北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

岐阜基地の桜 ・ 舞鶴展開上の注意

2006-04-21 23:32:53 | 北大路機関 広報

岐阜基地のサクラ

 掲載が若干遅れたが今週月曜日、再び航空自衛隊岐阜基地に撮影展開した。今はまさに桜の時期である。桜と戦闘機、こんな取り合わせが撮れるのもこの時期だけである。

Img_0742  聞くところでは先週水曜日あたりが桜の満開の時期であったとの話だが、さりとて諦めきれず、カメラを持って長躯岐阜基地へ向かった。盛んにC-1輸送機のC-X用エンジン実験機の目撃情報があったが、当日はエプロンに動かず置いてあり、撮影には至らなかった。

 写真は盛んにタッチアンドゴーを繰り返していた小牧のC-130H輸送機と桜、やはり散り際である。

Img_0766  写真は同日、撮影したF-15DJ。これも盛んにタッチアンドゴーを繰り返していた。

 図らずも撮影する立場の人間には飛行経路を知りながら待ち伏せて期に撮影する事が出来、被写体としては最高だが、なにせ怪鳥F-15、速度が並ではなく中々満足した写真は撮れない。手段としてはISO感度を1600に変更し、1/800くらいで撮影するというデジタル一眼レフならではの方法での撮影である。詳報は後日。

舞鶴展開上の注意

 続いて集合訓練見学に、週末、舞鶴基地へ展開される方への情報である。週末の土日桟橋が一般公開されることは既報だが、舞鶴という特性を交通の面から詳述したい。

Img_9159  舞鶴へは京都駅から山陰線を利用する。写真は特急舞鶴号、京都駅始発で二時間強にて東舞鶴駅に到達する。山陰線は快速も新快速も運行されておらず、僅かに特急リレー号として福知山方面への特急へ連絡する快速があるだけ、基本的に各駅停車であるから乗り換え三回、三時間~四時間の時間を要する為、特急利用が理想である。

 経験した事だが、車内販売も自動販売機もなく、途中停車駅に自販機も少ないので乗車前に飲み物や駅弁の購入をしなくてはつらい列車旅となるので要注意だ。

Img_9164  更に付け加えると、列車本数が非常に少ない事である。

 写真は東舞鶴駅の時刻表、黒字は各駅停車、赤は特急電車、終電は2151時であるが、京都市内に戻ろうとするならば2030時の電車に乗らなければ往生する事となる。とにかく終電には注意が必要だ。西舞鶴駅前にビジネスホテル、東舞鶴駅前にカプセルホテルがあるが、夜間電飾を撮影するならば宿の確保を到着と同時に行うべきだろう。

 時間帯によっては一時間に一本もないところがあるので、展望台がある五老タワーや西港などに行く際は、駅にある舞鶴市観光課出張所ヘ行き、土日に運行されている一乗車100円のバスに関して案内用紙をもらうのが妥当だろう。

Img_9432_1  駐車場は舞鶴基地内に一部あり、手続きを行えば駐車できるが、数に限りがあることを特記しておこう。

 市内にも商業施設に駐車場があるが、艦船ファンの名前を汚すような違法駐車や利用者以外駐車禁止のところに駐車する事だけはやめて欲しい。

 以下を参考の一端にして、集合訓練をお楽しみいただきたい。

HARUNA

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海上自衛隊舞鶴基地 桟橋一般公開②

2006-04-21 21:31:56 | 海上自衛隊 催事

舞鶴基地の護衛艦

舞鶴基地は第三護衛隊群の護衛艦5隻、地方隊の護衛艦6隻と掃海艇3隻、ミサイル艇3隻、輸送艦1隻、補給艦1隻の母港である。今回は3月に小生が展開した際の在泊護衛艦について掲載する。

Img_9292_1  舞鶴基地といえば、第三護衛隊群旗艦の護衛艦『はるな』である。誰が何と言おうと舞鶴の主である(笑)。ちなみに蛇足ながら小生の愛犬(♀)は榛名、鞍馬というなまえである。

 舞鶴基地唯一の蒸気タービン推進方式の護衛艦で満載排水量6800㌧、全長153㍍の本艦は日本初のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)として1973年に就役し、同型艦『ひえい』とともに三機の哨戒ヘリを搭載する本艦は1980年に改良型の『しらね』型が就役するまでの間日本最大の護衛艦であった。また、ASW(対潜戦闘)を主たる任務に掲げる海上自衛隊にとり潜水艦の天敵ともいえる航空機を搭載した重要な戦力であった。

Img_9314  『はるな』型は背負式に搭載した特長的な5in砲で知られ、この艦容は『しらね』型にも受け継がれている。当初はDDH二隻で一個護衛隊を形成し、これにDDAやDDKを充て護衛隊群を編成していたが護衛艦八隻ヘリ八機からなる八八艦隊に改編された後は護衛隊群旗艦という位置づけとなった。

 1987年から1989年にかけ二隻は電子装備に関する近代化改修を受け、艦齢を24年から32年へ八年延長、今日に至る。なお、本艦も退役が迫っており(恐らく2009年)、2003年度と2006年度に後継の全通飛行甲板型ヘリコプター護衛艦が建造される事となっている。蒸気タービン艦が三年間隔でオーバーホールが必要で、ガスタービン艦の四年間隔と比較しライフサイクルコストが高い事が上げられる。

Img_9285_1  写真はミサイル護衛艦(DDG)『しまかぜ』、『はたかぜ』型の二番艦で満載排水量は5900㌧、全長は150㍍、初のガスタービン推進方式DDGで、1988年に就役した。

