨年実施された「国勢調査」のデータなどを利用するコトはできないのだろうか?
もちろん、「国勢調査」の目的外使用だということは充分承知している。
その「国勢調査」の内容も「住民基本台帳」とは、違うコトも分っている。
しかし、「そこに人が住んでいた」という情報としては、一番直近のデータなのでは無いだろうか?
何らかの情報がなくては、被災者本人なのか確認が取れないのだから、特例措置として「国勢調査」のデータを被災地域に限って、「義援金支給」のために活用するということはできないのだろうか。

もう一つ、「国勢調査」を利用して早急にやらなくてはならないのは、「健康保険証」などの発行ではないだろうか?
被災地の多くが、高齢者世帯が多かった地域ということを考えると、企業の健康保険組合加入者よりも、「国民健康保険」の加入者が多いのでは?
運転免許書など、身分証明書がない場合はやはり「健康保険証」が必要なはずだ。
「健康保険証」無しでは、病院に行くことも躊躇してしまうのでは?

余りにも杓子定規な対応をしていると、被災者の方々にとって新たな問題が発生するのでは?
とにかく、現時点で使えるデータは使って、被災者の方々が安心できるような策も必要なのでは?





菅退陣論に思う

2011-04-15 12:27:28 | 徒然
このところ、菅総理の退陣論が目に付くようになってきた。
「東日本大震災」以前から、退陣待望論のようなモノがあったが、震災で一旦は静まった感があった。
しかし、震災以降の復旧策や東京電力・福島第一原子力発電所事故などの後手後手対応、その前後に行われた国政選挙や統一地方選挙の民主党の惨敗などで、待望論から請求論へと発展していきそうな勢いだ。

ところで、このような「論」を述べるメディアや評論家と言われる方々にお伺いしたいことがある。「誰が総理をすれば、良いのだろう」と。
一部では、小沢さん待望論のようなことも言われているが、小沢さんの地元で起きた震災にも関わらず、小沢さんは一度、菅さんに意見をした程度。
「豪腕・小沢」と呼ばれる程であれば、このような状況でこそ力を発揮できるのでは?と、思っている人も少なくないのでは?
もちろん、地元に入っているとは思うのだが、元々小沢さんは、表立ったコトがお嫌いなトロコがあるようなので、分らないトコロも多いのだが、目立った動きというものは無い。
何より国民の多くは、小沢さんに付いて回るお金の話に飽き飽きし、小沢さんの政治手法は一昔・二昔の発想と思っているのでは無いだろうか?
その「温度差」が、メディアや評論家と言われる人たちと国民との間に、あるような気がする。

一方、自民党の谷垣さんにしても「大連立はしない」というのは分るにしても、「与野党一致で復興を目指す」と言っている割には、積極的な態度が見られない。
統一地方選挙のときには、民主党の批判を展開すれば災害復興をはじめとする現在の問題解決になる的なコトばかり。
他の政党についても、似たり寄ったりな発言ばかりが目立つ。
言い換えれば、この期に及んでもまだ、「党利党略」のようなコトばかりを言っているように聞こえるのだ。
もう一つ言いたいことは、自民党が現在の「原発推進をしてきた」という事実だ。
その責任を語らず、批判ばかりでは「この人たちに政治を任せらるの?」と、疑問に思うのは私だけでは無いと思う。

そんな「政治の駆け引き」を見ていると、「日本の悲劇は、利他的に行動できる政治家がいない」というコトなのかも知れない。

昔の知恵に学ぶ、この夏の暑さ対策

2011-04-14 18:59:26 | トレンド
今年の夏は、既に「暑い」と決まってしまったのだろうか?
今現在わかっていることは、「節電」というコト。
ソニーは「サマータイム」を導入し、25%の節電を考えているようだ。
他にも、雑誌等々では「夏を乗り切る節電アイディア」のような特集が組まれたりしている(多くは、女性週刊誌)。
その中でも「脱エアコン生活」ということが、とにかく言われている。
一部では、テレビの深夜番組をなくして放送時間も夜11時頃で終了。コンビニは当然、最近都市部では増えつつある24時間営業のスーパーも営業時間を短くすれば、相当な節電になるはず。という指摘もある。
1974年に起きた「オイルショック」では、実際テレビの放送時間は11時(もしかしたら12時だったかも)で終了していたし、当時はコンビニそのものも少なく、当然24時間営業のスーパーなどもなかった。
それだけ生活スタイルそのものが、大きく変化してしまったということだろう。

