■防衛フォーラム
本日は陸軍関連の話題です。
防衛省は南鳥島へ地対艦ミサイル射撃場を整備する事を発表しました。再来年には運用開始を目指します。陸上自衛隊は88式地対艦誘導弾や12式地対艦誘導弾システムを装備していますが、射程が大きく日本国内では発射場を確保できていません。部分的には既に小笠原諸島に試験場はありますが、実戦部隊での射撃訓練は実施できない状況でした。
南鳥島に射撃場を置くのは12式地対艦誘導弾システムの運用を目指しているといい、これは政府の反撃能力整備方針を受け近く射程を1000kmに延伸する計画があり、これらの試験なども想定されているとのこと。日本国内の試験場において開発を自己完結できるとともに、近年小笠原近海で行動を強化する中国艦船への抑止効果も期待できるでしょう。
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ノルウェー国防省はHIMARS高機動ロケットシステム導入を計画中です。アメリカ国家安全保障協力局によれば、ノルウェー政府はロッキードマーティン社製M-142-HIMARSに関する公式の調査及び導入打診を行っているということで、今回検討しているのはHIMARSを16両、そしてGMLRSなど関連弾薬や関連機材などとのこと。
HIMARS高機動ロケットシステム16両とともに、GPS誘導方式のGMLRSポッド15基、そしてM-57-ATACMS陸軍戦術ミサイルシステム100発の導入を想定しているとのことで、射程70㎞のGMLRSよりもポッドとしては射程の大きなATACMSを想定している事がわかります。仮に導入の場合、契約規模は5億8000万ドル規模になるもよう。
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アメリカ陸軍は2025年より超高速砲弾の評価試験を開始するとのこと。これはアメリカ宇宙ミサイル防衛シンポジウムにおいて陸軍準則能力重要技術局のロバートラッシュ中将が発表した将来砲兵システム研究の一環で、主として従来ミサイルが用いられた目標への攻撃へ野砲を用いることでコストを大幅に削減する事が狙い。
フォートシル陸軍火力センターが中心となって行われる評価試験ではM-777榴弾砲を用い、155mm砲弾規格の超高速砲弾の評価試験を行うという。具体的には超高速砲弾を用いた場合、腔圧を筆頭に砲弾にかかる物理的な圧力と、これに耐える改良の必要有無を含めて検証するという。またこれは将来の自動装填装置研究にも活かされるという。
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ポーランド軍はAH-64Eアパッチ戦闘ヘリコプター96機を取得します。8月13日、ポーランドのヴワディスワフカミシュ副首相兼国防相はアメリカ国防総省とボーイング社との調達契約調印式に臨み、ポーランド軍が配備するアパッチガーディアンの保有数はアメリカ軍に続き世界第二位の規模となる、とその導入の意義を強調しています。
AH-64E戦闘ヘリコプター96機の取得費用は100億ドルとなっていて、併せてAGM-114R2ヘルファイア対戦車ミサイル1844発、AGM-179A空対地ミサイル460発、スティンガー空対空ミサイル508発を導入、ポーランド軍はこれにより旧式化したソ連製Mi-24ハインド攻撃ヘリコプターとMi-2多用途ヘリコプターを置き換える構想です。
ポーランド軍は2022年のロシアウクライナ戦争開戦以来、パニックのような防衛力近代化を進めており、戦車や火砲とロケット砲に戦闘機などを一気に更新、既に国防費のGDP比は5%を超えており、これら装備の更新時期に憂慮が浮かぶ一方、NATO加盟国としてNATOではアメリカとトルコに並ぶ戦闘ヘリコプターと戦車保有国となるもよう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
本日は陸軍関連の話題です。
防衛省は南鳥島へ地対艦ミサイル射撃場を整備する事を発表しました。再来年には運用開始を目指します。陸上自衛隊は88式地対艦誘導弾や12式地対艦誘導弾システムを装備していますが、射程が大きく日本国内では発射場を確保できていません。部分的には既に小笠原諸島に試験場はありますが、実戦部隊での射撃訓練は実施できない状況でした。
南鳥島に射撃場を置くのは12式地対艦誘導弾システムの運用を目指しているといい、これは政府の反撃能力整備方針を受け近く射程を1000kmに延伸する計画があり、これらの試験なども想定されているとのこと。日本国内の試験場において開発を自己完結できるとともに、近年小笠原近海で行動を強化する中国艦船への抑止効果も期待できるでしょう。
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ノルウェー国防省はHIMARS高機動ロケットシステム導入を計画中です。アメリカ国家安全保障協力局によれば、ノルウェー政府はロッキードマーティン社製M-142-HIMARSに関する公式の調査及び導入打診を行っているということで、今回検討しているのはHIMARSを16両、そしてGMLRSなど関連弾薬や関連機材などとのこと。
HIMARS高機動ロケットシステム16両とともに、GPS誘導方式のGMLRSポッド15基、そしてM-57-ATACMS陸軍戦術ミサイルシステム100発の導入を想定しているとのことで、射程70㎞のGMLRSよりもポッドとしては射程の大きなATACMSを想定している事がわかります。仮に導入の場合、契約規模は5億8000万ドル規模になるもよう。
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アメリカ陸軍は2025年より超高速砲弾の評価試験を開始するとのこと。これはアメリカ宇宙ミサイル防衛シンポジウムにおいて陸軍準則能力重要技術局のロバートラッシュ中将が発表した将来砲兵システム研究の一環で、主として従来ミサイルが用いられた目標への攻撃へ野砲を用いることでコストを大幅に削減する事が狙い。
フォートシル陸軍火力センターが中心となって行われる評価試験ではM-777榴弾砲を用い、155mm砲弾規格の超高速砲弾の評価試験を行うという。具体的には超高速砲弾を用いた場合、腔圧を筆頭に砲弾にかかる物理的な圧力と、これに耐える改良の必要有無を含めて検証するという。またこれは将来の自動装填装置研究にも活かされるという。
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ポーランド軍はAH-64Eアパッチ戦闘ヘリコプター96機を取得します。8月13日、ポーランドのヴワディスワフカミシュ副首相兼国防相はアメリカ国防総省とボーイング社との調達契約調印式に臨み、ポーランド軍が配備するアパッチガーディアンの保有数はアメリカ軍に続き世界第二位の規模となる、とその導入の意義を強調しています。
AH-64E戦闘ヘリコプター96機の取得費用は100億ドルとなっていて、併せてAGM-114R2ヘルファイア対戦車ミサイル1844発、AGM-179A空対地ミサイル460発、スティンガー空対空ミサイル508発を導入、ポーランド軍はこれにより旧式化したソ連製Mi-24ハインド攻撃ヘリコプターとMi-2多用途ヘリコプターを置き換える構想です。
ポーランド軍は2022年のロシアウクライナ戦争開戦以来、パニックのような防衛力近代化を進めており、戦車や火砲とロケット砲に戦闘機などを一気に更新、既に国防費のGDP比は5%を超えており、これら装備の更新時期に憂慮が浮かぶ一方、NATO加盟国としてNATOではアメリカとトルコに並ぶ戦闘ヘリコプターと戦車保有国となるもよう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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