 主兵装であるスタンダードSAM発射機を艦首部分に置き、波浪から守るべくブルワークを加えた艦容で、小説『亡国のイージス』の『いそかぜ』は本型をモデルとしている。後部甲板を広く開けたことでヘリによる物資補給が可能となり、特筆すべき点も多いが、イージス艦に至る過渡的な設計であったことは否めない。また搭載するスタンダードSM-1の射程も18~38kmと限定的でイルミネーターの数と同じ同時ニ目標しか対処できず、そのポテンシャルも低下している。

Img_9315  今年三月に就役したばかりの最新鋭護衛艦『すずなみ』、『たかなみ』型護衛艦の最終艦(五番艦)で満載排水量は6300㌧、『はつゆき』『あさぎり』『むらさめ』と建造された汎用護衛艦(DD)の最新型である。汎用護衛艦中最大の本級は寸法や排水量ともにDDHやDDGに匹敵する。限定的な多目標同時対処能力を有する国産射撃指揮装置FCS-2を搭載し、MK-41VLS(垂直発射機)32セルを搭載する。ステルス性にも配慮があり、将来的にはESSM(発展型シースパロー)を64発搭載することになり、文字通り初期のDDGを遥かに凌駕する対空戦闘能力を有する事になるが、本型に更に抜本的なステルス性を追求し、洋上作戦能力を高めた新型護衛艦(20DD)が来年度予算で要求される見込みとなっている。

Img_9328  写真は舞鶴地方隊第24護衛隊の『みねゆき』(DD124)と『はまゆき』(DD126)である。『はまゆき』は『すずなみ』就役と同時に護衛艦隊から地方隊に移管したもので、護衛艦隊最後の『はつゆき』型である。

 『はつゆき』型は満載排水量4000㌧。また、性能や艦設計など非常にバランスが取れており、ガスタービン推進、対潜・対艦・対空の各種ミサイルを搭載し、対潜ヘリコプターを搭載するという今日の汎用護衛艦の基礎を築いた護衛艦で、1982年から1987年にかけて12隻が建造された。

Img_9340  なお、地方隊配備の護衛艦にはヘリコプターを搭載しないため、本年三月を以て『はつゆき』型のヘリコプター配置は終了したが、着艦支援器材などは艦内に保管されており、必要に応じてその能力を再生可能である。

 本型は、艦橋構造物から一段下にCICを内蔵し、ダメージコントロールに留意した設計となっているが、艦内容積の関係でデータ相互交換可能なリンク11を搭載できず、受信専用のリンク14を搭載している。

Img_9346  『はやぶさ』型ミサイル艇『うみたか』。

 満載排水量240㌧、1999年3月の北朝鮮工作船侵入事案を契機に建造されたミサイル艇で、舞鶴の第二ミサイル艇隊に三隻が配備されている。また、リンク11を搭載しており高い共同交戦能力を有する。

 速力は実に44ノットに達し、工作船に対抗するべく、12.7㍉機銃や高速複合艇などを搭載している。

Img_9350_1  『うみたか』の後方に並ぶ『はつゆき』型と比較すると本型の大きさがわかる。近年ではミサイル艇を400~500㌧クラスに拡大させ、速力を犠牲にしてでもコルベット的運用を視野に入れて設計しているが、本型はあえて高速性を重視した設計である。

 なお、一部にミサイル艇を護衛艦の代用として地方隊の主力装備とさせる構想があるようだが、ミサイル艇は対空ミサイルなどの自衛手段に限界があり、また対艦ミサイルの射程に見合う索敵手段を有しないことも特筆すべきで、護衛艦との協同運用を模索するか、米軍が建造する沿海域戦闘艦(LCS)のような艦艇を模索するべきといえよう。

Img_9273  『あぶくま』型護衛艦『あぶくま』。

 満載排水量2900㌧、対艦・対空ミサイルを搭載し、船体部分に傾斜をつけるなど護衛艦として初めて対レーダーステルスを設計に盛り込んだ事が特筆される。対空レーダーは『はつゆき』型と同じOPS-14を搭載している。6隻が建造されたが、これが地方隊向けのDE(小型護衛艦)の最後の建造となった。装備はヘリや対空ミサイルを搭載しないことを除けば『はつゆき』型に準じるが、CICの機能などに限定的な部分があるという。  

Img_9443  『はつしま』型掃海艇『あわしま』(MSC-670)と『うわじま』型掃海艇『ながしま』(MSC-680)。

 初めて自走式機雷処分具を搭載した『はつしま』型(満載排水量520㌧、1976~1987年に23隻建造)、そして中深度掃海器具・掃討装置を加えた『うわじま』型(満載排水量570㌧、1990~1996年に9隻が建造)が並ぶ。

 各国が汎用性を希求しFRP製掃海艇二尉こうする中、日本では耐衝撃性やダメージコントロール性能に優れた木製掃海艇を建造している。

Img_9348  写真は舞鶴地方隊の支援船。

 YTとは出港入港時に支援を行う曳船を示し、YWとは艦艇に飲料水などを供給する水船、YO及びYGとは艦艇に燃料を補給する油船、YBとは艦艇に溜まった廃油を回収し陸上施設に運ぶ廃油船、YLとは糧秣や消耗品を運搬する運貨船、YCとはクレーンを搭載した起重船、YFとは沖止めした艦艇から陸上に乗員を輸送する交通船を示している。また湾内の浮遊物を回収するYDという作業船などが配備されている。

 以上が3月18日、舞鶴基地に停泊していた艦艇である。現在実施中の集合訓練には23隻が参加しており、これに関する興味も尽きないが、参加される方は本情報をご参考にしていただければ幸いである。

HARUNA

(本ブログに掲載した写真及び本文は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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