と言っても、「節電」をするための「脱エアコン生活」は、ほぼ間違いないだろう。
そんな状況で、「いかに涼しく生活するのか?」というコトに特化した商品が、既にいくつか発売されている。
実際、ドラッグストアなどで昨年ごろから見かけれるようになった、「夏用シャワージェル」などは、使える商品だと思う。
沐浴剤として、以前からあった「クール入浴剤」なども、効果が期待できると思う。
湯上りのサッパリ感が持続するだけではなく、ミントなどのメントール系を使うことで、体感的な涼しさで暑さを凌ぐという方法だ。
同様の商品としては、外出時に使える「ボディーシート」などもある。

しかし、考えてみると日本には昔からの「暑さ対策」が幾つもある。
強い夏の陽射しを遮るよしづやすだれなどは、代表的なモノだろう。
行水という方法もあるかも知れない。
寝ござや竹シーツ、氷枕なども上手に使えば「安眠グッズ」となる。
意外なトコロでは、昨年の夏ひっそり(?)ヒットしたらしい「ステテコ」だろう。
昨年あたりから、「冷感下着」などが発売されているので、このような下着を着たほうが、涼しく過ごせる。

他にも、数年前から自治体などが勧めているのが「壁面や屋上緑化」などだ。
ゴーヤなどをベランダで栽培すれば、「節電」の他に「安心・安全な野菜」が新鮮に収穫できる、というメリットがある。
「節約」という点でも、お財布に優しく小学生のお子さんがいらっしゃる家庭では「夏休みの自由研究」にもなる。

日経新聞などのWEBサイトに、セブンホールディングスが「節電のために、100億の投資」という記事があった。
こまめに蛍光灯の灯りを消すコトも大事だが、このような企業の積極的な投資が、経済の復興+節電策となるはずだ。
それは、一般家庭であっても同じだろう。






「謝罪したいと思います」-東京電力社長の記者会見-

2011-04-13 16:41:54 | ビジネス
今日の午後、東京電力の清水社長の記者会見があった。
総てを見たわけでは無いので、私がテレビで見た部分での感想。
一言で言うなら、「やっぱり、企業として上から目線」ということと、謝罪の記者会見としては失敗だったという印象がある。

それを端的にあらわしているのが、福島第一原子力発電所事故に対する謝罪だ。
「衷心より」という言葉を使いながら、「謝罪したいと思います」で終っている。
「衷心より」という言葉そのものが、普段使い慣れていないのだと思う。
「衷心より」=「心の底から」と言い換えれば、「謝罪したいと思います」とは、続かないはずなのだ。

ところが「謝罪したいと思います」と言ってしまっている限りは、心のどこかで「天災なんだから仕方ないだろう」とか、「とりあえず、謝罪の言葉を述べれば大丈夫だろう」と思っているのだろう。
少なくとも、受け手となる災害地域(震災被災地と区別するために、「災害地域」とさせていただきます)や、避難地域の人たちが、そう捉えても仕方のない言い方だ。

今回の事故が発生し、副社長さんご一行が災害地域の人たちが集まる避難所へ謝罪行脚(というほどではなかったが)をしたとき、「下手な謝罪行脚だな~」と感じた方は多かったのでは?
その理由は、避難所での生活を余儀なくされている方々に対して、立ったままのお詫びをしたからだ。
謝罪行脚に同行した東京電力の方々は、日頃「頭を下げる」というコトをしない方々だから、頭の下げ方を知らないんだな・・・と感じただけではなく、潜在意識の中で「謝りに来てやっている」的な「上から目線」というか、「天災なんだから、謝る必要は無いんだけど・・・世間がうるさいからとりあえず」という印象を与える結果となってしまった。

問題なのは、そのことを理解し、今回の記者会見で修正できていない点だ。
東京電力という会社の体質として、「問題発生に対しての危機管理ができていない」というだけではなく、「修正・改善する力もない」というコトが、現れてしまったカタチだ。

電力会社というのは、民間企業といいながらその実は「半官半民」のようなトコロがある。
それだけに、一般企業よりも危機管理感が薄いのかも知れないし、「電力は自分たちが供給してやっている」という驕りのようなモノも体質的にあるのかもしれない。
それがハッキリと出てしまったのが、今回の清水社長の記者会見だったような気がする。

「NO NUKES」と時代

2011-04-12 21:15:09 | 徒然
先日、東京で「反原発デモ」があったようだ(紹介記事は「ガジェット通信」より)。
新聞などの大手メディアが殆ど報じていないこともあり、余り知られていないようだ。

この記事を見たとき、私にとってはとても懐かしいことばを見た。
デモ参加者たちが掲げている、「NO NUKES」ということばだ。
私と同世代以上の洋楽ファンの方にとっては、とても懐かしく、そしてある思いのある言葉なのではないだろうか。
というのも1979年、米国スリーマイル島での「原発事故」をキッカケに、急速に全米各地で反原発という運動が広がっていった。
その運動の中心に、数多くのミュージシャンがいた。
そのミュージシャンたちが、自発的に集まり「NO NUKESコンサート」を開催したのだった。
当時は、「70年代のウッドストック」のような呼ばれ方もされたのだった。
同じ年には「チャイナシンドローム」という、原子力発電所事故を取り上げた映画も製作され、日本でも話題にもなった(日本公開は、映画公開はスリーマイル島事故の後だったのだが、米国公開はスリーマイル島事故の前だったようだ)。

映画「チャイナシンドローム」は、アカデミー賞他数々の映画賞を受賞したこと、主演女優のジェーン・フォンダの社会的発言などで、注目を浴びたように思うのだが、「NO NUKESコンサート」のほうは、一部音楽雑誌などで「コンサート内容」が紹介された程度で終ってしまった。
日本ではその当時からメディア的には「原子力(発電)」そのものが、アンタッチャブル的存在だったのかも知れない。
政治的には、強力に「原子力発電推進」政策をとっていた時代だったからだ。
それが逆に、洋楽ファンにとって「NO NUKES」という言葉と共に、記憶に残っているような気がする。

それから30年以上の時間が過ぎ、米国では再び「原子力発電」に注目し、今回の「福島第一原子力発電所事故」が起きた。
なんと皮肉なことだろう。
だが、当時のミュージシャンたちが一生懸命に訴えていた「自然エネルギーへの転換」というコトは、30年経っても殆ど進んではいない。
もちろん、技術的な面では大躍進をしているのだと思うのだが、「原子力に変わるエネルギー」とはなっていないのが現状だろう。

もし、30年前のスリーマイル島事故をキッカケに、世界中がエネルギー転換を積極的に行い、その中心に日本がいればどうなっていたのだろう?
「たら・れば」の話をしても意味がないと思うが、少なくとも今回の「福島第一原子力発電所事故」は、世界中がエネルギー転換を考える大きなキッカケとなるような気がする。


東京電力株主さま、GWは東北旅行へ行きませんか?

2011-04-12 11:40:47 | CMウォッチ
今から20年ほど前に、「その先の日本へ。」というJR東日本のテレビCMがあった。
数年、シリーズ化されたという記憶がある。
おそらく、JR東海の「そうだ京都、行こう」 と同じ頃に始まったテレビCMだったと思う。
JR東海の「そうだ京都、行こう」のテレビCMは今現在も続いていて、春と秋に流れる京都の様々な風景は、ひと時の旅気分を味あわせてくれる(キャンペーンは、四季折々にあわせてる)。

それとは違うアプローチで始まったのが、JR東日本の「その先の日本へ。」だった。
おそらく、東北新幹線が開業し、東北への旅の訴求を狙ったCMだったと思う。
出演者は、ロケ地となった周辺の駅の駅長さんと地元の人たち。
特別な演出などは、一切なし。
ただただ、駅長さんと地元の人たちとそれを包み込むような風景の美しさだけが、映し出されているCMだった。
下手な演出がまったく無い分、そこの土地土地に住む人たちの表情や朴訥とした駅長さんたちの姿が、逆に新鮮でとても評判の良いCMでもあった。

今回の震災で、CMに起用された場所の多くが被災したと思う。
だからこそ、今再び「その先の日本へ。」というテレビCMを見たいと思っている。
なぜなら、被災地が復興し目指すところが、「その先の日本」であって欲しいからだ。

このGWには、東北新幹線が全線再開となる予定のようだ。
東京電力株を持っている方々は、是非とも積極的に東北新幹線を利用して、茨城・福島方面へ旅行に行ってもらいたい。
その理由は、述べるまでもないと思う。





伝統と革新性

2011-04-11 12:36:30 | ビジネス
昨日、テレビを見ていたら2つの老舗企業が取り上げられていた。
と言っても、同じ番組では無い。
たまたま同じ時間帯で違う番組で、取り上げられていたのだった。

一つの老舗企業は、今回の「東日本大震災」で被災した岩手県陸前高田市の老舗醤油会社
老舗といっても、企業規模とてしては中小企業。
昔ながらの伝統的手法で、手間ひまをかけ丁寧な醤油づくりをしてきた会社だ。
番組では、その被災した老舗企業の若い社長と社員たちの姿を追った内容だった。
その中で印象的だったのは、津波で流された「経営理念」を書いた掲示板が見つかり、社員の方々が見つけたときの嬉しそうな表情をされていたコトだ。

その企業の「経営理念」には、お金儲けについての言葉は一切ない。
「従業員と地域社会の中で、醤油づくりを通して健全な関係を持ち社会に貢献する」という内容のことが3項目ほど書かれていた。
その「時代にぶれない経営理念」が社員一人ひとりに、シッカリと理解されてきたからこそ「老舗」の看板があるのでは?と感じた。
それだけではなく、その理念を理解している社員がいれば、会社の再建は大丈夫だ、と確信に似たようなものを感じたのだった。

事実、被災したことを知ったお客様から「醤油づくりができるようになってからで結構ですから」という内容の手紙と共に、前払いとして代金が送られてくるという。
それだけお客様一人ひとりと信頼関係ができているからこそ、「この企業を応援したい」という思いが、顧客にあるのだろう。

もう一つは、石川県にある真鍮製の茶器などを製作する老舗メーカー「能作」が取り上げていた。
これまで高い鋳造技術を持って真鍮製品を作ってきたが、新機軸として錫100%の製品作りを始める過程や現在についての内容だった。
錫という金属の特性など、まったくの素人の私にはわからないが、どうやら「錫100%の製品作り」というのは、冒険どころではなく無謀な挑戦ということらしい。
だが、その挑戦をあえてするコトができるのも、やはり老舗の力なのだと思う。
むしろ、真鍮製品を作ってきた技術があるからこそ、無謀な挑戦ができたのだと。
そして「伝統」という文化があるからこそ、革新的な挑戦ができたのでは?と改めて思ったのだ。
「伝統」という懐の深さが、新しいチャレンジを可能としている、と言えるのかもしれない。

2つの企業は決して大きな企業では無いが、「伝統」という文化があり、その文化があるからこそ社会から信頼され、革新的な新しい挑戦ができたり、再建への道を歩み始めるコトができるのでは無いだろうか?
もしかしたら、「日本の底力」というのは、そのような「伝統」という懐の深さなのかもしれない。

新社会人たちへ、エール

2011-04-10 20:19:14 | CMウォッチ
そろそろ、新人研修が終わり週が明けるといよいよ配属という時期になってきた。
配属先が決まると、当然新人たちには「名刺」が渡される。
「名刺」をもらうと、「あぁぁぁ~、社会人になったんだ・・・」という実感が湧いてくるはずだ。

テレビCMもそんな、新人向けのテレビCMが登場している。
NTTdocomoの「名刺篇」だ。
テレビCMとしては、新機種のスマートフォンの「名刺整理機能」を謳っている内容だが、ポイントは「名刺に負けるな」というコトバだ。

この「名刺に負けるな」というコトバの前には、「偉い人順に名刺を並べ替える」というコトがある。
残念ながら(というより、当然のことだが)「偉い人順」という並べ替え機能は無い。
その機能がないということよりも、スマートフォン役になっている俳優・渡辺謙さんの言葉が素敵だ。

渡辺:偉い?
渡辺:君が言う『偉い人』っていうのは、一体なんだ?
渡辺:肩書きか?それとも地位のことかな?


この問い掛けにチョッと戸惑ってしまったのだ。
確かに、社会に出て何年も経つと、「肩書き」や「地位」で人を見てしまうことがある。
もちろん、「肩書き」や「地位」というものは、その人が積んできた実績や評価があって付くはずのものだ。
当然、責任も一緒に付いている。
その意味で「肩書き」や「地位」というのは、その人を知る一つの手だてだと言える。
でも、いつしか「肩書き」や「地位」だけが独り歩きをしてしまっている場合がある、というのも事実だろう。
それどころか、企業内の「肩書き」や「地位」が、企業以外でも通用すると勘違いをしているのでは?という、方も少なからずいらっしゃる。

CMの最後には若い経営者が登場し「名刺(=肩書きや地位)に負けるな」と、エールを送る・・・という場面で終っている。
大切なコトは、「肩書き」や「地位」で人を見るのではなく、その人が創ってきた「肩書き」や「地位」を見ることなのだ・・・と、気付かせてもらったような気がした。

ロゴの変更などで、「(ソフトバンクなどへの)反撃」がコケタ受けた印象のあるdocomoのCMだが、昨年あたりから本格的に「反撃」し始めたようだ。